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荒廃した奥地人工林を『低コストで管理できる森林』へ!

日本の林業は衰退に歯止めがかからず、里山奥地の人工林は管理がままならぬ事態へと陥っています。私たちは人工林に隣接する天然林から広葉樹の侵入を誘導し、放棄された奥地の人工林を効率よく天然林へと戻すことで、多面的機能が高く、「低コストで管理できる森づくり技術」の開発と普及を目指します。

現在の支援総額

1,560,000

173%

目標金額は900,000円

支援者数

145

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/10/20に募集を開始し、 145人の支援により 1,560,000円の資金を集め、 2020/11/30に募集を終了しました

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荒廃した奥地人工林を『低コストで管理できる森林』へ!

現在の支援総額

1,560,000

173%達成

終了

目標金額900,000

支援者数145

このプロジェクトは、2020/10/20に募集を開始し、 145人の支援により 1,560,000円の資金を集め、 2020/11/30に募集を終了しました

日本の林業は衰退に歯止めがかからず、里山奥地の人工林は管理がままならぬ事態へと陥っています。私たちは人工林に隣接する天然林から広葉樹の侵入を誘導し、放棄された奥地の人工林を効率よく天然林へと戻すことで、多面的機能が高く、「低コストで管理できる森づくり技術」の開発と普及を目指します。

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こんにちは!本日の昼頃、目標金額の150%を突破いたしました!ご支援誠にありがとうございます!まだ半分以上の期間を残しておりますが、この後もより多くの人に森林の課題を知っていただくため活動を続けていきたいと思います。応援どうぞよろしくお願いします。研究林周辺の風景七川ダム今日は少し研究林の周辺の紹介をしたいと思います。写真は研究林のある平井から8㎞ほど下流側に行ったところにある七川ダムです。竣工したのが1956年ですので東京の小河内ダムよりも1年早いことになります。和歌山県史上最大ともいわれている1953年の紀州大水害の対策としての一面もあって建設されたそうです。この日はそれほど水が溜まってなかったので、かつての耕作地跡が水面から顔を出していました(画像左の草の生えた平地)。このあたりは椀平という地名があるので、その集落のものだったかもしれません。他にも炭窯が見えるような所もあります。一枚岩お次はわりと有名な一枚岩です。写真で見るよりも実物はかなり大きいです。初めて見たとき結構びっくりしました。晴れの日も綺麗ですが、雨の日は岩肌に雨が集まって滝を作るので迫力があります。また、雲がかかっている日も幻想的できれいです。現在この周りに人は住んでいませんが、昔はこの岩の左側に「日南川(ひなたがわ)」という集落がありました。現在はどんどろの森というキャンプ場のさらに奥に、石垣や墓地の跡地が残るのみとなっています。集落跡地慣れてくると段々畑の跡が見えるようになる古座川に限らず紀伊半島では山奥をドライブしていると突然波のような石垣が現れることがあります。それらの多くは昔炭焼きや林業で栄えた集落の跡地です。ほとんどが人工林となって森と同化しているため、知らない人は気づかないかもしれませんが、こんなところにも人が住んでいたのかという視点で見てみるととても面白いのでおススメです。中にはこんな立派な石垣が突然山奥に現れる所もまた、さらに古座川を下ると潜水橋があります。四万十川の沈下橋がかなり有名ですが、和歌山県内でも見られるので、お手頃かもしれません。この橋は以前、台風で橋脚が流され撤去の計画も持ち上がったそうですが、住民の方からの保存の声により現在に至るそうです。そのおかげか、写真を撮っている方も時折見かけます。これで背景に入道雲でもあれば絵にかいたような夏ですね。潜水橋さて、今日は古座川の紹介をしました。まだまだ見どころがあるので何回かに分けて紹介できればと思っています。興味を持った方は是非訪れてみて下さい!最近、授業等の関係で山に行けてませんでしたが、次回までには山に行けそうなので記事にしたいと思います。お楽しみに。


