「普通学校」という言葉に違和感を持つ人もいらっしゃると思います。特別支援学校に通っている子どもたちにとっては、特別支援学校が「普通」だという考え方もあることも理解できます。
市町村に1つもなく、他の市町村の学校に通う場合もある特別支援学校に比べ、それぞれの地域にある小中学校は「地域の学校」と呼んだ方が正確なのでしょう。しかし、私自身の子ども時代の中では「普通学校」と言うことが多かったたため、クラウドファンディングの中では「普通学校」と呼ばせていたきました。
そして、日本の多くの地域では、障害のない子にとっては、家の近くの小中学校に就学するのが「普通」「一般的」で、学区の広い私立の小中学校に通わせるほうが「特別」だとみなされると思います。この場合の「特別」は、一般の小中学校とはひと味違う、その家庭の教育方針に合致したり、本人の興味関心に特化した学びを提供するという意味であり、いい意味の「特別」だと思います。
障害児は特別支援学校に通うのが「普通」だと思ってしまうのは、本当は家から近い小中学校に行きたいのに、「受け入れてもらえない」とか「必要な支援が受けられない」という理由で、仕方なく家から遠い特別支援学校を選ばざるを得ない状況や、そもそも「障害があっても、家の近くの小中学校に通う権利がある」と教えてもらえないからではないでしょうか。
どんな障害児も、障害のない子どもと同様に、家の近くの小中学校に通い、小中学校の中で必要な支援を受けられるのが「普通」で、家庭の教育方針や本人の興味関心に特化した特別な教育を受けさせたいから、わざわざ家から遠い特別支援学校に通わせるという認識になれば、特別支援学校の「特別」もプラスの意味に捉えられるのではないでしょうか。
「なぜ障害があるのに、地域の小中学校に行くの?」ではなく、「家の近くの小中学校でも必要な支援は受けられるのに、なぜわざわざ家から遠い特別支援学校に行くの?」と聞かれる社会を作りたいです。