最近のキャッシュレス決済の進歩は目覚ましいですが、記憶に新しい昨年の携帯キャリアの大規模な通信障害のようにスマートフォンだけに頼るのはやっぱり危険。「リスクヘッジ」としても機能する財布の重要性を改めて認識させられる出来事でした。また、今はコロナで難しいですが海外渡航時のスマホ盗難などはもちろん、ふだんの生活では災害や電池持ちの心配もあります。とはいえ「ジャケットやミニバッグの形を崩さない身軽に出かけたい!」のはもちろんのこと。普段は目立たないけど、必要な時に見栄えや機能はしっかり頼りになる財布を目指しました。
ニューノーマルな生活や働き方が広まって、ある程度は自由な装いが認められるようになってはいるけれど、やっぱり身だしなみは気になるという人が多いと思います。だからといって、その都度に家に帰って服装に合わせて、財布を取り替えるのも非現実的です。そこで、きちんと見えして、コーディネートや使うシーンを悩む必要がなく、どこへでも出かけられて、使い心地が良いこと。そんな現代のライフスタイルにマッチする財布こそ必要だと思いました。
「道具としての財布」を、しっかり考えていく上で、どの革にするかは大きな課題でした。タンニン鞣しもクロム鞣しも良いところと弱いところがあります。持ち物の中でも一番ハードな環境で使い、人の目についてしまう財布だからこそ、機能性と風合いの両面のバランスをとった「コンビ鞣し」の追及が、最良な選択だと思っています。
コンビニで買い物したり、カフェでお茶をしたり、ほとんど毎日お会計する瞬間ってあると思いますが、そんなルーティーンな動作だからこそ、毎回の所作がもっとスマートに、そしてストレスなく使えれば、日々の「生活の質」を上げれると思って、この財布を作りました。
お店での会計やチャージの時、カードや現金をすっと取出して、さっと収納しなければいけないことが多いので、まずは「ひとめで見渡せる」という点、そして「スマートで無理のない収納方法」という点を重視して、少ないアクションで「お金を出し入れできること」を実現しています。