
私たちSlow Foodは、世界中の地域に根ざした食文化や在来種、伝統的な知恵を未来に引き継ぐため、「味の箱船(Ark of Taste)」というプロジェクトを展開しています。ニホンミツバチはその中でも、日本の自然と共に生き、持続可能な養蜂文化を支えてきたかけがえのない存在として登録されています。人と自然の共生を体現するこの在来種が、今あらためて注目され、次世代に引き継がれていくことはとても心強いことです。生物多様性のシンボルともいえる存在のミツバチ。自然環境のバランスを保ち、私たちの食卓を支える多くの命とつながっています。このクラウドファンディングが、地域に根差した小さな営みを未来へつなげる一歩となるよう、心から応援しています。
テッラ・マードレ2022での出会いと気づき
渡邉さんとは、2022年にイタリア・トリノで開催された「テッラ・マードレ(Terra Madre)」にて、スローフード日本の代表団の一員としてご一緒させていただきました。私たちは当時、息子とふたりで参加するという初めての海外での経験で、不安もある中、渡邉さんは現地での案内やネットワークづくりなど、親身になってサポートしてくださいました。
あの場で受けた衝撃は、今でも忘れられません。ミツバチが“ただの昆虫”ではなく、生物多様性や農業、地域文化を象徴する存在として非常に高く評価されていること。そして、世界中の人たちが“食べること”に深い敬意を持ち、土地の味や生き物の命に感謝しながら暮らしている姿勢。
それらに触れたことで、「日本ミツバチと共にある私たちの営みもまた、未来の食文化を支える大切なピースなのだ」と強く感じました。今回のクラウドファンディングで伝えたい“共生”の価値観は、まさにこの体験から芽生えたものです。





