
皆さん、こんにちは!!今回、ご紹介するのは「柳田酒造合名会社」さんです。
創業は明治35年。都城地区で最も古くから焼酎作りをしてきた酒蔵さんになります。霧島連山が生み出す豊かな水と、都城盆地の高温多湿な気候はまさに焼酎作りに最高の環境です。
また、都城地区では珍しく、麦焼酎を専門に作っていた時期もある特異な歴史を持つ酒蔵さんになります。

2013年、5代目・現杜氏の柳田正さんは、35年ぶりに芋焼酎の「千本桜」を復活されました。先代であるお父様が、蔵を守るために苦渋の決断をされた芋焼酎の生産中止。
「麦焼酎で蔵を守り続けた歴史があるからこそ、芋焼酎の千本桜の伝統は絶対に絶やしてはいけない!!」
現在も脈々と続く麦焼酎の味を守りながら、芋焼酎「千本桜」はこうして復活を遂げました。芋の深い甘みの中に、しっかりと芋焼酎の芳醇な香りが開きます。レポートを読んで、このような蔵の歴史を想像しながら千本桜を楽しんで頂けたら幸いです!!
こだわりの「木製 製麹室」!!

100年以上の歴史を持つ柳田酒造さんですが、近年、蔵の大規模な改修を進めています。それは未来の6代目杜氏に引き継ぐことも視野に入れての改修だそうです。
特に力を入れて改修した場所がこの「製麹室」!!木製に徹底的にこだわったそうです。木の呼吸が温度・湿度の急激な変化を抑え、麹菌の成長を促進してくれるのだと言います。
また、壁には通常の3倍の断熱材を詰め込み、外気温に影響を受けにくい構造になっています。焼酎作りの肝と言われる製麹過程だからこそ、妥協なく改修しています!!
仕込み室にもやっぱり「木」!!


製麹室同様に、やはり温度・湿度のコントールがしやすい木製の部屋を作ったそうです。
こちらも壁には3倍量の断熱材を詰め込み、外気温の影響を受けにくい構造になっています。
仕込む釜はホーロー製の釜を使用。写真の通り、濃いネイビーの釜で、衛生面を考慮して釜の種類、色を選ばれたそうです。おいしい焼酎の製造工程ばかり紹介していますが、やはりオフ期間の清掃なども同じくらい大事な作業です!!
今回、仕込み中に特別に蓋を外していただけました!!とろけるような甘くフルーティーな香りがしました!!
勝負を決める蒸留

銘柄によって常圧・減圧を使いわけ、巧みに素材の味を引き出していきます。ここが最終関門!!今まで大事に育てたもろみをここで焼酎にしていきます。柳田酒造特有の香り高い焼酎をこの蒸留機が生み出します。
35年ぶりに復活の千本桜が、初めてこの蒸留機から出てきた瞬間。柳田さんはどんな顔で、どんな思いで一滴一滴を見つめたのだろう。そんな熱い思いを感じた蒸留機でした!!
5代目としての挑戦!!

工場に入ってすぐ右に、真新しい木樽が3本並んでいました。こちらにはすでに焼酎が貯蔵されていて、まだ世に出していない特製の焼酎なのだそうです。この木樽、現在なかなか手に入らない木を使用しているためこのレポートには書けないほど高額!!(笑)
「伝統とは、創造の積み重ね。守るだけではなく、新たな創造が新たな伝統を生む。」
そう言って、まだ静かに眠る木樽の方を見つめる柳田さんの目には、静かな炎が燃えていました!!
柳田酒造焼酎ラインナップ
宮崎県だれやみサイトから
http://www.dareyami.jp/brand/yanagita/
次世代へのタスキを繋ぐ

柳田さんとお話させていただいて特に印象に残ったキーワードが「次世代」という言葉です。今まで、焼酎作りはほとんどが男性の仕事場だったそうですが、今後、間違いなく女性の働き手も出てくる時代が来る。そう話されていました。何より、柳田さんには娘さんがいらっしゃり、6代目杜氏は女性になって欲しいと。
柳田酒造の大規模な改修には、焼酎作りに最適となる工夫と、働き手の蔵人たちへの配慮が随所に感じられました。少しでも作業負担を少なくし働きやすい蔵であることが蔵を守ることに繋がると。
5代目杜氏として、伝統の味を守りながら、自身の求める焼酎の味を追求し。さらに次世代への継承をも考えるその目はとても楽しそうでした!!
都城の豊かな自然、盆地の生む気候。そして伝統に挑み続ける蔵人の意志が、柳田酒造の焼酎の旨さの答えだと確信しました。
皆さま、当店で飲まれる際は、またゆっくりとお話しさせていただきますので、カウンターにお座りください(私が語らせていただきます!!)
会社名 柳田酒造合同会社
住所 宮崎県都城市早鈴町14-4
電話番号 0985-25-3230
Webサイト http://www.yanagita.co.jp/





