どうしてこれをやろうと思ったの?と聞かれると、きっかけはたくさんある。
前回に引き続き、クラウドファンディングのページでは省いてしまった、プロジェクトメンバーそれぞれの想いを報告します^^
今回は、お母さんへの贈り物の制作を担当している、
古谷陽香の想いを報告します。
立案者の新田芽衣からプロジェクトの話を聞いたときに、1番最初に思い浮かんだのは自分の結婚式。
昨年の2月に結婚式をあげた私は、2つ大きな挑戦をしました。
1つ目は、約70人のゲスト全員に手紙を書くこと。
2つ目は、両親への手紙の前に、ある映像を入れること。
この活動報告を読んで、私の体験や経験が誰かの背中を押しますように...
約70人の全ゲストへの手紙。
私たち夫婦はゲスト1人1人に手紙を書きました。
招待した約70人の家族や親族や友人。
その人の事を想い、昔の思い出に胸を馳せ、一言一言丁寧に文字に起こす。
どんな顔して読んでいるかな。
こんなこと書いたらもしかしたら泣いちゃうかな。
なんて考える時間を楽しみながら、「本当に大事な人たちに見守られて結婚式を挙げるんだ」と改めて感じることができて、私たちの結婚式には欠かせないプロセスだったと今振り返っても思います。
手紙は式が始まる前に、受付のスペースでゲストにお渡ししました。
「今日があるのはあなたがいたからだよ、本当にありがとう。」
という感謝の気持ちを目一杯込めた手紙。
手紙を読んでいる姿は直接見られなかったけれど、
カメラマンさんがたくさん残してくれていた写真や映像には、手紙を読みながら微笑んだり、涙を流してくれている、私の大切な人たちが写っていました。
そして式の結びには、みんなが私たちに手紙を書いてくれました。
私が書いた手紙への返事、結婚式の感想、未来への応援メッセージ、どれも全て私の宝物です。
私は、皆が手紙を書いてくれている光景が今でも忘れられません。
私たちのことを想ってペンをとり、柔らかいBGMの中でペンの音だけが響く静かな時間を、たまらなく愛おしく感じました。
両親への手紙。そして、ひとつの映像。
両親への手紙は結婚式の何か月も前に書き終えており、何度もブラッシュアップしました。
私には産まれたばかりでこの世を去った兄がおり、両親への気持ちを伝えるのに兄の死は切っても切り離せないものでした。
「死というワードを、結婚式というお祝いの場で扱うのはどうなんだろう…」
なかなか踏ん切りがつかない中、一緒に結婚式を作ってくれるクリエイターさんから、ある提案をしてくれました。
「お母さんからの目線も入れて映像を作ってみない?」
母が私を産んだ時の想いをインタビューして映像で流し、その後に私が両親に手紙を読む。
私を産むまで、どんな思いで過ごしたのか...
なぜ陽香という名前をつけたのか…
私の知らない母がそこにはたくさん写っていて、
想像してもしきれない程たくさんの葛藤と戦ってきたことを知りました。
そんな母の想いを知ってから書く両親への手紙は、もともと用意していた内容とは大きく変わりました。
結婚式当日は、挙式からその映像が流れるまで。そしてその後も、"家族"の時間をたっぷり味わいました。
初めて父の涙を目にした私は号泣しすぎて、写真はひどい顔で写っていましたが(笑)
それも含めて全てが素敵な思い出です。
「私の感謝の気持ちは全身全霊かけて届けた」と自信をもって言えます。
音楽だったり。映像だったり。その場の空気だったり。
私は、この一日を体験して『場』の持つ力を改めて感じました。
想いを込めた分、その想いが相手にちゃんと届く。
恥ずかしくて、ぶっきらぼうに渡す手紙も、その人らしさが伝わって素敵かもしれない。
それでも集中して、言葉を噛みしめて...
しっかりと味わえる『場』があるからこそ、より伝わるものがあるのではないかと思います。
私は結婚式という節目で感謝を伝えるということが出来たけれど、もっともっと身近でもそんな場があっても良いと思っています。
そんな私の想いと今回のプロジェクトの想いは完全に同じで、一緒に場を作ってほしいという誘いを断る理由は一つもありませんでした。
私の体験や経験が少しでも誰かの背中を押すことができるなら、こんなに幸せなことはありません。
改まって手紙を書くことは恥ずかしい…という気持ちがあっても大丈夫です。
私も言葉にすることは恥ずかしかったし、とても難しかったです。
でも、その場を用意してくれたたくさんの人たちの後押しがあって、しっかりと想いを伝えることが出来ました。
今度はぜひ、そのお手伝いを私にさせて下さい。
*私が両親に手紙を読んでる時、母が泣きながら父の腕をぎゅっと握っている写真です。
この写真1枚で、何度だってあの時間を思い出せる。大好きな写真です^^