
今日も遅めの執筆で結局朝の予約投稿になってしまいました。
今回は昨日の【僕が考えるコーヒー サイエンス編】に対応する形で、【僕が考えるコーヒー 五感編】をお届けいたします。
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五感で感じる「コーヒー焙煎」
それではまずは五感で感じる「コーヒー焙煎」について。
ここでは僕が実際に行っている焙煎の流れを追う形で、ご紹介いたします。
①窯の予熱作業
コーヒー豆を窯の中に入れる前に、まず窯そのものを温めなければなりません。
この作業を「予熱」と呼んでいるのですが、これがまた曲者。
特殊な温度計を使って「豆温度」の計測はもちろんするのですが、窯全体がしっかり温まっていないと予熱が完了したとは言えないのです。
そんなときはどうするかというと…
もっとしっかり触ります。熱い時は熱いです。
手で触って温まっているかを確認します!
温度計はどうしても一点の温度しか測れないので、色々な部分をペタペタ触って、しっかりと予熱が完了しているかを確認しなければなりません。
慣れてくるとどれくらいの熱を蓄えているのか、ざっくりとイメージが出来るようになってきます。
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②豆の投入
予熱がしっかり完了して窯の温度が落ち着いたら、いよいよコーヒー豆の投入です!
豆が入る部分はドラム缶を横にしたような形をしていて常に回転しているので、豆が入るとマラカスのようなカラカラ音が鳴り始めます。

このカラカラ音も焙煎の段階や豆の個性を掴むのに重要な指標となります。
焙煎を始めたばかりの頃はまだ水分を含んだ硬い状態なので重めのガラガラした音ですが、
焙煎が進むにつれて水分が抜けて豆が軽くなってくるので音は軽めのカラカラ音に変化していくのです。
また、コーヒー豆は加熱をし続けると2回ほどポップコーンのようにハゼることも特徴です。
1度目のハゼは硬い殻を破るようなパチパチとした元気な音、
2度目のハゼでは豆のシワがピンと張るような、ピチピチとした音が聞こえてきます。
こういったコーヒーの音に耳を傾けながら、そのステージに適した火や風を送り続けることも重要なスキルになります。
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③焙煎中の香り
ハンドドリップでコーヒーを淹れた時、抽出された液体からはとてもいい香りがします。
それは焙煎中もおおよそ同じなのですが、焙煎の段階によっては少し違った香りを楽しむこともできます。

◯まずは生豆(なままめ・グリーン)と呼ばれる状態のコーヒーについて
この状態のコーヒー豆からは、あまり強くはないのですが植物のような香りが感じられます。
豆によっては果実の発酵したような香りを感じることもあります。ただのフルーツの種みたいなものなので、あまりいい香りというわけではありません笑
◯続いて窯に入れてすぐ、焙煎初期段階の香りについて
この時の香りを表現するのは少し難しいのですが、ナッツを炒っている時のような、独特なほのかに甘い香りがします。
ちなみにいわゆる「コーヒーの香り」はまだ全然しません。
◯焙煎の中期
焙煎が順調に進んでくると、このあたりからとても強い香りが出てきます。
コーヒーというよりはカラメルのような、少し独特な香りではあるのですが、さっきよりは確かにコーヒーらしい香りが感じられるようになってきます。
◯焙煎終了!
窯の中からコーヒー豆を取り出します。
最適な温度で焙煎を終えられると、その豆が持つ個性的な香りを最大限に引き出すことができます。
まだ熱々ですが、確かに感じるコーヒーの香り

でも実は、少し温度が落ち着いて時間が経ってからの方が、その豆本来の個性的な香りがわかりやすくなってきます。
面白いものですね。
ちなみに焙煎中はこんな感じ↓↓で、窯に刺さっているスプーンのようなもので豆を一部取り出し、香りを嗅ぎます。

ちょうど焙煎中にお越しいただいた方にはもれなくクンクンしていただけると思うので、ぜひ!
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五感で感じるハンドドリップ
続いてはハンドドリップをする時に感じていることを少しご紹介します。
まずは自分がよく唱えている「香りを一番に楽しめているの、バリスタ説」について笑
コーヒーのもこもこは「アロマドーム」と呼んだりします
コーヒー豆は最初にお湯をかけた瞬間、蒸らしが終わって次のお湯をかけた瞬間、完成した液体など、さまざまな段階で少しずつ違った香りを楽しめる飲み物です。
また、それぞれの豆を分析する際には風味、フレグランス/アロマ、フレーバー、アフターテースト、クリーンカップといった香りやそれに付随するものを分けて考えることが多いです。
これらの香りの変化をお客様にお届けできるとすれば何よりなのですが、やはり難しいものは難しい…。
全ての香りを楽しめるのはやはりコーヒーを淹れる人の特権と言えるような気がします。
Alu.のコーヒー教室では解説を挟みながら、そんなコーヒーの香り1つ1つを楽しむことなんかにも挑戦したいと思っています!
Coffee Taster’s Flavor Wheel Created Using the Sensory Lexicon Developed by World Coffee Research
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口に含んだ時の感覚について
あとは温度の感じ方や、味の捉え方なんかも個性が出る面白ポイントです。
人間の舌は熱すぎるとなかなか味を感じられないと言われています。
(一般的には約86℃〜74℃程度が味を一番感じやすいんだとか…?)
逆に冷たいと酸味が際立って感じてしまうこともあるようです。
それを踏まえて、やはり面白いな〜と思うのは「美味しいの基準は人それぞれだ」ということです。
あっつあつが好きな人もいれば、猫舌で少しぬるめの方が好みという人もいる。
あっさり目が好きな方も、じんわりこってり味わえるものが好みという方もいる。
僕にできることといえば、まずは少しでも「良いコーヒー」を作るように頑張ること。
あとはその中から少しでもお客様の「美味しい」に寄り添えるコーヒーを選び、お届けすることくらいでしょうか。
改めて、コーヒーも飲んでくれる人がいて初めて成り立つものだなあと思います。
お客様一人一人の好みに寄り添えるような、もっというと「コーヒーって面白い!」と思っていただけるような、そんな焙煎所を目指したいです。
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さて、二日間にわたってサイエンス編、五感編をお届けしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
散々細かい部分を語りましたが、一番に言いたいのは何を重要視するかも人それぞれだ、ということです。
・再現性を求めて超科学的、客観的に分析する方もいれば
・自分の五感だけを頼りに美味しいコーヒーを作り出す方もいる
自分なんかはどちらの要素も楽しみたい!と思っている派なので、欲張りに手広く学び続けたいな〜とは思っていますが、何が正解かと言った話で無いことだけは確かです。
皆さんはどんなふうにコーヒーを楽しんでみたいですか?
Alu.開業後は「コーヒーを飲む」はもちろん、「コーヒーで遊ぶ!楽しむ!」くらいの感覚で、お越しいただけるととっても嬉しいです。




