伊藤紗織(東京)が東京・京都からそれぞれピックアップされた3人の内側を探るリレーインタビュー企画、「なかへもぐる」。
最終回となる第6回は、東京チームでサービスを担当する安永和矩(わく)。
大学で水産を学んでおり、知識も魚愛もチーム内随一。
ポップアップレストランの開催も目前に迫る中、彼は何を思うのか。
試作を堀内シェフ宅にて行った日の、夜の帳が降り始めた頃。完成した料理の撮影が始まり、手が空いたタイミングで別室に移動した。お互い楽な姿勢で床に座り、和やかな雰囲気のなか、録音ボタンは押された。
ー 元々わくさんはどういう気持ちで参加されたんでしたっけ?
わくさん: 水産の研究をする側だから、漁師さんの努力や技術の開発が進んでいることは知っていたんだけど、それが消費者に届いていないことに課題感を持っていて、それを伝えたいっていう気持ちで参加したんだよね。三ヶ月間色んな体験をしたり、学びを得たけど、何を伝えたらどう変わってもらえるかとか、自分自身が消費者にどういう行動をして欲しいかっていうのがあんまりないなと思った。いやほんとにね、消費者啓蒙を甘く見ていた(笑)
ー 水産の流れをよく俯瞰されているから、アプローチとかも浮かんでるのかなぁとか思ってたりしたんですけど、やっぱり学んでいても厳しいですか?
わくさん: いやほんとそう(笑)大学で水産を学んで、魚屋でバイトをして、ブルーキャンプだったりで消費者について学べば全体の線がパッと見えるかなって参加したんだけどね。…いやまぁ実際流れは見えるしわかるんだけど、それぞれの分野が抱えている悩みとか課題があって、全分野にとって良い解決策っていうのがなかなか見つからないんだよね。「海の資源を守っていこう」っていう考えの人もいれば、「養殖で明るい未来を作ろう」っていう立場の人もいて、それはどっちかが完全に正解とかではなくて。どのセクションにも頑張ってる人はいるんだけど、上手くそういう折り合いをつけられるポイントがないんだよなぁ。
ー そういう大きな壁というか葛藤をきちんと認識した上で、わくさんは海の未来についてポジティブだと思うんですけど、それはどうしてですか?
わくさん: 俺は元々楽観的というか、新しくてワクワクするものが好きで、マイナスだった面がプラスになっていくようなニュースに積極的に触れてるんだよね。そういうこれからの未来を明るくしていける技術とかに積極的に目をやってるから、そういう部分から、今ある課題に対しても何か切り口があるんじゃないかなと思えてる。
ーレストランに来たお客様にもその明るい部分は伝えたいですか?
わくさん: そうだね、課題を提示しつつも、その解決に向けて明るくて前向きな気持ちにできればいいなと思う!