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【ゲームさんぽ書籍化】ゲーム×教養の可能性をもっと伝えたい!

ゲームさんぽ制作チームによる出版プロジェクト! おなじみの豪華ゲスト陣にあらたな専門家も交えつつ、「ゲームで遊ぶことの価値」と「学問することの面白さ」について考える本をつくりたいと思います。

現在の支援総額

13,061,715

653%

目標金額は2,000,000円

支援者数

1,440

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/05/14に募集を開始し、 1,440人の支援により 13,061,715円の資金を集め、 2021/06/28に募集を終了しました

エンタメ領域特化型クラファン

手数料0円から実施可能。 企画からリターン配送まで、すべてお任せのプランもあります!

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現在の支援総額

13,061,715

653%達成

終了

目標金額2,000,000

支援者数1,440

このプロジェクトは、2021/05/14に募集を開始し、 1,440人の支援により 13,061,715円の資金を集め、 2021/06/28に募集を終了しました

ゲームさんぽ制作チームによる出版プロジェクト! おなじみの豪華ゲスト陣にあらたな専門家も交えつつ、「ゲームで遊ぶことの価値」と「学問することの面白さ」について考える本をつくりたいと思います。

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ゲームさんぽ支援者の皆様、こんにちは。長らくご無沙汰しておりました、白夜書房の佐藤です。2021年5月14日11時にクラウドファンディングをスタートしてから2年弱、【なむのゲストコース】の動画配信、および寄進表の公開によって、すべてのリターンの実施を完了しました。動画はこちらです。どちらもとてもピースフルな、ゲームさんぽ愛があふれる動画となっております。未見の方はぜひチェックしてみてください。そしてこちらが寄進表です。ずらりと並んだ支援者の方々(のべ1440名!)を見ると、ゲームさんぽがいかに愛されているコンテンツなのかがわかりますね。私もいち視聴者として、多くの皆さんとこのプロジェクトを共有できたことをうれしく思います。景気の悪い出版業界において、紙のポテンシャルを最大限に引き出した書籍を作ることができたのは、皆様のあたたかいご支援とご協力があってこそ。あらためてお礼申し上げます。ありがとうございました。(いいだ)クラファン実施から約2年、出版されて約1年。みなさまお元気でお過ごしでしょうか? 時間は流れに流れ、状況はいろいろと変わって参りました……。しかし、ゲームさんぽが世に出てからず―――っと、全く変わっていないことが一つありますね。それは、本家なむさんの活動ペースがゆるすぎるということ! クラファンのリターンも時間がかかりましたが、本家の新作公開なかなかないなぁ〜と心待ちにしている方が多いのではと拝察いたします。まあ、なむさんの職場めちゃ忙しいぽい(+なむさんしっかり偉くなってるっぽい?)のでしかたないんですけどね。とはいえ本家の登場が少ないのも寂しいですから、今年は何か一緒に動画やりたいな〜と勝手に思っています。いや、絶対やろう。やるに違いない。やりますよ。なむさん、そうですよね?(圧)いやでも、頑張りすぎも体に悪いですからね〜。無理のない範囲で、楽しくやるのも大事ですよね。だってさんぽだし。うんうん。いいですよ。いいですよね。そうしましょうそうしましょう。――というわけで、結局変わらずのんびりペースの更新になるとは思いますが(笑)、今後も我々の活動にご期待いただければ幸いです。どうぞ引き続きご贔屓にー!(なむ)まずは無事書籍が出版できたこと、そして皆様の布教活動により、現在も重版が続いていることに心より御礼申し上げます。応援してくださった皆さまのおかげです。と同時に、今回はじめてのクラファンで不慣れだったこともあり、皆さまに諸々のご迷惑をおかけしたことをここにお詫びさせてください(主に自分のスケジュールの遅れが要因です)。今回の書籍発刊は、ゲームさんぽという一連の活動を立ち止まって振り返り、まとめるのにベストなタイミングでした。書籍をつくる過程で個人的に新たな発見も多く、この経験は今後の活動の大きな糧となりそうです。いいださん、編集担当のさとうさん(白夜書房)は書籍作りに対して明確な信念があり、同じチームとしてとても心強かったです。この場を借りてお二人にもThe感謝。書籍制作の初期、計画段階の頃には、いわゆる大衆ウケするファンブックにしようか……文字は少なくなるべく画像主体でいこう……といった甘い誘惑もありましたが、皆で議論を交わし、最終的に自分たちが挑戦したかった実験的な方向に舵を切ることができました(最終的にどんどん文字が多くなっていき、特装版にいたっては「鈍器」のような本に仕上がりました!)。今後も皆さまからいただいたご支援の声を糧に、活動を続けていきますので、末永くお付き合い頂ければ幸いでございます。最後に、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました!SAYなーむ! SAYなむあみだ!The感謝


