クラウドファンディング担当、河田です。
50日近くにわたったこのプロジェクトも、あと6時間弱で終わりを迎えることになりました。
たくさんのご支援をいただき、なんとあと4%のところまで来ました!
本当に、本当にあと少しです。皆様の今少しのご支援、ご検討いただけましたら幸甚です。
このクラウドファンディングはAll or Nothing方式ですので、
目標額が達成されない場合は全額返金となりまして、取り組みを行うことができません。
重ね重ね、何卒よろしくお願いいたします!
開発秘話も、今回で最後を迎えます。
本間先生に、その精度をもって測定機器として認められたFreeflow®ですが、
製品として完成するための最後の難関が待ち受けていました。
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開発秘話その10:最後の難関、そして欲しかったその言葉
2015年の年の暮れ、ついに本間先生に認められるほどの測定精度を達成した研究チーム。
Freeflow®という商品名も決定し、今度はいよいよ医療機関に製品を持っていき意見を聞ける段階になりました。
しかし、ここで思わぬ意見が医療関係者から上がってきました。
測定精度についてではなく、衛生的に継続使用には問題があるという声でした。
研究チームはまたも頭を抱えました。
Freeflow®の測定精度を支える尿の整流機構と羽根車の形状は確かに突起物が多く、
毎回完璧に清浄できるのか?と言われれば保証はできませんでした。
それに長く使えば、落としきれなかった微小な蓄積物が
測定精度に影響を及ぼす悪影響を、排除できませんでした。
しかしだからと言って、数回使っただけの使い捨てにできるほど、本体のコストは安くありません。むしろきっちり精度の高い測定をするため、材料を含めふさわしいコストをかけた、それなりの単価を予定していたのです。これは販売後のビジネスモデルをも左右する、大変大きな問題でした。
ゼオシステムの下川社長は、かなり悩んだ挙句、これまで培ってきたものの一部をあえて捨てる道を選びました。
材料も検査方式も、精度にこだわって作り込んでいた測定部分、羽根車部分もすべて思い切って、取り外せ、使い捨てられる方式にしたのです。
そのために最初にご紹介した、大バルクハウゼン効果を利用した測定方式をやめ、フォトインタラプタ素子を利用した光学読み取り方式に、さらにこの部分の素材を樹脂に変更しました。毎回取り替えるというわけにはいきませんが、ディスポーザルパーツ化に舵を切ったのです。
当然、ほぼ同じ形状とは言っても大きな仕様変更ですから、測定精度の確認はいちからやり直しです。本間先生の協力をいただきながら、またも測定精度の向上に試行錯誤する日々が始まりました。
ディスポーザル化へ仕様変更してから1年近くたった2017年2月。
新たなプロトタイプの精度を確認した本間先生は、
その製品を手で触りながら感慨深そうに、こうつぶやいたのです。
「初めて、完全な流量計算ができる尿流計ができた」
まさに、最高の褒め言葉でした。
独自に製品開発を始めてから、5年の歳月が流れていました。