今回は、国立民族博物館の広瀬浩二郎さんに会いに行ったことを話しています。ぜひお聞きください!
お待たせいたしました!みんなとつながる上毛かるたラジオ第7回です。今回は、始まった群馬県商工会議所巡りツアーについて話しています。ぜひお聞きください!
昨日の活動報告で、盲学校での「みんなとつながる上毛かるた」体験会を通じて触察の豊かさについて書きました。触ることで世界を認識し、それを共有しあう体験が、多様な人が暮らすこの社会を考える上で大事なのではないか、と考えました。今日はまた、もう少しその辺を掘り下げてみたいと思います。世界の認識の仕方として、「見ること」は圧倒的な情報量があります。また、一瞬で多くの情報を得ることができます。それに対して、他の感覚で何かを認識しようとすると、情報を得るために時間がかかったり、慎重になったり、感覚を研ぎ澄ますような集中が必要だったりします。今は情報化社会で、大量の情報を日々消化しなくてはならなくて、「見ること」を酷使している人も多いことでしょう。でも、そうして大量の情報を処理することばかりだと、心が痩せてしまうような気持ちになる時がないでしょうか。見ること以外の感覚を使うことで、世界を「感じる」体験は、心を豊かにし、世界を、より深いところで認識できるようにも思うのです。特に触れる体験は、対象との距離が一番近く、単に形の認識だけでなく、手触りや、質感や温度といった、複合的な感覚が同時に立ち上がって、世界を文字通りより身近に感じる体験です。また、材質によっては、自分の体温が伝わったり、少しへこんだり、押し返されたり、と言った相互作用がある感覚です。より複雑で豊かな感覚でもあります。美しいものを見ることで心が豊かになる、ということもありますが、触れることで喚起される様々な複雑な感覚をお互いに伝え合うことには、また違った美しさや豊かさが、そして何より、ゆっくり考えるという大事なことが含まれるように思うのです。盲学校の子どもたちと一緒にかるたを触りながら、おしゃべりをしていて、そんな思いを強く持ちました。ちょっと難しい話になってしまいました。明日は、収録したてのラジオを公開します!
昨日、群馬県立盲学校の寄宿舎で行われた、みんなとつながる上毛かるたの体験会を見学させてもらいました。昨日の活動報告で紹介させていただいた、多胡さんが主催している課外活動で、見えない生徒さん、見えにくい生徒さんと、先生たちが参加して、みんなとつながる上毛かるたを使って、ゲームをしたり、感想を言い合ったり、とても楽しい時間をみんなで過ごしました。印象的だったのは、生徒さんたちだけでなく、先生たちもとても楽しそうだったことです。触ることで何かを読み取り、それを言葉を交わしながら共有する。普段、見ることだけで理解しているつもりのことが、触ることを通じて、違う感覚での理解が立ち上がり始める・・・それは初めは、なかなかすぐに伝わらなかったり、わからなかったりするのですが、一緒に言葉を交わす人がそこにいると、お互いの感じ方を共有することで、未知の「理解の仕方」が少しずつ開けてくる。それはなかなか新鮮で、ちょっと不思議で楽しい感覚なんです。「上毛かるた」自体は、群馬の固有のものではありますが、「みんなとつながる上毛かるた」を通じて開けてくる「世界の手触り」を共有する体験は、視覚障害の人たちのことだけに限らず、多様な人が生きているこの社会にとって、とても大事な感覚だと思うんです。三輪代表は、触察はコミュニケーションなんだ、ということをよく言います。彼女が上毛かるたを立体にして視覚障害の人と健常者が一緒に遊べるものとして作ろうとした時、初めは、勝ちか負けか、すぐ情報が伝わるかそうでないか、という点を主に考えていたけれど、実は要点はそこではなくて、このかるたを通じて対話をすることこそが、大事なんだ、と気付いたそうです。群馬県外の人にとって、上毛かるたは未知のものかもしれません。でも、群馬県の人と触察を通じて対話する機会があったら、多分不思議な世界の奥行きが感じられてくるのではないでしょうか。なかなか、文章や写真だけでは伝わりにくいのですが、ぜひ、機会がありましたら、群馬県立館林美術館で実物に触っていただいて、そばにいる人と対話してみて欲しいのです。このプロジェクトの意味がわかっていただけるのではないかと思います。
わたしたちメノキが大変お世話になっている、多胡宏さんから応援メッセージをいただきました。多胡さんは、元群馬県立盲学校の校長先生をなさっていた方で、美術教育の専門の方でもあり、版画家でもあります。メノキは、地元群馬の企業や大学、美術館と連携する実行委員会を組織していて、多胡さんには実行委員長をお願いしています。視覚障害を持つ子どもたちへの美術教育に長年携わってこられて、その知見の広さ・深さは本当に素晴らしく、わたしたちは多くのことを学ばせていただいています。昨年の群馬を代表する地域芸術祭の中之条ビエンナーレで、盲学校の子どもたちの作品と、三輪代表の作品とで、触れる彫刻展をやりましたが、そこで多胡さんのインタビューを流させていただいていました。視覚障害の子どもたちが美術を学ぶ意味について、深く語られています。多胡さんからの応援メッセージです。どうぞお読みください。----------------------「上毛かるた」は焼きまんじゅうや水沢うどん、こんにゃくや下仁田ネギなどと並んで群馬県民のソウルフード(郷土料理や特産品)です。「上毛かるた」を知らずして群馬県民とはいえない、といいたいくらいです。彫刻家の三輪途道さんが見えない/見えにくい/見える人が一緒に楽しめる「上毛かるた」を作ってくださったのは群馬県民にとってとても喜ばしいことなのです。しかも三輪さんは改良版の製作と普及活動をさらに推し進めようとされています。応援するしかないじゃないですか。多胡宏(版画家・元群馬県立盲学校長)-----------------------中之条ビエンナーレでの触れる彫刻展のオフィシャル動画も公開になっています。