こんにちは。ゲームさんぽ制作チーム(白夜書房の佐藤)です。支援者の皆様に、ゲームさんぽ本の作業工程とともに編集者の仕事を紹介する。そんなテーマを掲げてここまで文章を書いてきました。こうしてラストを迎えてみてあらためて思うのは、書くって大変だということ。私の場合は誰の目も通さずに配信しているわけですが、作家さんやライターさんの立場になれば、自分の書いた原稿を編集者に読まれて意見を言われるなんて、ある意味地獄なのでは……自分が取材した原稿を上司に見せてよくダメ出しされたっけ、なんて過去の経験を思い出しました。「原稿をもらったりデザインがあがったりしたら、なるべく早く感想とともに返信しろ」「編集者は24時間対応できてなんぼ(今のご時世だとアウトっすね……)」なんて言われたこともありますが、その意図もうっすら、ようやくわかったような気がします。はい、サクッと本題に行きましょう。ゲームさんぽ本の製作を語る上で欠かせないのが、クラウドファンディングです。通常の本づくりに比べてイレギュラー要素の多いものとなりました。その最たるものが、製作費に事実上の制限がかからなかったこと。第1回でお話ししましたが、本をつくるためには社内会議で企画を通す必要があります。企画内容や市場調査だけでなく、原価計算も必要です。本のサイズやページ数、部数と販売価格に対して、印税、編集費、紙代・印刷代など、必要経費を計算して、商品として成り立つかどうかを事前に計算するわけです。つまり、会議が通った時点で、だいたいの体裁も予算も決まっています。ですから、「この原稿、めちゃくちゃおもしろいですね。100ページ増やしましょう」「ハードカバーにして豪華なつくりにしましょう」なんてことにはならないのです。ところがクラウドファンディングで多くの方にご支援いただいたことで、当初の240ページから336ページ(フルカラー)に仕様が変更し、資料的価値の高い豪華仕様の限定版も製作することができました。※詳細はこちらを! 特に限定版はクラファンによる製作費があったからこそ実現できた仕様でしたおまけに、CGクリエイターの榊原寛さんのインタビューも追加で収録。本書では唯一のゲーム制作者へのインタビュー(しかも超有名ゲームの『サイバーパンク2077』!)で、ゲーム制作の裏側を知ることができる貴重や資料として、本書がより充実した内容になりました。とはいえ、クラウドファンディングの実施はこれまで経験のなかったことであり、進行管理の上では先の読めなさが大変な部分だったとも言えます。中でも、最後の最後まで総ページ数が決まらなかったこと、それに付随して台割を切ることができず、けっこうヒヤヒヤしたものです。進行管理において、台割は非常に重要です。全部で何ページあるのか、どのページに何が載っているかなど、本づくりにおいて欠かせない設計図のようなものだからです(ちなみに台割をつくることを台割を切ると言います)。ゲームさんぽ本では「何ページに収める必要がある」という制約がなかったために、「とりあえずデザイナーさんに本文を流し込んでもらって、様子を見てみよう」という判断になったわけですね。そうして336ページで落ち着いたのは2月に入ってからだったような……。11月17日に「リターン発送遅延のお知らせとお詫び」という報告をしましたが、このときの私は「2月に入ってもページ数決まってないから」とは思いもしなかったことでしょう……。私はこれまで、「編集は何を入れるかよりも、何を入れないか(優先するか)を考える」ことが大事だと思ってきました(これも上記の活動報告で書きました。1000文字の原稿を書いたら300文字にしろ、的な)。それは基本的には変わっていませんし、本書でも削った部分は多々あります(当初は終章にいいださんとなむさんによる「ふりかえり」の対話も入る予定だった)。特に書籍は一つのテーマに絞って書かれるものなので、雑誌ほどあれもこれもといろいろな記事を盛り込むものではありません。同じ弁当でも幕の内弁当的なものはつくらないのです。それに、「なんでも自由にやっていいよ」と言われるよりも「ある程度の制約の中で考えるほうがアイデアは出やすい」とも思います。それでも、こうして「増やし続ける」方向で本が完成してみると、やはり長いことには必然があると思うんですよね。ゲームさんぽ誕生の背景を掘り下げることも、10名の専門家の皆様にご登場いただいたのも、A5版で脚注がもりもり入っていることも、ゲームさんぽを書籍化するには必要不可欠な要素でした。ふつうでは体験できない工程を見て知ることができ、個人的にも大変勉強になりました。だからといって、「これからの本づくりはクラファンだ!」と短絡的に考えたりはしません。ゲームさんぽが、なむさんが発明した2017年から今に至るまで、多くの人に愛されてきたからこそのクラファンの成功であり、同じことはそう簡単に再現できるものではないからです(何でもかんでもお願いベースではダメってことですね)。というわけで、全6回に渡りゲームさんぽ本の作業工程をつまびらかにしながら(なったか?)、編集者の仕事を紹介してきました。その裏側を知ることで、少しでもゲームさんぽ本の楽しみ方が広がれば幸いです。


