
始まりは、一杯のIPAからでした。
コロナがじわじわと広がり出した頃、
あるお客様から仮にYさんとします
「塚本さん、面白いバーがあるんですよ。一緒に行きませんか?」と誘われました。
そこは、つくばセンタービルで営業されているバー。
マスターのMさんには時々日本酒をお買い求めいただいていたので、ずっと気になっていたお店でした。
カウンターに座ると、Yさんが注文したのはIPA。
「え、IPAって何?」
「クラフトビール。普通のビールと同じように飲んじゃダメだよ。1杯を1時間かけて、ゆっくり楽しんで。温度が上がると味も香りも変わるから」
そう言って、嬉しそうに語る姿が印象的でした。
正直、それまでは「クラフトビール=昔流行った“地ビール”」というイメージ。
でも、ひとくち飲んで驚きました。
「これは、何かが違う…」
香り、苦み、そして造り手のこだわり。
1本1本に“物語”があり、日本酒の世界とどこか重なる感覚がありました。
「これは面白い。語れる酒だ」
そう思ったのが、クラフトビールにはまるきっかけでした。
塚田屋で扱うなら、ただ“置くだけ”じゃ意味がない。
「なぜこのビールなのか」「どんな造り手か」「どう飲むと面白いか」
そんなことを伝えられる場所にしたい、
そこからは、Yさんやマスターに相談しながら、
地域の文化や造り手の想いが詰まった“物語のあるビール”探しが始まりました。
ただし、僕はまだまだ勉強中。
クラフトビールに関しては、教える側ではなく、皆さんと一緒に学ぶ側です。
だからこそ、お願いがあります。
ビアフリークの皆さん、塚田屋のクラフトビール売り場を、
一緒に作っていきましょう。



