
「バスケがしたいです…」
放課後の体育館で、心の底から呻くようにして、
三井が、恩師の安西先生に言った言葉…。
名作『SLAM DUNK』の指折りの名場面でもある。
先日の、南本町小学校の「まんが教育」の授業で、
担任の先生の「感動」したストーリーを「まんがの法則」で読み解いていくなかで
最後に出てきたのが、このシーンだった…。
かつては、将来を期待されたバスケ選手であった三井は、
恩師の安西先生のいる湘北高校に入り、全国制覇の希望に燃えていた。
ところが、思わぬ怪我がもとで、ライバルの赤城に勝てないまま、
途中で挫折をしてバスケを離れてしまうことに…。
鬱屈した高校生活のなかで、不良になった三井は、
赤城たちバスケ部に集団でケンカを仕掛け、体育館は一時騒然となる。
だが、そこに現れた、かつての恩師安西先生をまえに、
三井は、床に崩れ落ちながら、振り絞るようにして、心情を吐くのだった…。
「バスケがしたいです…」
かつて、中学時代から、心の支えにしてきた安西先生の言葉。
「最後まで希望を捨てちゃいかん…」
「あきらめたらそこで試合終了だよ」
挫折と悲しみ…。願いと諦め…。複雑な思いを抱えながらも、
恩師である安西先生に導かれるようにして、
もう一度、三井はバスケを始めることになる。
傷ついた三井が、もう一度、自分の想いに、素直に向き合えた時。
不良たちへの体裁も、プライドもかなぐり捨てて、
もう一度、自分の「道」に、立ち戻ることができた時。
担任の先生の「感動」した瞬間とは、
この三井と、安西先生との、体育館での再会のシーンだった…。
そのことの意味が分かった瞬間、それを聴いていた私たちも、大きく、心が震えた。
目頭を熱くしながら、先生も、思い出したように語りだされる。
「そう…そのために、私も教師に…。」
「…ずっと、忘れていました。」
かつては三井のような、傷ついた思いも経験されたのかも知れない。
そして、もしかしたら、今は、安西先生の立場から、
多くの子どもたちと関わっていらっしゃるのかも知れない。
三井のような、傷つき迷う心がいた時に、
もう一度、本来の自分の「道」に向き合えるようになるために。
安西先生のように、強く優しい、人生の導き手として…。
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先日は南本町小学校で6年生の合同授業として、
「まんが教育」の授業を一日フルでさせて頂きました。
イラストやまんがの思考法を学びながら、
実は、自分の人生のストーリーの、その根底にある「魂」に触れる体験…。
子どもたちだけでなく、同時に、先生方の自己発見のツールとしても、
素晴らしいプロセスになると確信しました。
子どもたちと先生方が、「まんがの法則」を媒介に、
心から「感動」するストーリーを分かち合い始めたときに、
生徒たちとの関わりの質が、またひとつ、素晴らしい変化を経験する気が致します。
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今年は「イラスト思考」「まんがの法則」のエッセンスを活用した教育プログラム、
「まんが教育」プロジェクトを立ち上げ、船橋市の学校の先生方と連携して推進しています。
学校の教員や、塾の先生方が授業で使いこなせるように研修をプログラム化
親子で一緒に取り組める「親子で学べる家庭用の学習教材」の開発
船橋を皮切りに、全国の先生方にメソッドをお伝えし「まんが教育」を広げる
日本の次世代教育に熱い気持ちをお持ちの方、ぜひ一緒に実践を広げていきましょう!