こんにちは。ゲームさんぽ制作チーム(白夜書房の佐藤)です。気がつけばこの小連載も第5回を迎えました。今回と次回では、総括的なことをしていきたいと思います。あと2回、お付き合いください。ゲームさんぽ本は文字がぎっしり詰まった本になっています。読者の皆さんはどんな感想をお持ちでしょうか。ゲーム実況動画の書籍化であることを考慮すれば、意外でしょうか。それとも「これぞゲームさんぽ!」でしょうか。本の方向性や構成は著者のいいださん、なむさんと打ち合わせをしながら固めていったわけですが、私は企画立案をするとき、よくこんなことを考えます。・著者(のコンテンツ)のウリは何だろう?・メインターゲット(対象読者)は誰だろう?・読者はこの本を読んで何が得られるだろう?・それを簡潔に伝えるには?・この本を人にオススメしたくなるだろうか?わりとプロダクトアウト的な発想が強めですね。もちろんどんな企画でも類似書調査はしますし、営業部に今どんなジャンルが好調なのか聞くこともあります。つまり、読者のニーズを探ることから始めることも――それをマーケットインというには大げさかもしれませんが――本によってはあります。それでも、私は著者(のコンテンツ)ありきで考えることが多いです。私のもとにはよく本を出したい方から企画書が届きます。つねに企画を探している身としては大変ありがたいことなのですが、一つだけ、いつも気になっていることがあります。企画書に同封されているペラにはほぼ間違いなく、こんな文言が記されているのです。「はじめまして。○○と申します。貴社の『△△』という本を読みました。(感想が数行)実は私も同様の企画を考えておりまして〜」これはどこかにフォーマットがあるんじゃないかと私は疑っているのですが、「同様の企画を考えておりまして」という言葉を見た時点で興味を失います。私は著者(のコンテンツ)に魅力を感じてこの人の本をつくりたいと思うわけで、「これ、売れてますよね。似たの書けますよ(意訳)」と言われても、興味を持ちづらいわけです。ゲームさんぽはすでに多くの視聴者に支持される人気コンテンツ。だからといって視聴者数に頼ったお手軽YouTube本にしてしまっては、ゲームさんぽらしさのカケラもないものになってしまいます。いいださん、なむさんと相談していく中で、『ブラタモリ』的な案も出ました。『ブラタモリ』を簡単に説明すると、NHK総合テレビで放送されている、タモリさんが街をブラブラ散歩する教養バラエティー番組です。これまでに公式本も多数出版されていて、番組では語り切れなかったエピソードやロケの撮影風景、地図なども収録された、いわば副読本です。ゲームさんぽも専門家とゲームの世界を散歩するわけで、『ブラタモリ』的な副読本とも相性がよさそうですね。再生回数の多い人気動画をいくつかピックアップして、ゲーム画面をふんだんに使い、動画をより掘り下げたり、動画で散歩した場面をたどれるようなマップを入れたり。1枚のゲーム画面にたくさんの人が情報を書き込みまくる「スクショさんぽ」なる派生企画も検討されました。結果的に、ゲームさんぽ本は動画の副読本ではなく、よりゲームさんぽのコンセプトに近い方向、つまり知のゲートウェイとなる1冊になりました。ゲームを入口に、新しい知識を得たり、学びたいという好奇心がくすぐられる。そんなゲームさんぽならではの特徴を生かした本です。­「YouTubeの本はこんなのが売れている」という発想からはたどりつかなかったと思います。メインターゲットはもちろん視聴者の皆さん。「ゲームさんぽならではの書籍化」はどうやったら伝わるでしょうか。ターゲットを視聴者に設定した時点で広く届ける言葉ではなく、深く刺さる言葉が必要です。これはゲームさんぽ本に限りませんが、「欲しい」という気持ちにさせるだけでは足りません。「欲しい」と「実際に買う」の間には大きな壁があり、その壁をぶち破らなければいけないのです。そして、本の方向性と同様、何度かの打ち合わせを経て生まれたのが、クラウドファンディングで掲げた「紙の専門家と本を作る」、本のオビにデカデカと載っている「これは世界の見方を変える遊び」(byいいださん)というキャッチコピーです。私は最初、このオビ文に反対したのですが、ゲームさんぽを簡潔に表す最高のコピーだと考えを改めました(テノヒラクルー)。Twitterを見ていると、多くの方がゲームさんぽ本の感想をツイートしてくれています(ありがとうございます!)。キャッチコピーに限らず、文字ぎっしりの本文、寄り道をうながす脚注の多さ、表紙のデザインなどさまざまな部分に「ゲームさんぽらしさ」を感じていただけて、とてもうれしく思います。もし皆さんが編集者だったら、どんな「ゲームさんぽ」本を企画したでしょうか。「自分だったら○○な本にしたな!」。そんなアイデアも教えていただければありがたいです。


