去る10月25日は、映画『宮城野』の美術監督・池谷仙克さんの4度目のご命日でした。
月日が経っても一向に変わらない寂しさを胸に、今年もお墓参りに行って来ました。
鎌倉にある非公開のお寺なので、そのものの写真は載せられませんが、池谷さんらしい洒脱な趣のあるお墓です(イメージ写真からお察しください)。
立版古をはじめ、観る者の度胆を抜いた本作のビジュアル・デザインは池谷さんの面目躍如でした。
トップ写真のツインテールなどのウルトラ怪獣にはじまり、実相寺昭雄や鈴木清順監督作品、さらには『銀魂』(17)からテレビCMまで、独自の世界を作り上げてきた、文字通りの映像美術界の鬼才でした。
私は、中学時代に観た『帝都物語』(88)の池谷美術に感銘を受け、「いつか映画監督になったらこの人に美術を頼もう」と固く誓っていました。
本作ではまさにその夢が実現し、太陽の光もコントール下に置いた世界のなか、「省略」と「デフォルメ」、「様式」と「写実」を行ったり来たりするビジュアルを作り上げてくれました。
忘れもしません、試写を観た池谷さんは「今回は100%自分のやりたいことができました。ありがとう」と私に耳打ちしました。
それはフィレンツェでのワールドプレミアの際、二人での舞台挨拶に結実していきました。
池谷さんは格好いい人でした。
見た目も感性も若々しくて、爽やかで。
キザの一歩手前ぐらいなんです(笑)
そんな師匠ですから、ちょっとキザなことを言わせてください。
お墓を前に「ああ、池谷さんはここにはいないな」とそんなことを感じました。
三島由紀夫の『奔馬』を気取ってみた訳ですが(苦笑)
今の池谷さんは時空を越えられますから、きっと僕の新作の現場にいます。
そこでまた度肝を抜くアイディアを出しまくっています。
池谷さんの100%の仕事、必ず世界に届けます!
映画『宮城野』監督 山﨑達璽
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