
「地酒の“その先”を知る体験を塚田屋から」
34歳のとき、父が還暦を迎えたのをきっかけに、地元に戻ってきました。当時、父は現役で酒屋を経営をしており、僕は前職のコンビニの延長線上のような感覚で酒屋を見ていました。「商品を置いておけば、お客さんは自然に来る」そんな甘い考えを持っていたんです。でも、すぐに気づきました。どんな商売だって、お客様が“自動的に”来てくれるなんてことは絶対にない。父が当初、後継に反対していた理由も、今ならよくわかります。
時代はプレミアム焼酎全盛期。なんとか仕入れられないかと、必死で動き回っていると同時に、全国の名だたる銘酒も探し始めある試飲会に出席して地元茨城の地酒を味わいだんだんと僕の興味は、「この酒はどんな風土で、誰が、どんな想いでつくっているのか?」というところに移っていたのです。そうです、僕は“酒”じゃなくて“地酒”にのめり込んでいったんです。ラベルの裏側には、その土地の空気や、造り手の人生が詰まっている。味わいだけじゃない、“物語”を届けることこそが、酒屋の仕事なんじゃないか。そう思うようになっていったんです。だから今、僕がやろうとしている「学べる角打ち」は、ただ飲む場所じゃなく「物語のあるお酒」を伝える場所として塚田屋は目指します



