こんにちは! まんが教育講師の松本利恵です。それは、M小学校での2回目の授業の時でした。今年は、学年の雰囲気として授業の進行が想像以上に難しく、生徒たちの態度に、先生方と一緒に頭を悩ませている矢先のことでした。最後の休み時間…、「先生、はい。コレ!」と、子どもが持ってきてくれたモノに、感動して、思わず涙が溢れました…。・・・・・・・「まんが教育」の授業でグループワークの発表のとき、子どもたちに、『その人の良いところ・素晴らしいところ・こんな可能性があると思う』というところに目を向けて、その発表を聞いたら、『気が付いた良いところを「フセン」に書いて、お友達にフィードバックコメントをしましょう!!』と伝えました。 ところが…。いざ発表になると、照れくさい。恥ずかしいからやりたくない。違う話で盛り上がる。騒いでしまう。自分の殻の中に入ってしまう。などなど、おそらく、子どもたちなりにいろんな理由を付けて、フィードバックをやらない子たちもいました。もちろん、きちんと取り組んでいる子もいましたが、騒ぎ声が大きくなるとなんとなく「やらない方向」に流れていく・・・。今回の小学校での子どもたちには、「このグループワークは、まだちょっと難しかったかなぁ」と、松田先生と一緒に、少し残念に思っていました。人の良いところに目を向けたり自分の好きなことに目を向けたり人前で伝えることってすごく大事なことなのに・・・。・・・・・・そんなことを思いながら、迎えた最後の休み時間…。私がプリントを整理してたら、ある女の子が私のところにやってきて、「先生、ハイ、これ!」と、私の持っていたプリントにペタッと「フセン」を貼ったのです。そこには、「絵がじょうずですね!」と、書いてありました。授業の中でやったことを、「これってすごく大切なことだな」と、受け取り、誰に言われたわけでもなく、その子自身の感情が動き、「自分から行動した」ということに、私は、ジ~ンとして、思わず涙が溢れてしまいました。私自身は、子どもたちに優しい言葉も掛けます。時には、ちょっぴり厳しいことも授業中に言います。それでも、『根底にある「愛」を持って伝えると「愛」が返ってくる』ということを、今回の経験を通して、経験させて頂くことができました。もしかしたら、素直に表現が出来なくても私が思っている以上に、子どもたちは、大切なことを受け取ってくれているのかもしれません。
こんにちは! まんが教育講師の松本利恵です。前回の授業中のことでした。友達の書いているワークシートが気になり、話しかけたり、のぞき見している落ち着きのない男の子がいました。 まんが教育の「ドリーミングマップ」という、自分自身の未来を描くワークの中で、周りの友達に話しかけてばかりで、 ずっと「白紙」だったのです。 ・・・・・・・・・・ もし、普通にこの光景を見た場合だと、 「みんなやっているんだから、友達の邪魔をしてないで、自分のシートをもっと書きなさい!!」 と、言ってしまう人もいるかもしれません。 ・・・ でも、そこで一歩。立ち止まって、待つ。 そして、その子と目が合った時に、少し寄り添うように話を聞いてみる。質問してみる。 すると・・・、 その子の中には書いてなくても「心の中」にきちんとイメージがあって、 『人前で、紙に描きだすこと、表現することにブロックがある』と気が付いた。 だから、そっと、 『思いを伝えたり、描くことは、ちっとも恥ずかしいことじゃないよ!絵や言葉に描いてみたほうが、実は叶うんだよ。先生もそうだったよ。』 と、伝えたら、急に、 『ボクは10年後に、〇になるんだ!』と、話しをしてくれて、ワークシートに、自分の想いをどんどん描きだしはじめました。 そして、最後の発表のときに、気になってワークシートを見たら、「虹」を背景にした10年後の自分のイラストが描かれていました。 ・・・・・・・ ただ単に、「騒ぎたい子」もいるかもしれない。ただ単に、「やりたくない子」もいるかもしれない。 でもそうではなくて、 「心にあるものを、素直に表現できなくて気が付いてほしい。助けてほしい。」と、思っている子もいる。 だからこそ、その子が「白紙の理由」にもっと目を向けてあげることも必要なんだと、感じた時間でした。