12日目
2020/11/02 23:18
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早いもので、今年も残すところ2か月となってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?今年はコロナであたふたしていたらあっという間に過ぎてしまいましたね。しかし、研究の方は着実と準備が進められています。10月中に間伐前の調査が終わったので、今月はいよいよ間伐が始まる予定です!天然林の定義さて今回は前回先延ばしにしてしまった天然林の機能についてご紹介いたします。その前に、天然林の定義を確認します。気候変動に関する取り決めが行われた京都議定書では、人工林と天然林について次のように定義されていました(※1)。あっさりしすぎていて逆にイメージしづらいかもしれませんが、要は人が苗を植えたり種を播いたりして作った森が人工林。それ以外が天然林ということです。この定義に則ると、人工林の伐採跡地に自然の力で形成された森林は天然林ということになります。人工林と天然林の境左上が人工林/右下が天然林天然林?原生林?さて、ここで多くの人は今まで抱いていた天然林のイメージとの違いに違和感を覚えるのではないでしょうか?「天然林と言えば、人の手が全く入っていない森だと思っていた」そんな人が多いのではないでしょうか?「天然林」の定義は話す人や話題によって少しずつ変わってしまうので、それも無理はありません。しかし、一般的な定義としてはこのように設定されているのです。一方、皆さんが想像していた「全く人の手が加わっていない森林」のことは、「原生林」や「原始林」と呼ばれ、「天然林」の一部という位置づけになっています。しかしこれらの森林は、現在の日本にはほとんど残っていません。例外的に屋久島や白神山地の一部、知床など人が立ち入ることが難しかった地域にわずかに残されているのみです。前々回ご紹介した通り、日本の森林は遠い昔からかなりの利用圧がかかっており、人の痕跡の無い森林などほとんどないのが原因です。ですが、原生林じゃなければ価値がないのかというとそうではありません。適度に人の手が加わった場所を好む植物は多数存在しますし、それに頼って生きている動物も沢山います。そのため、全てはバランスが大事で、どの森林をどこにどれだけ保全していくかが重要なのです。北海道の集落跡に再生した森林(中央の石はサイロ跡)天然林ではあるが人為の影響を受けているので原生林ではない天然林の機能さて、ここまで来てようやく機能についてご紹介したいと思います。天然林の優れている機能は種多様性が高いことだと考えられています(※2)。人工林は一般的に少数の種を集中的に植栽するモノカルチャーであるため、林内の環境も単一化してしまいます。その結果、その環境に適した種しか生き残ることが出来なくなり、生物の種数が減少すると考えられています。一方で、天然林では自然条件に合わせて様々な樹種がランダムに分布することで、林内の環境にバリエーションが生じます。その結果、多様な環境に適した多様な種が生息できるようになると考えられています。これが天然林の代表的な機能です。多種多様な研究林産の樹木多様な樹木は多様な生物の生息環境を作る生物の多様性は安定性といった点で重要だと考えられています。これはモノカルチャー経済が問題になるのと同じ原理です。少数の商品作物に頼った経済は、その商品の需要が無くなったり、特異的な害虫が大発生したりすると破綻してしまいます。一方で、複数の商品作物を栽培していれば、ある作物が壊滅的な被害を受けても、他の作物でなんとか持ちこたえることが出来る可能性があります。また、ある作物が不人気の時は、別の作物が大人気ということもあります。そのため、複数の作物を栽培している方が全体として安定性が高まります。これと同じことが森林にも言えるのです。単一の樹種だけで形成された森林は、特定の災害や病虫害の被害に対し森林全体が被害を受けてしまいます。ところが、種数が多いとそれぞれの抵抗性が異なるため、森林全体が被害を受けるということは稀になるのです。多様性の効果はこの他にも色々な視点から研究がされており、和歌山研究林でも関連した研究が行われています。興味のある方は少し調べてみると面白い話題が見つかるかもしれません。さて、次回の話題はまだ決まっておりませんが、何か地域の話題を提供できればと思っております。どうぞお楽しみに!※1:日本国. 2007. 京都議定書 3 条 3 及び 4 の下での LULUCF 活動の補足情報に関する報告書 ※2:人工林内でも生物群集が成立しており、生物多様性の一部を支えていると考えられている(Lindenmayer&Hobbs 2004)。


