「テロワールで飲むとワインの味わいが変わる」というと、ワインに詳しい方ほど、「そんなはずはない!」と断言します。そして、実際に飲んでみて、「あれ…?」と首を傾げます。私たちの味覚は、私たちが思っているよりずっと、味覚以外の感覚に左右されるものです。嗅覚と味覚が混同されやすいことはご存じの方も多いと思いますが、実は私たちが感じる「美味しさ」の感覚は、それ以外の五感(視覚、聴覚、触覚)にも多く影響を受けています。高級な薄いワイングラスで飲む時と紙コップで飲む時。同じワインなら、どちらが美味しく感じるでしょうか?これは、口に触れる触感だけのことではありません。手にした瞬間の紙コップの乾いた質感、グラスを持ち上げるときの重さや、薄く繊細なガラスの質感、触れ合ったときの透明感のある音…。そういった五感で感じ取る情報のすべてが、私たちの「美味しさ」を作り上げているのです。これを「共感覚」と呼んだりもしますが、私たちの五感は決して独立して機能しているものではなく、お互いに影響を与えながら私たちの体や心を支えています。漆で作られた「テロワール」は、唇にふれる質感はもちろんのこと、手のひらに包み込んだときの感覚もグラスとは全く異なります。木のぬくもりと漆のしっとりとした感覚は、ワインを口に運ぶ前から、私たちの味覚をしっかりと刺激してくれているのです。どことなく湿度を感じる漆器の質感には、触っているだけで癒やされるような優しさがあります。ワインを手の中にすっぽりと収めて楽しめるのも、熱を通さない木製の「テロワール」ならでは。漆器だからこそ実現できるワインの新しい味わいを、ぜひ「テロワール」で体験してみてくださいね。
テロワールを初めて手に取ったときにまず「軽いですね!」と仰る方がとても多いです。実際のところ重さは個体差があるのですが、平均すると70g程度。普通のワイングラスの半分以下です。その秘密をお教えすべく、普段はご覧いただけない姿を。。。漆塗りの前の「木地」です。ミズメザクラという木を使っています。サクラという名前が付いていますが、桜ではなくて、カバノキの仲間です。ミズメと言ったり、漆器産地ではハンサと言ったりもします。木目がきれいなので、この木を選びました。木目は木の生きた証。一つとして同じものはありません。「拭き漆」という技法で仕上げるテロワール「蒔絵 MAKI-E」や「然 ZEN」では、この木目を楽しむことができます。そのほかの「輪廻 RINNE」をはじめ下地塗りを施す塗りのタイプでは、木目は見えなくなりますが、中は同じミズメの木です。テロワールは底をコロンと丸く仕上げているので、よく見るとわずかに傾いているときがあります。それは、木の年輪の幅によって比重が異なるからです。型による大量生産のプラスチックや樹脂成型には無い特徴です。テロワールは、優れた木地職人がひとつひとつ手で木を挽いて削り出して作ります。天然の木材と漆塗りならではの、手触り、口当たり、軽さ、美しさ、優しさを感じながら、ゆったりとワインを楽しんでいただけたら嬉しいです。
立秋が過ぎたというのに、なかなか暑さが和らぎませんね。蒸し暑い夜に飲みたくなるのは、やっぱりよく冷えたスパークリングワイン!テロワール「宙」のもつ金属のような独特な表面の質感は、スパークリングワインを楽しむのにもぴったり。美しい泡立ちを際立たせ、涼やかな飲み心地を演出してくれます。宇宙の星を散りばめたような、テロワール「宙」。神秘的な器から立ち上る泡の美しさと、口に触れる細やかな漆の質感が、スパークリングワインの新しい魅力に気づかせてくれますよ!
ワインを五感で楽しむ「アール・ド・テロワール」のチャレンジを応援してくださりありがとうございます。プロジェクト記事内でもご案内しておりましたが、改めてお知らせをいたします。このプロジェクト終了後、9月1日付けにて、ワイン専用漆器「テロワール」の価格改定を行います。これまで価格維持のため努力を続けてまいりましたが、原材料等の高騰に伴い、やむを得ず値上げとなりますことを、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。なお、8月31日までのCAMPFIREプロジェクトでは、現行価格よりさらにお得なセットも出しています。また、新作『輪廻 RINNE』以外のテロワールを一つだけ購入したい、という方は、「アール・ド・テロワール」https://www.artdeterroir.com/ をご覧ください。ワインの新たな楽しみが生まれる漆器「テロワール」の魅力を、たくさんの方に知っていただけたら嬉しいです。
ワイン専用漆器「テロワール」には、「日本から発信するワイン文化を創りたい」という想いも込められています。ワインは西洋から入ってきたものだから、西洋の価値観で、西洋と同じように楽しむべきものだーこうした考え方は根強くありますが、それだけでは日本において「ワイン文化」を維持することはできません。日本でしか生み出せない、日本ならではの「ワイン文化」があってもいいじゃないか。それを発信することで新しい価値が生まれ、育ち、未来へと繋がり、さらに普遍的なものとしてのワイン文化が世界に広がっていくんじゃないか。私たちがそんな想いを持てるようになったのも、近年の日本ワインの発展があればこそです。日本で育った葡萄から、誠実な生産者によって丁寧に作られる質の高い日本ワイン。生産者の数も増え、世界でも確実に評価されるようになってきた日本のワイン作りを、私たちも文化の面からサポートしたいと考えています。そして何より、日本ワインと「テロワール」の相性は抜群なのです…!新作「輪廻」のベースとなっている「宙」は、液体に適度な厚みを与え、ワインに骨格を感じさせてくれます。華やかで優しく、芯の通った日本の白ワインには、まさにベストパートナー。ワイン専用漆器「テロワール」は、アート作品としてだけではなく、ワインを楽しむための佳きパートナーとして、デイリーに食卓に並べていただけたら嬉しいです。