こんにちは。ゲームさんぽ制作チーム(白夜書房の佐藤)です。皆様の元に本は届いたでしょうか。この3連休でじっくりお楽しみいただけていれば、編集担当としてとてもうれしいです。3月18日に書店でも一般発売がスタートしていますが、都内近郊の一部の書店ではいいださん、なむさんのミニサイン色紙も掲出されています。書店に立ち寄る機会があった際は、探してみてください。と言いつつも、「本屋さんに行ったけどなかった」というツイートなどを見ると、非常に申し訳ない気持ちになります。そもそも本ってどうやって書店に並ぶのか? 今回はそんな話から始めたいと思います。出版社は取次を通して本を書店に送品します。取次は出版社と書店をつなぐ問屋さんで、日販やトーハンが有名ですね。そのため、印刷・製本された本は印刷所からまず取次に送られます。発売日の2営業日前に搬入されるのがふつうで、この日を取次搬入日と言います。ゲームさんぽ本の発売日は3月18日だったので、取次搬入日は3月16日でした。そして取次は出版社から仕入れた本を、どこの書店に何冊送るか決めます。これを配本と呼んでいて、指定配本と見計らい配本の2パターンがあります。指定配本とは出版社が(書店から注文を受けるなどして)「○○書店には10冊お願いします」と配本を指定すること。一方、見計らい配本とは、取次の配本パターンにお任せすることです。これまでのデータから導き出される「こういう本はこういう書店に配本するといい」という取次の判断に任せるわけですね。こうして本は全国の書店に届けられるわけですが、必ずしもすべての書店に本が入荷するわけではないので、「本屋さんに行ったけどなかった」ことも起こるのです……。また、取次はいろんな出版社の本を運びます。ただ、運べる量には限度があるので、たくさんの本が発売されると予想される時期は、取次から「発売日をズラしてほしい」と言われることもあります。もともと本の発売日は赤日と休配日に設定することはできませんが、特に3月下旬と9月下旬は混み合うので、平日でも発売日を設定できないことがしばしば起こります(「業量カレンダー」で検索してみよう)。ちょっと話がそれますが、身の回りに本がある方は、奥付(最後のページ)を見てみてください。発行年月日が書かれているはずです。この発行年月日、実は発売日のことではありません。この2つは別々のものであり、日付が一致していないこともよくあります。発売日は文字通り本が発売される日で、発行年月日は発売日よりうしろにすることができるのです(たしか発売日の2週間くらい先までOKだったはず)。発行年月日の記載に厳密な決まりはなく、ある程度は出版社に任されています。ではなぜそんなことをするのかというと、「この本はまだ新しいですよ」とアピールするためです。それにどれほどの実効性があるかはわかりませんが、少しでも長く書店に置いてほしいのです。話を戻して、本題です。校了後に編集者は何をしているのか。それは、Amazonランキングのチェックです。というのは冗談ですが(半分は本当)、気にしない編集者は少ないのではないでしょうか。というのも、Amazonは今や出版社にとって欠かすことのできない書店です。本の売上に大きな影響力を持つので、その目安となるランキングをすごく気にします。一方で読者の皆さんがAmazonで本を買うとき、その本の順位を気にすることはおそらくないと思います。しかし、これならどうでしょう。「ベストセラー1位」という赤いタグが輝いています。そう、ゲームさんぽ本はAmazon1位なのです! ただ、これだけ見るとすべての本の中で1位という印象を受けるかもしれませんが、ほかにも「ベストセラー1位」のタグが付いた本はたくさんあります。「あれ?」と思いますよね。その理由は、Amazonには総合、新着、カテゴリ別などさまざまなランキングがあり、そのどれでもいいので1位を取ると、この「ベストセラー1位」というタグが付くからです。非常にニッチなカテゴリに分類されれば、売上が数冊でも1位を取ることは可能です。それでも「Amazon 1位」の看板にウソ偽りはありません。周りを見渡せば、新聞広告、電車の車内広告、フェイスブック、ツイッター……さまざまなところでこの「Amazon1位」という言葉が躍っています。とても目立つので読者へのアピールになります。やはり「1位」という響きは絶大な力を持っているのです。世の中に無数にある映画の「全米NO.1ヒット」と似ていますね。ゲームさんぽ本は「ゲームファンブック」「ゲーム攻略本」というカテゴリに分類されていて、そのうち「ゲームファンブック」で1位を取ったのでした。実際にどれだけの広告効果を持つのかはわからないけれど、自分が担当した本が「ベストセラー1位」なのは素直にうれしいです。Amazonのランキングは数時間ごとにめまぐるしく入れ替わるので、数時間おきにブラウザをリロードし、最新の順位をチェックしてしまう……。だからといってAmazonにずっと張り付いていては仕事にならないし、精神衛生的にもよくない。そんなことよりも、本の情報を発信したり、メディアに献本したりして、少しでも本の存在を知ってもらうほうが生産的ですね。それに、本はAmazonだけで売っているわけではありません。そのほか多くの書店で売れることが大事です。書店にどうやって足を運んでいただくか、本の発売後はこうした部分にも頭を悩ませています。今回は発売後ということもあり、編集者の仕事紹介というよりも、その周辺のお話でした。次回はゲームさんぽ本がガチめの内容になった経緯をふりかえります。