10日目
2020/10/31 00:19
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公開から10日が経過しました!驚くようなスピードで目標を達成したのも皆様のおかげです!ありがとうございます!本日は天然林の紹介をする予定でしたが、親不知を抜いた影響で記事が書けなかったので代わりに研究林官舎の周辺で見た生き物の紹介をしたいと思います。研究林官舎周辺の生き物庭にいるノウサギまずは今住んでいる家の近くに住むノウサギ。とてもすばしっこいので、撮るのは難しいですが割と頻繁に会えます。この間は夜家に帰ろうとした際に、草藪から飛び出てきたこの子と衝突しました。突然のことだったのでかなり驚きましたが、とてもふさふさでした(笑)カブトムシこちらは夏に見つけたカブトムシです。暗い夜は電灯の下にいることがあります。もちろんクワガタもやってきます。クワガタはよく窓に激突してきます…クワガタタマムシ次いでタマムシです。東京で最後に見たのは小学生ぐらいだったような気がします。本当に久しぶりに見ました。何度見てみやっぱり綺麗ですね。井の中の蛙こちらは平井集落の由来になった井戸に住んでいるカエルたちです。夏の日差しが強い日は、みんなでトタンの下に隠れています。サワガニ同じ井戸に住むサワガニがミミズを食べてるところです。以前お話した通り、イモリとサワガニは雨になると道に出てきてしまうので、踏まないように注意が必要です。ヘビヘビも沢山います。種類は分かりませんが、この長いヘビの他に赤っぽいヘビが住んでいます。ぼーっとしてると間違って踏んでしまいそうになるので注意が必要です。和歌山研究林へいらっしゃった際には是非探してみて下さい!


8日目:森林の機能
2020/10/29 00:37
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日々新たな支援者の方から応援の言葉を頂き、活動の励みになっております。重ね重ね感謝申し上げます!ありがとうございます!秋もだいぶ深まってきましたね!平井では柚子が収穫期を迎えております。黄色い大きな柚子の実が山へ行く途中の道からよく見えていました。本当は写真をお見せしたいところだったのですが、撮るのを忘れてしまっていたので次回までに撮っておきます!森林の機能さて前回、日本の森林の概要についてご紹介しました。今回はその森林が持っている機能についてご紹介したいと思います。森林の持つ機能とは、ある空間に存在する生物と環境の相互作用の中で生じている様々な働きのことです。例えば、ミミズは土を耕して植物の育ちやすい環境を作るという機能を持っています。また樹木は落葉することで、これらの土壌に栄養を供給するという機能を持っています。ミミズの機能、落ち葉の機能このような機能の中で特に人間の生活に役立つものを、生態系サービスと呼びます。例えば人工林は木材生産やそれに伴う温室効果ガスの固定などの生態系サービスを担っています。また、天然林には野生動物保全やレクリエーション機能などがあります。そしてこれら生態系サービスは森林の種類が変われば、それに伴って変化するのです。そのため、ある地域でどのような機能が必要とされているのかをしっかりと考慮し、最適な種類の森林を整備する必要がるのです。もしその設定を誤ってしまうと、住民が森林に期待する機能と実際の機能にズレが生じ、問題が発生してしまいます。針葉樹人工林針葉樹人工林の機能 それでは生態系サービスについて少し詳しくご紹介したいと思います。まず針葉樹人工林の機能についてです。前回ご紹介したように、先人の途方もない苦労により広げられた人工林は、私達の生活に欠かせない機能を持っています。代表的なものが、木材生産です。特にスギ・ヒノキなどの針葉樹は真っ直ぐ伸びるうえに、比較的柔らかく加工がしやすいため、古くから建材をはじめ色々な用途に利用されてきました。そのため、これらの樹種は非常に深く我々の文化と結びついており、祭祀の際の道具から日常の小物に至るまであらゆるところで欠かせないものとなっています。和歌山研究林官舎の階段 1階部分がヒノキ 2階部分がスギでできている(手すりは広葉樹のケヤキ材)研究林産の針葉樹材 スギ・ヒノキ・トガサワラなどが展示してある。左の模様が入ったものは絞り丸太と呼ばれ、天然のものは非常に珍しいものだった。その独特の模様から飾り柱などに用いられることが多い。興味のある方は北山丸太で検索すると面白いものが見れます。また、この木材生産機能は温室効果ガスの抑制にもつながると考えられています。そのシステムを説明しているのが下の図です。ご存じの通り、樹木は二酸化炭素を吸収し自身の体を作っていきます。そのため、木材には二酸化炭素が取り込まれた状態となっており、木材を長く利用することで長期間、空気中の二酸化炭素を固定することになります。この二酸化炭素の固定機能は、若い木の方が高いので収穫期に入った木材はどんどん収穫し長期間利用できる製品にする一方、新しい苗を伐採跡地に植えることで、この機能を最大限利用することができるとされています。樹木の二酸化炭素固定能針葉樹人工林と天然林を比較すると、なんとなく天然林の方が地球に優しそうなイメージを持っていらっしゃる方も多いと思います。しかしこのように、針葉樹人工林も利用の仕方によっては環境問題の解決策になりうるのです。針葉樹人工林の機能はもちろんこれだけではありません。適切に管理することで、水源林や防風林・防砂林としての機能も十分に果たすことが出来ますし、熊野古道のように美しい景観を形成することもできます。お近くの森林へ行くことがあったら、その森林はどのような目的で利用されているのか是非観察してみて下さい。もしかすると、あなたの知らない機能がまだまだたくさんあるかもしれません。さて今回は針葉樹人工林の機能を紹介したので、次回は天然林の機能についてご紹介したいと思います。興味のある方は是非ご覧ください。


