お世話になっております。クラファンのリターンが遅くなっており、心からお詫びします。自分の見積もりの甘さを反省しつつ、粛々と現場に向き合っています。2月発送分はすべての在庫の準備が整いましたので、本日より順次メールにて発送のご案内をお送りします。8月発送分は捕獲でき次第の順次発送をいたします。お待たせしてしまい申し訳ありません。今の課題としては、捕獲のハードルが高く、搬入頭数が不足していることです。個別の課題に対して、次の対応を進めています。1, 単純な人的リソース不足の課題7月末より2名体制で活動しています。話はそれますが、猟師の中でも私はどちらかというと解体士としての指向が強く、捕獲タイプ(つまり自然の中でキョンの動きを読み、”獲る”ことに興味関心が強いタイプ)の傾向が弱く、他業務(例えば熟成~精肉作業や、地域の人との関係性構築、捕獲許可の申請/報告など)に集中しながら、捕獲にも集中することができずにいました。今は、捕獲タイプ(「とにかくキョンを獲りたい」と動いてくださるタイプ)の猟師さんが捕獲を頑張ってくださっていて8月は32頭捕獲(僕一人で半年頑張っての捕獲数と同じくらいです)ほぼその方が捕獲してくださっています。捕獲活動とその後の加工工程に、向き不向きが合致したチームとして8月から活動しております。2, 新しい敷地の取得内地の有害駆除隊が基本的に自由に山や林に罠がかけられるのに対し私達のキョン捕獲は、敷地所有者さんからの依頼書を作成し、東京都に提出することで地番ごとの捕獲許可を取得して捕獲活動を行います。具体的には、庭先限定や特定の畑敷地内でのみ捕獲ができるようなイメージです。課題がいくつかあり、最も大きな影響が、そのような敷地にはすでに東京都の防除事業としてキョンの防除柵が張り巡らされていて、その敷地のキョンを獲り尽くしたら(たいてい5頭前後)その後のキョンの流入がなく(防除柵が十分機能しているため)、一気に捕獲難易度が高まることです。また他の課題として地域猫(これは97%の面積が自然公園法に保護されていてたいていの民間敷地は市街地付近であり、大島は地域猫が多く錯誤捕獲が起こってしまっています。ネコの怪我治療費補償の事例もあり、特に開放骨折事故が起こってしまった場合1回の補償で資金ショートのおそれがあります。捕獲許可を得てその敷地にキョンがいてもネコが多くくくり罠の設置ができない場所が多いです。)また山間部の敷地はすでに防除事業者さん(東京都からの受託)が駆除活動を行っており、敷地内でのキョンを巡っての対立を避けるため敷地所有者さんが捕獲依頼への同意をためらうケースもあります。継続的に新しい敷地の取得が必要になるのですが、なかなか条件に合う敷地所有者さんに出会えずここも頑張らなければです。現在は約40敷地の捕獲許可を得ていますが実際に稼働できるのは15敷地ほどです。地道ですが、人づてでの敷地所有者さんに出会えるよう人に話しています。3, 捕獲方法の工夫・箱罠が使えた場合、ネコの怪我リスクを回避することができます。ただキョンという動物に対して箱罠の有効性が低く、成果に繋げられずにいます。箱罠という罠は、餌を使い、箱の内部にキョンを誘引する必要があるのですがキョンが非常に警戒心が高く繊細であり、かつ美食家(採食選択性が高い。特定の常緑広葉樹の新芽などが多い)であるため、キョンにとって「我慢できずに箱罠に入ってしまう」ほどの餌が見つけられずにいます。(大抵のシカに有効な餌や色々な食材で実験してみましたがキョンの興味がひけません)。箱罠についてはエサの少ない冬になれば成果が出る可能性があると考えています。・くくり罠については、かなり設置技術が向上しています。複数のベテラン猟師さんにアドバイスをいただきながら技術が身についてきています。具体的には獣道(ー通称”高速道路”や”スレ”の箇所を考慮しての設置箇所)選びや、人間の匂いがつかないための工夫などを取り入れています。罠自体にもキョン用に調整をしています。伊豆大島特有の課題(敷地の狭さによる架設箇所の選択肢の少なさ、地域ネコの存在)や、キョン特有の課題(体重が軽い/キョンが通り抜けられる道の多さ/警戒心の高さなど)を踏まえた上で工夫を凝らして捕獲活動に取り組んでいます。今後の方向性としては、私が敷地の取得,解体~精肉、メンバーの猟師さんが罠の管理と捕獲搬入を担当し、今よりも敷地数を増やしていく方向性です。支援者の皆さまをお待たせしてしまい、本当に申し訳ありません。いただいた応援に応えるため、日々積み上げます。どうか引き続き見守っていただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。河原




