「諦めたらそこで試合終了ですよ。」
その言葉は、絶大な人気を誇るバスケットコミック『スラムダンク』における安西先生の言葉である。まるでその言葉は、過疎化が進む日本全国の地方に突き付けられている言葉のようだ。
写真は、ザ・ライスファームのメンバーが1年間の米作りを終え、大収穫祭を行った際に記念撮影をした様子。
今となっては11名のメンバーの内、地元出身者は4名。
農業がしたいと長谷に戻ってきた者。長谷を盛り上げたいと戻ってきた者。
そこに、日本の良いモノを海外で売りたいと思う者。日本の独自の農業技術を確立したいと思う者など、新しい血をもたらす移住者が加わっている。
まさに10人10色の強烈な個性をもつメンバーだが、「良い米を作りたい。地域を良くしたい」という想いは一緒。
4月からの米作りが始まれば肥料も農薬も使わない栽培ゆえ、一心不乱に農作業に取り組み、気づいたら収穫祭の酒宴の席についている。米作りの1年はあっという間だ。
米づくりだけではダメだと考え、昨年は古民家をダイナミックに改修し、街づくりにも大きな舵をきった。
もちろん未来は何も保証されていない。努力の甲斐なく、数多の地方と同じように数十年後、伊那市長谷も若者が誰もいない地域になっている可能性もあるのだ。
しかし少なくとも一つ言えることは、我々はまだ試合を諦めていないということ。
それは写真にうつる面々の表情を見てもらえば分かってもらえるだろう。
なぜなら試合をひっくり返すための大逆襲は、今はじまったばかりなのだから。