こんにちは。ゲームさんぽ制作チーム(白夜書房の佐藤)です。発送作業を終え、なぜか背中が筋肉痛の中、編集者の仕事第3回をお届けします。前回は(2)原稿が上がるまでをお話ししました。なんだか長くなってしまったので、今回はサクサクとコンパクトにいきましょう。【本が誕生するまで】(1)企画立案(2)原稿の執筆や取材(3)デザイン(4)入稿(5)校正(6)校了(7)印刷、製本 (3)デザインでは、表紙や本文のレイアウトをデザイナーさんにお願いします。ここでもコミュニケーションは重要です。フワッとした発注をすると、フワッとした成果物が上がってしまうからです。これは十中八九、編集者の責任です。挙句のはてには、フワッと発注したせいでどこを修正依頼していいかわからず、「なんか違うんすよねー、違うパターン見れます?」と言ってしまう始末。私はその昔、デザイナーさんにこれをやって叱られたことがあります。表紙案を見て「なんかちがうなー」と思った私は、「このモチーフ変えられます?」「このケイ線、もうちょっと動かせないすか?」「ここに色入れるといいと思うんすよ」と思いつくままに修正を依頼。そして何度目かの電話で、「デザインは全体のバランスを見て考えているんだから、こまかい部分だけいじってもよくならないんですよ」と言わせてしまったのでした(それも深夜にね)。本の方向性やターゲットなど、しっかり伝えることが大事。これはデザインに限りませんね。ゲームさんぽ本はいかがでしょうか。ゲームさんぽらしさも多分にありながら、1冊の本としてとてもかっこいい仕上がりになっていると思います。書店でも存在感がすごそう!さて、デザインが上がったら、(4)入稿です。入稿という言葉は今では幅広い意味で使われていますが、ここでは編集者がデザイナーさんから届いたアップデータを印刷所(製版所)に渡すという意味で使います。印刷所(製版所)はそのレイアウトデータをもとに試し刷りし、校正紙(ゲラ)を編集者に渡す(出稿)。編集者はそのゲラで(5)校正作業をします(※)。※ゲームさんぽ本の校正は製版所とやりとりしました。印刷用のデータを作るのが製版所、それを印刷するのが印刷所です。製版、印刷をかねる会社もたくさんあります。校正ではレイアウトのズレがないか、誤字脱字はないか、赤字は直っているかなどをチェックしたり、著者や専門家の皆様の赤字を転記したりします。校正は何度も何度もゲラを読む、非常に時間のかかる工程です。それこそ朝から晩までデスクで原稿とにらめっこする日々が続きます。普段はApple Watchの忠実なしもべである私も、校正期間中ばかりは「スタンドの時間です! 立ち上がって1分間ほど動きましょう」という指示を無視するほど。※これはゲラ。ここに赤字を入れていきます校正は一度のやりとりで終わることはありません。製版所から最初に出稿したものを初稿、編集者が赤字を入れて戻し、その赤字を修正して再度出稿したものを「再校」、それ以降、「三校」「四校」と続き、校了直前に念のために校正する「念校」というものもあります。