「車いすの女の子はおうちに帰っちゃったの?」絵本「もりのじかん」を読んだ小さな人からの質問でした。「今度、絵を描いた人に聞いてみるね」と応えた私。その機会が巡ってきました。千葉県佐倉市で行われた原画展での、オクヒラマユコ×オオバヒロコの対談です。参加された方々からの質問に続いて、オンライン参加のオクヒラマユコさんに上記を尋ねてみました。画面越しの彼女からの応えは、その子が車いすに途中から乗っていないから、いなくなっちゃったと思ったのかな?車いすを描いてない理由は「車いすなんか関係なくなるよ。」っていうことです。森に入るとガタガタ道だったりと車いすでは通れない所もあるかもしれない。でも、子どもたちがだんだん仲間になっていくと、その子とどうやって一緒に行くかを考えるんじゃないかな。その子もだんだん自分の足のことなんて気にしないで前に前に出始めるような雰囲気になっていくと思うんです。そういう意味で途中から車いすを消して、仲間と空を飛んだりという表現にしました。対談中でもあるのにかかわらず、その言葉に感動して泣きそうになりました。一枚の絵にこめられた作家の温かい想いが立ち上りました。オクヒラマユコの絵には、保育者として作家として子どもたちにかかわってきた経験があります。そこには、命に対するあたたかく確固としたマナザシがあります。各地で開かれるであろう原画展で、その魅力をお伝えしたい。また、原画を観た方々が感じてくださったことが、この絵たちの魅力をさらに高めることにつながっていくと思っています。後日談になりますが、オクヒラさんのことばを質問してくれた小さな人に伝えました。「病院に入院したわけじゃなかったんだね。車いすなしでおともだちと遊べてよかったね。」と喜んでいたと聞いています。絵本は出来上がってオワリではなかった。まだまだ変化していくのだなぁと感じています。オオバヒロコ







