こんにちは。先日投稿致しました、店舗予定物件(といっても実家)のリニューアル工事ですが、工事の序盤に面白いものが発見されました。まずはこちら。非常にレトロな扇風機。SHARP製のようで、支柱のところに印字があります。コードも引きちぎられており、もう動かないと思われます。シンプルを突き詰めたデザインが素敵だなと感じます。続いてはこちら。レトロなラジカセ。印字からSHARP製のものであることが分かります。確認したところ、母が嫁入りした頃(昭和62・1987年)に使用していたもので、調子が悪くなってからはどこにしまっていたか分からなかったものとのこと。先の扇風機とこのラジカセは、せっかく見つかったのでキレイに汚れを落とし、お店のインテリアにすることにしました。ご来店の際はぜひご覧ください。次はこちら。壁を剥がすと出てきました、もう一つの壁。昭和41年に建てられて以降何度か改築を行っていたとのことで、元々あった壁の上にボードとクロスを貼って当時の流行の仕立てにしていたようです。各所、このような形で元々の壁が姿を現しました。この工事で再び上から断熱材やボードが貼られ、姿を隠すことになりますので、少し惜しい気もした私でした。続いてこちら。当時の大工さんが記した計算。仕事の跡が残っているのは人間味を感じるというか、当時の職人さんの息づかいが伝わってくるようで、大事に残したい痕跡です。最後はこちら。2階の天井を取り除くと、物置として利用していた屋根裏の姿があらわになりました。その物置の壁面、どこかの建具を再利用したもののようで、外側から見るとそれがよくわかりました。今でこそSDGsをはじめリサイクル・リユースという言葉がたくさん飛び交っていますが、昔は「勿体ない」「あるものを使う」といった考えが頭にしみ込んでいて、ごく普通だったということを感じ取りました。解体工事に少しだけお邪魔して見学しましたが、新築では味わえない楽しさ・魅力がリノベーションにはあるということを肌で感じることができました。今回お見せしたものの多くは再び新しい建材に覆われ隠されてしまいますが、開店・ご来店の際はぜひビフォーアフターを一緒にお確かめください!
こんにちは。たくさんのご支援頂きまして、誠にありがとうございます。締め切りまで残り10日弱。最後まで走り続けたいと思います。先だって、工事遅延による開店延期をお伝えしたばかりですが、支援者の皆様は特に気になっていらっしゃるであろう、工事の内容をお話したいと思います。プロジェクト本文にございますように、改装する物件はこちらです。私が10歳まで過ごし、以降20年以上に渡り空き家となっていた物件です。幅が2間と少し、奥行が約13間という昔ながらの町家の特徴を持っています。建物自体は昭和41(1966)年に建て替えられているため江戸情緒を感じるような点はないですが、それなりの趣はあるかな、といった感じです。この建物をリノベーションし、店舗として甦らせます。↑これは構想段階で手描きした間取り図ですが、ほぼこの通りの工事が現在行われています。元々、昔の町家を彷彿させる「ミセの間・中の間・座敷・中庭・はなれ」といった順に配置されていたものに増改築を繰り返し、水回りが奥に、ガレージがミセの間に配置されるといった住宅でした。当初は昔のつくりを最大限に活かし、なんなら復元するくらいのことをしようと建設屋さんやデザイナーさんにも提案しましたが、コストの問題(昔の日本家屋の手間ヒマは膨大)、そして耐震性能や耐久性のことなど総合的に考慮し、フルリノベーションを行うことにしました。耐震性能を上げること、現代の建築技術を融合させることで、将来的に建物が生き残れる方を優先させました。完全に物置と化し、住んでいた頃の状態に戻すのでさえ困難な状況でした。まずは不要なものの搬出、そして内部構造を一旦取り除くところから始まりました。本当は外から取り掛かり、中を仕上げていきたいところでしたが、手続き・スケジュールの関係上先に中から工事することになりました。耐震のために新たな柱や、この写真からはわかりませんが金具を入れていきます。古い骨格を活かしながら補強をし、そして断熱材・ボードを貼り、壁紙クロスや新しいフロアで表面を仕上げていくといったイメージです。コロナ禍による工事中断などもありましたが、着々と完成に近づいています。少し前になりますが、壁紙クロスも完工、クッションフロアもきれいに仕上がりました。ちなみにその様子がこちら↓です。内部を取り壊し補強を入れた写真から、一気に表面まで仕上がってきている写真になったのでイメージしづらかった方もいらっしゃるかもしれません。これからの活動報告、ポイントをピックアップして進捗が分かりやすくお伝えできるよう努めて参ります。
