今回は、クラファンプロジェクトページの写真モデルを引き受けてくれた、さくらちゃんについてお話したいと思います。
さくらちゃんは、SMARD1(呼吸窮迫を伴う脊髄性筋萎縮症)という、希少難病の中でもさらに有効な薬などがない超希少難病の女の子。
人が体を動かすとき、脳から脊髄を通って体の筋肉に繋がる「運動神経」を通じて信号を送ります。
SMA(脊髄性筋萎縮症)は、その通り道である脊髄のところで、何らかの原因によって伝達がうまくいかなくなる難病です。
さくらちゃんが抱える SMARD1 は、SMA とよく似た病態ではあるものの、1 歳までに自発呼吸ができないほど急速に進行するタイプに分類され、治療が最も困難とされる難病です。
【出会い】
令和 4 年の冬、私が小児障がい児への訪問鍼灸マッサージについて発信した SNS 投稿を見てくださったママからメッセージをいただき、訪問させていただくこととなりました。
初めてさくらちゃんに会ったとき、小さくて可愛い体に気管切開カニューレから人工呼吸器のホースが繋がれた光景に、一瞬だけ、心の中でたじろいだ自分がいました。
いち鍼灸マッサージ師である私に、何かできることはあるのだろうか?
そう思いました。
そんな出会いでした。
とにかく、まずは知ることからはじめようと考えました。
超希少難病ということもあり、予後や経過などの情報がほとんどなく、逆に私の方からママ、パパにさくらちゃんのこといっぱい聞きました。
SMA のこと、RD1 のこと、人工呼吸器のこと、病気発覚までのこと、さくらちゃんのお名前の由来、ご夫婦の出会いまで(笑)、いろんなことをお話ししながら、僕がさくらちゃんにできることは何か?考え続けました。
SMA の病態として、脳から筋肉への指令を出す「運動神経」が、例えるなら脊髄のところで線したような状態。一方、皮膚などから脳へ感覚の信号を送る「感覚神経」の通路は断線してない可能性があります。それなら、自発運動を促すことは難しくても、マッサージでしっかり皮膚刺激をしてあげることで、その感覚は脳へ届き、さくらちゃんが自分の体を認識し、それに伴って脳の発達面にプラスに働くはず。また、関節の拘縮や側弯症の予防にもマッサージは有効ではないか?
私がさくらちゃんにできること、たくさんあったのです。
【私たち夫婦にとって世界一かわいい娘】
24 時間人工呼吸器管理が必要なさくらちゃんが在宅で過ごすためには、ママ、パパが 24 時間、目を離すことができません。痰吸引、排痰、緊急時の対応など、もちろん訪問看護師さんや病院などとの連携もありますが、一義的に対応しなければならないのはご両親です。
呼吸に関わる緊急時というのは、一分一秒が生死を分ける緊迫した状況になります。
お仕事はもちろん、日常生活にも相当な制約を受けます。
それでも、さくらちゃんを大切に育てておられるママとパパ。
ママとお話ししていて、雷が落ちたようにハッとした言葉があります。
「よく、大変ですねとか、一番大変だと感じるのはどんなこと?って聞かれるけど、大変って思ったことないんです。だって、誰が何と言おうと、さくらは私たち夫婦にとって、世界一かわいい娘ですから。」
SMARD1 のさくらちゃん、である前に、ご両親にとって唯一無二の大切な存在であるさくらちゃん。それを忘れてはいけない。いくら病気についての知識をたくさん持っていたって、そのことを見失ったら、本当の意味で寄り添っていることにならない。
今現在、治療薬もない、有効な治療もない、この後、何歳まで生きられるかわからない。
そんなことは、誰に言われなくても、ご両親が一番わかってる。
わかってるけど、それでも希望を持って、大切に育てていこうと覚悟を決めたご両親に、SMAってね、なんて理屈はへのつっぱりにもならない。
病をみるか、人をみるか
誰に何と言われようが世界一かわいい娘を、大切に考えてくれよって、病気をみるのは当然として、ちゃんと人として扱ってくれよって、医療従事者や我々のような専門職が、日々の「業務」に追われて見落としがちな視点を、さくらちゃんと、ご両親に、教えてもらいました。
なんで頑張れる?なんでこどものためなら何でもでるって思える?
それは「大切」で「かわいい」から。
それ以外に、理由なんて必要ない。
誰かから見たら「なんでそんなもん大事に持ってるんだ」って思うものでも、
誰かにとっては命より大切なものかもしれない。
人が大切にしているものを、他人が勝手に評価してはいけない。
人が大切にしてるものを、一緒に大切にしていく。
「寄り添う」って、そういうことなんだと思います。
【残り27日】
まだまだ、目標達成に向けて頑張ります!
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