11月2日、肌絵図鑑の本印刷が始まりました。大阪は雨です。早朝から、アサヒ精版株式会社のプリンティングディレクターであり私たちの古くからの親友・築山万里子と、部下のやまもとくんが工場で立ち合いをしてくれています。写真は、けんいちろうさんなので、彼も現場に立ち会ってくれているようです。多くの技術者の力をかりて、1冊の本が刷られていきます。「まだやったことのない印刷」にいろんな工程でチャレンジしています。表紙も、中身も!!楽しみにしていてください。
本日、10月19日。576ページの原稿が完成して、印刷会社さんに入稿いたしました。ふーっと一息です。いちばん気を使うのは、約200名の女神(モデル)さんたちのお写真と名前が間違ってないか・・・ということです。(だって、顔と名前が一致するのは、學さんしかいないんですから)。しかも、も~~っとその前に、「名前」ひとつとってもいろんなトラップがあるのでそもそもの「名簿」をつくる段階から、混乱しまくりでした。なにが混乱するかといえば・・・たとえばです。學さんがモデルのAさんを「キツネちゃん」と呼んでいるとします。でも、そのコの本名は學さんもきいたことがない「山田花子」さんであり、掲載用のモデル名は「ALICE」だったりするのです。ですから、「キツネちゃん」=「ALICE」というまったく関連性のないお名前を間違わないように確認していくのはまじでビビる作業です。×200名。 今回は、女神のひとりで「エクセルおばけ」と会社で呼ばれているというMちゃんに遠隔で手伝ってもらったからできたようなもの。ありがとうMちゃん!!そして、ご支援いただきました皆様のお名前も掲載さえていただいています。基本、「備考」のところにお名前を記載していただいた方を掲載しています。掲載ネームが確認できなかった方はやむおえず・・・なのですが感謝のきもちはかわりませんのでどうかご了承ください。(でもでも、たぶんほとんどの方は掲載させていただいていると思います。)第一弾の納品は、11月20日ごろ。そのあとブックカバーをつけたり、仕分けしたり、梱包したりです!! 12月9日から、大阪ミナミを拠点に、展覧会します。こちらはまたお知らせしますので楽しみにお待ちください。ひとまず、入稿の報告でした。
東學肌絵図鑑、絶賛編集中です。東は連日遅くまで、写真のセレクトと加工。編集者の村上は、インタビューや、女神たちのことばをセレクトしたり、そして、英訳をお願いしたり。今回、いろいろ考えた結果、東のことを昔から知っていてくれる衛藤千穂さんにお願いすることにした。彼女は、もともと維新派の制作をしていた才女で、東が維新派の宣伝美術を担当したころから、長年いっしょに仕事をしてきた仲だ。南港から、犬島にいったり、室生村にいったり・・・いろんな思い出があり、なにより松本雄吉というモンスターの表現を、海外公演のために翻訳したり通訳したりした経験があるので。そういった背景もふくめてお願いしたいなと。いま、頑張ってもらっています。で、いま考えているのが、「肌絵」の英訳なのです。みなさんは、どう思いますか?私の中でいま、一つの答えに近づいているのですが、それが、「DRESS」というコトバです。墨のドレスというニュアンスです。あるとき東が話してくれました。「アラーキーは、その女性をそのまま切り取る。俺は、美しくする」・・・そこをずっと考えていて。あるとき、DRESSというコトバが浮かびました。コピーライターの先輩にちょっと話してみたら・・・「あ、とたんに女性たちが主役になるね、それ」という意見ももらって。まだ、最終は悩んでいますが、いまそんなことを考えています。
道頓堀ZAZAにある劇場のひとつが8月末でクローズとなる。そのクロージングに花を。という企画でお声がけいただいた久しぶりのライブペイントです。2020年のコロナ禍のなかで、退陣を余儀なくされたいくつもの要素がここにあるわけで。「道頓堀」=外国人観光客の聖地だった場所。「道頓堀ZAZA」=その人たちがエンタメを楽めるためのコンテンツを提供した劇場。「小劇場」=密すぎる「ライブ、エンタメ」=密すぎるそのたくさんの要素がぎゅっとしてしまっているのが今の私たちの暮らすまち。難波だ。もちろんここに繁華街ならではの「食」「酒」という要素も入ってくるのだけれど。そういったまちで、次の道に進むためのクロージングイベントだった。學さんにとっても久しぶりのライブイベントだ。キャンバスは、「劇場そのもの」。壊してしまう劇場の壁に最後の花を・・・ということで。どーーーーーんとパノラマに描くことができる。真夏の桜の花の満開のした。座席数もちょっとだけのチケットはすでに完売で、スタッフでさえも観にいけない。なので、オフィスのスクリーンで「有料視聴」を選択。こういった「有料視聴」がもうちょっと当たり前になっていけばいい、とはおもうけど。なかなかの壁ではある。有料というハードルは低くない。1本の線に迷いがない。その目、そのまつげ、その鼻、その上唇・・・・巨大な画面のなかに迷いなくひく墨の潔さ、美しさ、こうやって何度も舞台を経験することで磨かれていく技術がある。少なくとも、絵師・東學という人物はこのコロナ禍という時代をおおきな糧にすることができている人物だと思う。フランクザッパの「疫病時代のザッパが吐く息」という本があるのだけど。そのエネルギーみたいなものが、今回のボディペイントの本や、制作中の13メートルの大作にぎゅっと詰まっているような気がしています。
いろいろ考えて今回は、自費出版で突っ切ろうと考えていたのです。そのぶん、好きにできるし、印刷にも凝りまくれる。農家直売のみかん、と同じように、つくりたてをあなたに直接届ける。そんなところに東京の出版社アトリエサードの岩田恵さんが「きっと力になれると思う」とメールをくださって。2回、お逢いした。2回とも、土砂降りで。2回目はカミナリどがーん。「雨女か?あたしは」と笑いながら。アトリエサードさんの本には何度か、掲載させてもらっているご縁もあったが、編集の方にお逢いするのははじめてだった。出版業界のことや流通のことにまったく素人の私には、彼女の説明が最初ちんぷんかんぷん~~ってとこもあったけど。直感で、この方はなにより、作家自身を大事に扱ってくださることがわかった。マージンとか、部数とか、販路拡大とか、書籍コードの付け方とか、そういったことよりも、東を大事にしてくれる人がここにもいると思えたのでお願いすることにした。みんなでやったほうが絶対いい。そして絶対に、役割が違う方が面白い。印刷会社、出版社、そして社内でのデザインと編集体制を整えて、そして12月の展覧会の会場準備に入ります。【アトリエサードさんのWEBと雑誌】http://www.a-third.com/top.html 學さんが表紙になった雑誌「ナイトランド」。樋口さんに記事でお世話になっている「トーキングヘッズ」