こうして校了日に向けてゲラの出し入れをしていきます。※修正は赤字、説明や指示は青や鉛筆で入れます。これは面付といって、正しいページ順になるようにページを折る、付け合わせたものそのため、校了日が迫るにつれて製版所の営業さんとのやりとりも増加します。製版所でデータを直すのは現場のオペレーターさん。営業さんは私とオペレーターさんの間に入る、連絡係のようなポジションです。校了日も差し迫っていた2月22日、そんな製版所の営業さんとの通話履歴がこちら。ひんぱんに通話をしている(着信がある) のがわかりますね。電話口では「佐藤さん……ハァ……この赤字読めない……」「この鉛筆書き何ですか?」「差し替え画像入ってないですよ!」「24日下版(≒校了)ですよね?」「(私が別件で外出すると聞いて)その用事、明日じゃダメなんですか?」「何時になるかわかりませんけど、今日中に出稿しますよ……」といった言葉のほか、あまりにも驚いた営業さんにタメ口で聞き返されることもありました。普段は物腰がやわらかく、仕事もていねい、迅速に対応してくださる神のような方でも校了間際は追い込まれてしまう。同時期には、印刷所の営業さんの口からもポロッとタメ口がこぼれました。やはり切羽詰まった状況でさらに追い討ちをかけられると、人は素が出てしまうものなのかもしれません(他人事のように言っていますが、それを引き出したのは私なのでとても反省してます)。ちなみに、「今日中」という言葉。これはとても幅のある言葉として知られています。一般的にはその日の営業時間内(たとえば17時とか)を指しますよね。ところが、出版業界では「翌日、相手が出社するまで、働き始めるまで(たとえば午前9時とか)」を言います。私も例にもれず、製版所の営業さんから「初稿はいつまでに戻ります?」と聞かれたときには、「今日中にはなんとか」と答えたものです。1日って長いですね。不思議!そんな死力を尽くした校正期間を経て、ゲームさんぽ本は2月24日に無事に校了(校了という言葉は「直しがありませんので、このまま進めてください」という意味で、そのほか「数カ所の直しがあるけど、修正と確認はお任せします」という責了もあります)。校了後は編集者の手を離れて印刷に回り、3月14日に白夜書房に搬入され、その日のうちに発送。みなさまの元へ旅立ったのでした。枝葉末節をバサバサ切ったつもりが、今回も長くなってしまいました。というのも、現在の時刻は17時55分。この原稿は5分後には配信しなければなりません。第三者の目を通しているヒマはないのです。「ちょっと長くない?」「ここ意味が通りづらい」「この段落は丸ごとカット」という指摘があってこそ、原稿のクオリティーは上がるもの。そんなこともなく、私が書いたままに、この原稿は配信されます。やはり読者視点を持った編集者って必要な存在ですね! そんなマッチポンプをかまして今回はここまで。次回こそ短く書きます。