6日目
2020/10/26 22:03
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 100名を越える方からのご支援を頂きました!誠にありがとうございます。皆様の応援を糧に引き続き研究活動に励んでまいります!日本の森林は増えてる?減ってる?今日は私の研究活動の対象となっている日本の森林について簡単に説明したいと思います。突然ですが、日本の森林は増えているか、減っているかご存じでしょうか?令和元年度の林業白書(林野庁)によると、森林面積はほぼ横ばい、森林蓄積は1966年と比べ約3倍に増加しています。森林蓄積とは樹木の体積の総量のことで、丸太がどれぐらい取れるかといったイメージです。下の図で説明すると、上から見た面積は同じでも、太い木の地域と細い木の地域とでは取れる丸太の量は異なります。そのため、森林の増減を表す際には、面積だけでなくこの森林蓄積を利用することもあるのです。森林蓄積その森林蓄積が増えていると聞いて意外に思った方も多いかもしれません。おそらく森林破壊のニュースが話題に上がっているからだと思います。しかし、そのようなトピックの大半は海外のもので、国内では戦後から増加が続いています。特に戦後一気に広がった針葉樹人工林では、幹が木材生産に十分な太さまで育ち、まさに今、収穫期を迎えているのです。つまり戦後植えられた苗木が大木になることで森林面積は変わらなくとも、森林蓄積が増加したと言えます。では、戦前はどうなのか?疑問に思いますよね。「戦前ならきっと豊かな森が広がっていたに違いない。」そう考える方も多いと思います。しかし意外なことに、戦前から見ても現在の森林蓄積は増加しているのです。中には有史以来最大の森林蓄積量だと考えている方もいらっしゃいます。実際、飛鳥時代には既に伐採禁止令が出されるほど利用が進んでいたという記録もあります(※1)。では、戦前の日本の森林はどのような状態だったのでしょうか。禿山が多かった戦前の日本実は戦前の日本では、建材はもちろん薪炭材などの燃料としても、樹木が非常に重要な位置を占めており、現在よりも頻繁に山林が利用されていました。その結果、過度に利用された人里周辺の山々は、禿山が目立つ状態だったと言います。実際の写真は林野庁のページでも紹介されているので是非ご覧ください。しかし、段々と利用と保全のバランスを保つ思想が生まれはじめたことに加え、森林火災など大規模に森林が消失するような撹乱が減少し、現在のような豊かな森林資源が造り上げられました。森林の内訳このような経緯で回復した日本の森林は現在国土のおよそ2/3、67%を占めており、そのうち40%が人工林となっております。こう聞くと「人工林って意外に少ないな」、と感じる方もいるかもしれませんが、この値は1020万haになり、実に北海道と四国を足し合わせた面積になります。北海道と四国に人がせっせと一本ずつ木を植えていったと考えると、いかに途方もない作業だったかが分かるかと思います。人工林の面積さらに人工林の樹種について内訳を見てみると、最大の面積を誇っているのがスギで44%、次いでヒノキ25%となっています。この2種で半分以上が占められているわけです。そしてこの針葉樹人工林が僕の研究の対象となります。これが日本の森林の概観です。これらの森林には様々な機能があり、森林の種類によって持っている機能が異なります。そのため、どの地域でどの機能を重視するのかによって必要とされる森林はことなってくるのです。次回はこの森林が持つ機能についてご紹介したいと思います。※1:1994, 丸山岩三, 奈良時代の奈良盆地とその周辺諸国の森林状態の変化, 水利科学1994 年 38 巻 3 号 p. 95-116