現在、横浜シネマリンで上映中の映画『Yokosuka 1953』。ベルさんと同じ、進駐軍のアメリカ兵と日本人女性の間に生まれたGIベビーであるバーバラさんの、お母さん探しを追ったドキュメンタリーです。
上映期間中の11月25日(土)、トークイベントに出演することになりました。
木川監督と、ベルさんの"最初の記憶"である「聖母愛児園」の工藤さんとともに、お話しさせていただきます。
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11/25(土)横浜シネマリン
10:00から上映 上映後トークイベント
木川剛志/工藤則光(聖母愛児園施設長)/岡部えつ(作家)
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木川監督は、ある日見知らぬアメリカ人女性から「木川信子を知りませんか?」というメッセージを受け取りました。彼女の母親バーバラさんが、幼くして米国人夫婦の養子となりアメリカへ渡った、GIベビーだったのです。
バーバラさんは、日本にいるお母さんに会いたいと願ってきましたが、手がかりは母の名前と、横須賀に住んでいた記憶だけでした。
そこで、バーバラさんの娘さんが、Facebookにある「木川」という名前の人に、手当たり次第にメッセージを送っていたのです。
木川監督は、信子さんの親戚ではありませんでしたが、バーバラさんのお母さん探しを引き受けることにし、同時に映像を撮り始めました。それが、この映画となりました。
わたしもベルさんのお母さん探しで経験しましたが、自ら逃げるように、振り切るように、また隠れるようにして子供を手放した親を、長い時を経て探しだすということは、触れてはいけないものに触れることにもなる行為です。探したいという切望と探されたくないという祈りが、ぶつかる瞬間を感じながらの仕事です。
おそらくこの作品も、似たような山を越えた末にできたものだ思います。だからこそ、わたしにはひときわ迫ってくるものがあります。
なぜ、引き裂かれなければならなかったのか。
なぜ、この人生を生きなければならなかったのか。
戦争や災害、事故、事件、病といった、自分の責任ではない事情によって、望まぬ場所へ放り込まれてしまった人たちの葛藤に触れ、彼らの人生を追体験することは、社会の矛盾や理不尽を知る重要な機会です。
ぜひ、『Yokosuka 1953』で、バーバラさんと信子さんの人生に触れてみてください。
トークイベントスケジュール(すでに終わっているものもあり、すみません!)
11/18(土) 15:10から上映 上映後舞台挨拶
津田寛治(俳優・映画監督)『Yokosuka1953』ナレーション
木川剛志(Yokosuka1953 監督)
司会 松崎まこと(映画活動家)
11/19(日) 15:10から上映 上映後トークイベント
山崎洋子(作家)
『女たちのアンダーグラウンド 戦後横浜の光と闇』 『天使はブルースを歌う 横浜アウトサイド・ストーリー』
木川剛志
11/20(月) 12:20から上映 上映後トークイベント
中村高寛(映画監督) 『禅と骨』 『ヨコハマメリー』
木川剛志
11/23(祝) 12:20から上映 上映後トークイベント
五大路子(女優) 『横浜ローザ』 『ヨコハマメリー』
木川剛志
司会 松崎まこと(映画活動家)
11/24(金) 12:20から上映 上映後舞台挨拶
木川剛志
11/25(土) 10:00から上映 上映後トークイベント
岡部えつ(作家) 『GIベビー、ベルさんの物語[仮]』2024年2月19日出版予定
工藤則光(聖母愛児園施設長)
木川剛志
11/26(日) 10:00から上映 上映後トークイベント
滝田祥子(横浜市立大学教授)『禅と骨』
木川剛志
11/27(月) 10:00から上映 上映後舞台挨拶
木川剛志