フラスコの中に地下世界が広がり、少女とネコ科の大型動物がいた・・・というのもあった。
『パンの家シリーズA~D』の絵コンテです。カット数はたったの四つですが、物語性を大事にしています。
『オレンジの道を歩く時は黒い角に気をつけろ!』。本来のイメージは「荒野の一本道が十字路に差しかかる時、突然、大きな鳥(もしくは鳥の群れ)が現れる」といったものではなく、「裸電球に照らし出された坑道(=オレンジの道)をどんどん進むと暗い脇道(=黒い角)がいくつも現れ・・・」というイメージだったのです。
『パンの家のはじまり・・・最初は、フラスコの中で作られる』のラフスケッチです。ツバメの数や形、火を吐く奇妙な生き物、掲載した下絵とは少し違います。でもこれより全く違ったラフスケッチもあります。いろいろ悩むのです。
『ヘチ君』です。素材はモチノキです。柔らかく彫りやすい木で、仕上げにオニグルミの油を染み込ませています。『ヘチ君』のヘチは、漢字で『丿』と書きます。カタカナの『ノ』に似ていますが、よく見ると違います。戦国時代後期から安土桃山時代にかけての伝説的な茶人、丿貫(へちかん)に由来します。