今回は「まんが教育」メソッドの全体像を、ダイジェストでご紹介したいと思います。子どもたちとの授業は「冒険の地図」を使って進めていきます!子どもたち一人一人が物語の「主人公」になって、ワクワクした冒険気分を楽しみながら「まんが教育」の全体像を体験していきます。冒険のステップは全部で10つあり、学んだステップのシートには好きな色を塗って、感想やコメントを書き込んでいくのです。ステップが一つずつ進むにつれて、それまで学んだスキルを活かすことで、クリアできるステージが増えていき、自分の「才能」や「未来」がどんどん見えてくるのです! 0:【イントロダクション】まずは「ぬり絵」と「自己紹介ワーク」で、頭と心を柔らかくします!色を使うことで、リラックスしながら集中した脳の状態をつくることができます。そしていよいよ「冒険の地図」を手に入れて、これから旅に出る全体像を知るのです。 ①:【イラストの3ステップ】最初はまず、イラストが描けるようになる魔法のスキルを学びます。好きなまんがのキャラクターをモデルにしながら、イラストの3ステップをマスターしていきます。3ステップとは「観察」「デッサン」「ディフォルメ」の3つです。このスキルを身につけることで、まったく描けない「0」の状態から、頭のなかのイメージをイラストや図形で表現できるようになるのです。絵を使うことで、脳を全体化して活用することができます。脳脳科学的にも、絵と言葉を組み合わせて使う(思考する)ことで、私たちの学習効率を著しく高めると言われています。またコミュニケーションツールとしても時代に求められるスキルです。②:【エモーショナルマップ】つぎに、イラストに「感情」を込めて表現するスキルを学びます。顔のパーツを描き分けることで、「嬉しい」「怒る」「悲しい」「驚く」などの様々な感情をビジュアルに表現できるようになるのです。この基本スキルを学ぶことで、私たちは「感情」の変化をつなげる「ストーリー」の思考法に馴れることができます。 ③:【マイエモーショナルマップ】さらに、今度は自分がつくったオリジナルキャラクターで「感情表現」を描いていきます。その変化をつなぐことで、やがては自分が「感情移入」する一つのストーリーを描くことになります。子どもたち(大人も)は、夢中になってこのプロセスに取り組みます。この段階では、右脳と左脳を組み合わせて、エモーショナルで同時にロジカルな、アウトプットをする能力が磨かれます。④:【トリニティメソッド】まんが作品を構成する3つの要素を学びます。ここではまず、アニメ動画『ONE PIECE』を観ながら、そのストーリーを参考にして、3つの要素について理解していきます。3つの要素とは「テーマ」「キャラクター」「ストーリー」の3つです。この3つを知ることで、まんがやアニメはもちろん、小説や映画・ドラマなど、私たちが読んだり観たりして心を動かされる作品はすべて、この3つの要素から成り立っていることが分かります。⑤:【はじまりの質問】 + 価値観リストさらに、「はじまりの質問」というパワフルなプロセスを体験します。自分が「感動する作品」を題材にして、3つの要素に関するいくつかの「質問」を自分に投げかけ、答えていくことによって、自分の内側の大切な価値観が引き出され、大きな気づきを得るプロセスです。普段何気なく読んで楽しんでいた作品のもつ意味を、深いレベルで理解できるようになります。私たち一人一人の、本来の才能や可能性を引き出す糸口が、ここにあります。⑥:【キャラクターマトリクス】 + 才能リストここでは、2つめの「キャラクター」の仕組みについて学びます。さまざまなキャラクターを題材に、ストーリーを動かす人間関係のメカニズムである「4つの役割」について理解します。4つの役割とは、「主人公」「仲間」「メンター」「ライバル」の4つです。この4つがバランスよく緊張感をもって連携することで、ドラマチックな物語が展開します。また、実は、この人間関係の力学が、私たちの人生のストーリーに作用していることも学びます。⑦:【プロフィールマップ】 + 性格リスト次に、「キャラクター」を個人で考える8つの要素の視点について学びます。これを理解することで、一人の登場人物が、どのような要素をもってキャラクターとして成立しているのかが分かります。それと同時に、自分自身を一人のキャラクターとして、8つの要素で捉えることで、自分が「主人公」である人生のストーリーを客観的に考察する視点をもつことができます。⑧:【ストーリーマップ】 (マイストーリーマップ)ここではトリニティメソッドの3番目「ストーリー」の構造について理解します。「ストーリー」とは、もっとも単純化して言うと、「Before」「After」への「変化」を描くことです。このステップでは、その構造を見える化して考えるツール「ストーリーマップ」を学びます。さらには、自分の「人生のストーリー」を、イラストと言葉を組み合わせて見える化する「マイストーリーマップ」を作成します。