写真はお墓に巣を作った日本みつばち。着地に失敗してコケてます笑笑
春から初夏にかけて、日本みつばちが新しい住まいを求めて分蜂(ぶんぽう)する季節がやってきます。
彼らにとって理想的な場所は、温度が安定していて、入口が狭く、暗くて適度な空間がある場所。実は「お墓の中」は、まさにその条件が揃っているため、巣作りの候補になりやすいのです。
けれど、お墓参りの際にミツバチが出入りしているのを見れば、多くの方が「怖い」「何かあったのでは」と不安になってしまいます。結果として、業者によって殺虫剤で駆除されてしまうケースがほとんどです。
私のところにも「なんとか殺さずにできないか」という相談が届きます。ですが、お墓の構造上、墓石をクレーンで動かすなど専門的で高額な対応が必要な場合も多く、現実的には難しいこともあります。

そんな経験の中で思いついたのが――お墓に入ってしまう前に、誘導できる場所を用意すること。

「どうかここに住んでくれますように」そんな願いを込めて、お寺の敷地の目立たない場所に、移動可能な木製の巣箱を設置させていただけないかと、お願いをしてみました。
今回、快くお受けくださったのが、新潟県長岡市の安善寺の住職さんです。こちらのお寺では、なんと10年ほども建物の壁の中にミツバチが出入りしていたそうで、すでに“共にある”日常がありました。
そんな背景もあって、この取り組みにご共感いただき、境内の一角に実験的に巣箱を設置させていただけることになりました。
この取り組みが功を奏せば、・人とミツバチが安心して共存できる距離感を保つことができ・本来は殺されてしまうはずだった命が救われる可能性が生まれます
お寺という自然と心が交わる場所だからこそ、この「小さな共存」の輪が広がっていくことを願っています。






