ご支援いただきました皆様へ昨日,クラウドファンディング期間が終了いたいました.424名の皆様にご支援いただきまして,ファイナルゴールである200%を達成致しました!皆様に心から御礼を申し上げます.リターンのご連絡はこれから順次致しますので,いましばらくお待ちください.来年度の富士山頂での研究活動再開に向けて,コロナ感染に細心の注意を払いながら,来週から富士山麓での夏季集中大気観測を行います.活動報告も行っていきます.重ねて御礼を申し上げます.
クラウドファンディングもいよいよ残り4時間となりました。この活動を通して400人も超える皆さまから想像を超える力強いご支援をいただき、研究者一同深く御礼を申し上げます。富士山を活用した科学研究は、江戸時代の測量目標地点から、明治から平成までの気象観測、平成から今は環境科学をはじめとした広域の研究まで、時代とともに変移していきました。また、その時々の成果は日本、世界に貢献する成果になっております。長い期間に渡る山頂での観測点維持は、先人達の死に物狂いの結果であり、その上で現在この場所での研究が出来ております。このたび、皆さまのご支援は時代に残る活動であることは間違い無いことかと思います。国家の支援が極限までなくなっている今、将来の人間活動を支えるための科学研究の場所として維持、発展をして参りたいと思います。最終目標は、初期目標の200%、あと約11万円までとなっております。みなさまのお知り合いなどさらなるお声がけによるご支援をお願いいたします。
前回(7月29日)の富士登山と身体の豆知識(その①)では,富士登山中の体内の酸素量についてご紹介をしました.その②の今回は心拍数についてです.特に心拍数のデータを基に,富士山に登るためのトレーニングについて考えてみたいと思います. 上のグラフは,①富士登山(黒線),②低地でのジョギング(赤線,時速9~10kmで40分程度),③低地でのウォーキング(青線,時速5~6kmで1時間程度),④日帰り登山(緑線,上りのみの心拍数を記載)をした際の心拍数の比較をしたものです. 富士登山時のデータは,富士宮口から山頂までの上りのみのデータを記載しました.富士宮ルートの標準コースタイムは,10合目までが5~6時間程度ですので,ほぼコースタイムと同じ速度,もしくは若干遅いペースで歩いています. この結果から,まずジョギングについては,心拍数は富士登山中の歩行時と同じレベルもしくはそれ以上であり,強度は十分であると言えます.しかし運動時間が登山と比べると短いことや,特に中高年の方や日頃から運動をしていない人にとっては,いきなりジョギングを始めることで怪我や故障にも繋がる可能性がありますので,この点には十分に注意しなくてはなりません. 次に誰もが気軽に取り組めるウォーキングは,ジョギングよりも長時間の実施が可能です.しかし心拍数は,富士登山中の休憩時のレベルまでしか増加していないことが分かります.もちろん日常的に運動習慣がない人にとっては,ウォーキングは有効なトレーニングになり得ますが,富士登山を考えた場合,ウォーキングだけでは十分ではないと言えるでしょう. そこで富士登山のためのトレーニングとしておススメなのが,日帰り登山です.日帰り登山時の心拍数は,富士登山時と同程度まで上昇しており,なおかつジョギングやウォーキングよりも運動時間は長くなります.また運動様式の観点から見ても,より実践に近いトレーニングができます. 実際にこれまで我々のグループが行った別の研究では,週に1度,500m程度の低山(往復で2.5~4時間程度)に登るだけでも,富士山や北アルプスなどの本格的な山に出かけた際に,上りで心臓や肺が苦しい,下りで脚がガクガクになるなどの,登山中の代表的なトラブルの発生を抑制できることが明らかとなっています. 以上のことをまとめると,富士登山のためのトレーニングとして,普段運動習慣がない方はまずウォーキングから始め,慣れてきたらジョギングや階段上りなど,より強度の高いトレーニングを取り入れるとよいでしょう.そしてできることなら,週に1度は近場の500m程度の低山で登山を実施することで,より安全かつ快適に富士山に登ることができると考えられます. 富士登山のためのトレーニング法や登山中の注意点など,富士登山についてもっと詳しく知りたい方は,鹿屋体育大学の山本正嘉先生の著書「登山の運動生理学とトレーニング学」の「富士山に登る」の章をご覧ください. また登山医学会研究委員会では,富士山で高所医学・高所順応の研究をされる方,海外登山に向けて高所順応の評価をご希望される方を募集しています.9月にホームページのリニューアルを予定していますが,興味がある方は是非,下記URLをご覧ください.皆様のご応募をお待ちしております.http://www.jsmmed.org/pg21.html
我々NPOは気象庁から旧測候所を借用しているわけですが、その条件として、建物やインフラはNPO側で維持することになっております。そのため、夏期観測中は、観測のみならず修繕も行わなければなりません。極地ある建物ゆえ、わずか一年でも建物への傷みは絶えず進行していきます。そのため毎年少しずつ修繕をしておりますが、外部業者への依頼をするとその経費は地上で頼むのと桁が1つ変わるぐらい価格が変わります。そのような経費は我々が支払うことは難しいため、NPO内部で修繕を行うことになります。