⑨:深まりの質問 前段で見える化した「マイストーリーマップ」に、自分自身をさらに深く「知る」ための、「4つの質問」を投げかけていきます。それによって、これまでは「点」と「点」だった別々の経験が、一本の「線」でつながることで、ひとつの意味をもった「ストーリー」が浮かび上がっていきます。「人間として生きる時間のなかで、私は、何を実現したいのか?」「深まりの質問」をつかって「過去」「現在」「未来」を統合することで、心の奥底にあるその答えに、一つずつ近づいていくことができます。またここでは、5つの意識階層(コンシャスフィア)についても理解します。:ドリーミングマップ /自分軸を統合する 最終的には、これまでのステップで発見したことを一枚のシートにまとめて完成させます。楽しいイラストや、カラフルな色を自由に使いながら、自分の大切な価値観や才能、興味、仲間やメンター、そして、HAPPYにしたい人たちを描き込むことで、「未来」をつくるためのリソースとビジョンとが、1枚のシートに体系的にまとめられていくのです。このドリーミングマップが、心の内側から溢れでた「ビジョン」と現実の日々の行動とを結びつける、架け橋となります。そして毎日の行動のプロセスのなかで、一つずつ、私たちの素晴らしい本質が、表現され実現されはじめるのです。 いかがでしたでしょうか?このつのステップが「まんが教育」メソッドの全体像です。このプロセスをつうじて、私たちは、自分の内面にある素晴らしい「可能性」と「才能」に再び光をあて、それを使うことによって、大切な人たちを笑顔にしながら、心から望む「未来」を創造することができるようになります。まんがやイラストという、楽しく取り組めるアプローチを使いながらも、心の本質的な領域にアクセスし、それを引き出しながら、行動を促していく新しいキャリア教育のアプローチ「まんが教育」。 ここではそのほんの一端しかご紹介できないのが本当に残念ですが、ぜひ一つずつ、実地に、詳しくお伝えできる日を楽しみに致しております!

「ずっと言うことを聞かず、何度言ってもいたずらを止めなかった子どもが…、『これはやってはいけないこと』ということを絵を描きながら説明した途端…ピタッと止めたんです!イラスト思考講座を受講して、簡単に描けるようになった良かった!!イラストの「伝わる力」を知りました。」ある小学校のA先生のお話です。イラスト思考講座を受講され、子どもたちの変化で体感したことを直接お目にかかった折に、お話ししてくださいました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ こんにちは! まんが教育講師の 松本利恵です。実は、私。 耳が、それほど丈夫な子どもではありませんでした。視覚を使った説明だと、よく理解できるのですが、ただ一方的に、ずっと先生が話しているの聞いているだけだとはじめの方に話していたことが、全くわからなくなってしまうのです。だから、よく、先生が「ここ、テストに出るからね」と、言った内容がわからず、メモが追いつけないこともありました。授業中、説明が終わり…「では、始めてくださーい!」と言われても、「最初にやることって何だっけ?」と、はじめに言われたことが思い出せないことが、沢山ありました。ちなみに、決してぼんやりしていた訳ではありません。一生懸命聞いていても、追いつけなかったのです。でも、そんなことをわかってくれない先生(大人)は、「どうして、ちゃんと聞いてないの!ダメじゃない!」と、即否定。 もしくは、質問しても「説明しただろう!考えろ!」と、無視されたり…。結局、だんだん自分が出来ない子なんだ、と思い、恥ずかしくなって、質問できない子どもになっていました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もしかしたら・・・、です。私と同じような「視覚優位」の特性がある子には、話しただけでは理解できないこと、沢山あるように思います。きっと、絵や図で説明をしてくれるA先生のような先生に、子どもの時代に出会っていたら、私も、もっと変わっていたのかもしれません。誰かに教える仕事をしていたり、伝えることをしている人には「イラスト思考講座」が役に立つと思います。A先生のように、相手の「感情」を動かし、「気付き」を起こし、相手の行動が変わります。さらに、大切なのは、他人の指示で表面的に動いてもらうことではなく、「自分の内側(感情)に働きかけ、気が付いて、自分で動くこと」に、私たち大人が、気がつかせることなのです。「まんが教育」の素晴らしい体験を、ぜひ皆さんと分かち合いたいと思います!