【2021年度たくあん漬けづくり その③】約1ヶ月の乾燥ののち取り入れられた大根は、用意しておいたぬか床に漬けられます。このぬか床は各家庭によりそれぞれレシピが存在するようで、このプロジェクトでも米ぬかと塩をベースに配合したオリジナルのぬか床へ漬け込んでいきます。今シーズンは12月30日に漬け込みを行いました。まだまだ隙間があります。もう少しぎっしり詰めて、一段完成です。大根とぬか床を交互に、ミルフィーユ状に重ねていきます。一番上にはタカノツメなどをまぶします。約3か月後、それらしくなってきました。水分が抜けしわしわになり、味もしみてきました。どんどん熟成していきます。3月末に仕上がったたくあん漬け。新漬けにあたるので、まだまだ大根のフレッシュな香りとぬか床のほのかな香りが感じられる段階です。ここから期間が経過するにつれ、芳醇な香りへと変化していき、新漬けの頃にあった塩味のカドも取れ、まろやかになってていきます。人によって「新漬けの方が好き」「熟成したものの方が好き」といった好みが分かれるのが面白いところです。お漬物キッチンいずしとわでは、ある時点で発酵を止めて一定の味を楽しむのではなく、1年を通して変化していく味わいを楽しめるような提供の仕方を模索していきたいと考えています。このような流れで年に一度たくあん漬けを仕込んでおりまして、今年提供する分も準備しております。お手元に届くまで、もうしばしお待ちくださいませ。
少し間が空いてしまい、申し訳ございません。前回の続き、収穫から棚干しまでの様子をお伝えさせて頂きます。【2021年度たくあん漬けづくり その②】9月20日頃に植えた種は数日のうちには発芽し、ぐんぐんと育っていきます。台風が多発する時期の生育なので気候条件にとても不安な点がありましたが、幸いにも台風が直撃するようなこともなく、安定した秋の気候により順調に育ちました。この「ぐんぐん育つ」とき、いかに深く柔らかく土壌が準備されているかが重要になってきます。前回の投稿でお伝えしました「とにかく耕」した結果がここに表れるようです。種まきから約60日後、11月20日を目安に2農場ともに収穫・洗浄し、棚干しに入りました。晩秋から初冬にかけての寒風に約1か月間さらし、大根を乾燥させる工程です。葉っぱを取り除かずに干すのは、水分を効果的に抜くためです。たくあん寺こと宗鏡寺の和尚さんに教わったことですが、収穫後も大根は呼吸をしており、その過程で水分が抜けていくのだそうです。約ひと月干した様子がこちら↓。しわしわになり、「つ」の字に曲がるようになるのが取り込み・漬け込み開始の目安です。「つ」の字に曲がる大根。今までで一番美しく仕上がった大根です。(参考のため2019年写真を使用)ここまで来たら、いよいよ漬け込み。次回はその様子をレポート致します。更新までしばしお待ちください。
こんにちは!プロジェクト公開から4日ほど経過します。まずは、たくさんのご支援を賜りまして、誠にありがとうございます。最後まで駆け抜けたいと思いますので、引き続きお見守り下さいますようお願い申し上げます。【2021年度たくあん漬けづくり その①】活動報告第1回目は、看板として掲げております、たくあん漬けの生産記録を題材にしたいと思います。行程としては大きく分けて ①種まき ②収穫 ③棚干し ④漬け込み があります。順にご説明致します。①種まき2021年度分(2022年新漬けになる分)は9月20日21日に種まきを行いました。白首大根という、漬物に適した品種を蒔きます。ちなみに、スーパーなどで販売されている大根はほぼ青首大根です。青首大根の方がまっすぐ太く立派に育ちやすく、手間もあまりかからないのに対し、たくあん漬けに適した白首大根は固い土質や小石の多い農場では奇形に育ちやすく、なかなかまっすぐに育ってくれない、やや育てるのが難しい品種です。桜尾地区の農場と袴狭(はかざ)地区の農場の2か所で育てます。それぞれ地区が違えば土質も違います。ただ、生産者さんを見てて共通して言えるのは「何度も耕すこと。それも深く」です。一言に「種まき」と表してしまいましたが、そこに至るまでの道のりがかなり長いです。私がたくあん漬けを始めて関わっているのは、本当に「種を蒔く」という作業だけです。なんと断片的な作業だったことでしょう。種を蒔いてから収穫まで約60日間。ここまででちょうどよいボリュームになってきましたので、この収穫作業以降についてはまた次回にご説明させて頂きます。とにかく耕す。