
クラファン公開に伴い、ARES Project を支えるメンバーたちの想いをお届けします。
第12弾は、チーム唯一の材料系専攻であるCurel。
あまりに肌がすべすべなので、こんなニックネームになってしまいました。設計から加工、チームマネジメントまで、興味を持つと学習が早く、気づくと色々なことができるようになっているCurel。少しでも手が空くと「これ来週までにお願い!」と新しい仕事が舞い込んでしまうのは、皆が信頼しているから。そんな彼が今担当しているのは、ローバー設計の要の一つ、ステアリング機構。来年の世界大会に向け、改良版を開発しています。チームとして長く設計に問題を抱えてきた部分ですが、Curelが担当になってから不安の声が聞こえてきません。それはきっと、彼の実力と彼への信頼の証でしょう。

CUREL : ローバー機構
✴︎ ARES で担当していること
私は東北チームのローバー機構班に所属しています。普段は新機体ARES9のステアリング機構の設計・開発や、ローバーおよび実験モジュールで使用するアルミ・アクリルなどの材料加工を担当しています。ステアリング機構はタイヤとともに、最大50kgにもなるローバー全体を支える足にあたる非常に重要な部分です。設計が不十分だと走行時の安定性に大きく影響するため、日々の設計作業には常にプレッシャーが伴います。他の機構担当のメンバーと議論を重ねながら設計を進め、実際に組み上げたローバーが力強く走り出した瞬間には、プレッシャーの分だけ大きな達成感とやりがいを感じます。
また、私の専攻である材料科学の知識を設計に落とし込むことで、各部位に適した材料選定や荷重設計など理論的な授業だけでは得られない実践的な学びを得ています。
開発以外では、展示会で来場者にARESの活動内容を説明したり、部品提供をしてくださるスポンサー企業様の対応をしたりと、設計開発力だけでなく物事をわかりやすく伝える力や社会的なコミュニケーション力も磨くことが出来ています。


✴︎ 大切にしていること
私は開発において、「積極的に頼ること」を大切にしています。ARESには、機械設計、プログラミング、材料加工、化学分析、プレゼン、英語、写真・動画編集、デザイン、ムードメイク、遅刻…などなど、多様な得意分野を持つメンバーが集まっています。まさに「三人寄れば文殊の知恵」で、一人では思いつかないアイディアや視点が、仲間との議論を通して次々と生まれていきます。
私がこの姿勢を大切にするようになったのは、自分の設計が行き詰まったとき、メンバーに相談したことで突破口が開けた経験が何度もあったからです。ステアリング機構の設計で課題だった組立性で悩んでいた際に、メンバーに客観的な意見を貰い一気に設計が進みました。この経験から、ものづくりは「個人の力」ではなく「チームの総合力」で進化するものだと強く実感しました。困ったときは一人で抱え込まず、仲間の知恵や経験を積極的に借りるよう心がけています。そして私もまた、他の誰かが行き詰まったときに頼れる存在でありたいと思っています。

✴︎ PASSION
今熱中していることはランニング(マラソン)です。
小学生のころから父や兄の影響で地元のマラソン大会に出ることが多く、中学や高校でも部活の練習をする傍ら体力づくりのために放課後に友達とランニングをしていました。大学生となった今では、試験勉強やARESの開発で行き詰まったときに、ストレスを発散して新たなアイディアを得るための大切な習慣になっています。
昨年の夏にはハーフマラソンに初挑戦し、無事に完走することが出来ました。
マラソンは設定した距離と目標タイムから逆算した1kmあたりのペースを守り、ひたすらゴールに向かって走り続けます。しかし、実際には途中で呼吸が苦しくなったり脚が動かなくなったりと、プラン通りに走り続けるのは簡単ではありません。そのような自分の課題を克服するために、普段の練習ではペースに変化をつけたり自分が疲れ始める距離より長い距離を走ったりしています。
このように、目標を達成するためにトレーニングの計画を立てて実行し、途中で現れる課題を乗り越えていく過程が、ARESの開発で設計の検討や実験でのトラブルの原因を突き止めて最適な解決策を探す過程と重なっています。
無事に走り終えた時の圧倒的な達成感と心身がリフレッシュされる感覚は、何事にも前向きに取り組むためのエネルギーになります。大好きなランニングを今後も続けながら、URCで優勝するというゴールラインに向けてエネルギッシュに走り続けていきます。

✴︎ 今後ARESで挑戦したいこと
どんな場所でも走破できる最強のローバーをつくりたい。
まずは目の前のURC2026で、すべてのミッションを確実にこなせる強度と信頼性を持ったローバーを作り上げること。これに集中します。
そしてその先ではこのARES Projectが、URCでも月でも火星でも、どんな場所を目指して進んでいくとしても、絶対に壊れないローバーをつくり、皆の挑戦を一人のメンバーとしてその足元から支えていきたいです。