「バスケがしたいです…」放課後の体育館で、心の底から呻くようにして、三井が、恩師の安西先生に言った言葉…。名作『SLAM DUNK』の指折りの名場面でもある。先日の、南本町小学校の「まんが教育」の授業で、担任の先生の「感動」したストーリーを「まんがの法則」で読み解いていくなかで最後に出てきたのが、このシーンだった…。かつては、将来を期待されたバスケ選手であった三井は、恩師の安西先生のいる湘北高校に入り、全国制覇の希望に燃えていた。ところが、思わぬ怪我がもとで、ライバルの赤城に勝てないまま、途中で挫折をしてバスケを離れてしまうことに…。鬱屈した高校生活のなかで、不良になった三井は、赤城たちバスケ部に集団でケンカを仕掛け、体育館は一時騒然となる。だが、そこに現れた、かつての恩師安西先生をまえに、三井は、床に崩れ落ちながら、振り絞るようにして、心情を吐くのだった…。「バスケがしたいです…」かつて、中学時代から、心の支えにしてきた安西先生の言葉。「最後まで希望を捨てちゃいかん…」「あきらめたらそこで試合終了だよ」挫折と悲しみ…。願いと諦め…。複雑な思いを抱えながらも、恩師である安西先生に導かれるようにして、もう一度、三井はバスケを始めることになる。傷ついた三井が、もう一度、自分の想いに、素直に向き合えた時。不良たちへの体裁も、プライドもかなぐり捨てて、もう一度、自分の「道」に、立ち戻ることができた時。 担任の先生の「感動」した瞬間とは、この三井と、安西先生との、体育館での再会のシーンだった…。そのことの意味が分かった瞬間、それを聴いていた私たちも、大きく、心が震えた。目頭を熱くしながら、先生も、思い出したように語りだされる。「そう…そのために、私も教師に…。」「…ずっと、忘れていました。」かつては三井のような、傷ついた思いも経験されたのかも知れない。そして、もしかしたら、今は、安西先生の立場から、多くの子どもたちと関わっていらっしゃるのかも知れない。三井のような、傷つき迷う心がいた時に、もう一度、本来の自分の「道」に向き合えるようになるために。 安西先生のように、強く優しい、人生の導き手として…。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先日は南本町小学校で6年生の合同授業として、「まんが教育」の授業を一日フルでさせて頂きました。イラストやまんがの思考法を学びながら、実は、自分の人生のストーリーの、その根底にある「魂」に触れる体験…。子どもたちだけでなく、同時に、先生方の自己発見のツールとしても、素晴らしいプロセスになると確信しました。子どもたちと先生方が、「まんがの法則」を媒介に、心から「感動」するストーリーを分かち合い始めたときに、生徒たちとの関わりの質が、またひとつ、素晴らしい変化を経験する気が致します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今年は「イラスト思考」「まんがの法則」のエッセンスを活用した教育プログラム、「まんが教育」プロジェクトを立ち上げ、船橋市の学校の先生方と連携して推進しています。 学校の教員や、塾の先生方が授業で使いこなせるように研修をプログラム化 親子で一緒に取り組める「親子で学べる家庭用の学習教材」の開発 船橋を皮切りに、全国の先生方にメソッドをお伝えし「まんが教育」を広げる日本の次世代教育に熱い気持ちをお持ちの方、ぜひ一緒に実践を広げていきましょう!