
毎朝、夜明け前の静寂のなか、外へ出ます。
軽井沢の山裾から差し込む朝陽が、少しずつ季節の移ろいを教えてくれます。夏至の頃よりも昇る時間は遅くなったものの、夜明けの気配は不思議と変わりません。
今朝は、採蜜と継ぎ箱の作業を行いました。昨年から共にしてきた四段の巣箱から一番上の一段を取り出し、新たに一番下(底)に継ぎ箱を。今年新たに迎えた巣箱も、三段から四段へと増段しました。厳しい軽井沢の冬を乗り越えるには、蜜蜂たちにとって最低でも三段分の貯蜜が必要です。
「風の谷のナウシカ」で、王蟲の卵を食べるときに森の人が語った言葉――「盗むのではない、お願いして、少しだけ分けてもらうのだ」この言葉が、いつも心にあります。
私たちも、同じ気持ちで蜂蜜を分けていただいています。蜂たちが無事に冬を越せるよう、十分な蜜を残し、そのうえでほんの少し、私たちに与えてもらったものをお届けいたします。
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