
支援者のみなさま、おはようございます。
株式会社アニマルウェルフェア/JAWCO 代表の岩田です。
今日は5月4日。みどりの日です。
祝日法では、こう書かれています。
自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
ぼくは、この一文が、ずっと好きです。
連休中の朝、少しだけ肩の力を抜いて、「自然の恩恵に感謝する」とは、どういうことだろう―― そんなお話を、させてください。
1|ぼくたちは、自然に「もらって」生きている
普段、都会で暮らしていると、ついつい忘れてしまいます。
ぼくたちが、毎日、当たり前に口にしているもの。
朝のごはん。 味噌汁の出汁。 コーヒーに入れるミルク。 お弁当のからあげ。
そのすべてが、自然から、いただいたものです。
田んぼの土、 山から流れる水、 牛が食む牧草、 豚が掘り返す森の落ち葉。
どこかで、誰かが―― そして、何かのいきものが、 自然と関わりながら、生きていてくれた。
その積み重ねの上に、 ぼくたちの食卓は、毎日成り立っています。
2|「いきもの」と「環境」は、切り離せない
ここで、ぼくが獣医師として、 ずっと考えてきたことがあります。
動物の福祉と、環境の福祉は、別々の問題ではない、ということです。
豚の話で、少し説明させてください。
放牧で育つ豚は、 土を掘り返し、雑草を食べ、落ち葉を踏みしめて暮らします。
その営みは、豚にとっての「豚らしい時間」であると同時に、山の地面を耕し、草の循環を生み、森を健やかに保つという、もうひとつの仕事をしています。
豚が幸せに暮らすことが、 そのまま、その土地の自然を健やかにする。
逆に、 密閉された施設で、土を踏まないまま一生を終える豚は、 自分の幸せからも遠ざかり、 土地との関係も、断ち切られてしまう。
動物と環境は、ひとつなのです。
3|One Welfare ── ひとつの福祉という考え方
ぼくが代表をつとめる株式会社アニマルウェルフェアと、 JAWCO(日本動物福祉認証機構)が、 土台にしている考え方があります。
それが、One Welfare(ワン・ウェルフェア)です。
人の福祉と、 動物の福祉と、 環境の福祉は、 ひとつの輪の中でつながっている。
そういう考え方です。
ひとつだけ良くしようとしても、必ずどこかで歪みが出ます。 動物だけを守ろうとしても、環境が壊れていれば守りきれない。 環境だけを守ろうとしても、そこで生きる動物の暮らしが荒れていれば、結局崩れる。 人間だけが豊かになろうとしても、そのために動物と環境を犠牲にすれば、いつか自分たちの首を絞める。
だから、ひとつの輪として、まとめて見る。
それが、One Welfareです。
4|みどりの日が教えてくれること
みどりの日の祝日法の一文を、もう一度。
自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
ぼくは、この「自然」のなかに、動物たちも、入っていいのではないかと思っています。
野山の緑だけが「自然」ではなく、 そこに生きる虫も、鳥も、獣も、 そして、ぼくたちの食卓に並ぶ、 あの豚も、牛も、鶏も、 ぜんぶ、ひとつの「自然」のなかにいます。
そのすべてに、感謝する。 そのすべてに、親しむ。
そこから、豊かな心がはぐくまれていく。
それは、One Welfareという、新しい言葉で語る前から、 日本人が、ずっと知っていた感覚なのかもしれません。
5|THE HOUBOQの豚は、森で生きる
ぼくたちのプロジェクト、THE HOUBOQ。
宮崎県椎葉村、山あいの増田農場で、 豚たちは、文字どおり、森のなかで暮らしています。
土を掘り、草を食み、 木陰で昼寝をして、雨音で目を覚ます。
それは、ただ「動物福祉に配慮した飼育方法」ではありません。
豚が森を耕し、 森が豚を育み、 そこで働く人が、その輪を見守る。
One Welfareが、そのまま現場になっている―― そういう光景なのです。
ぼくたちが届けたいのは、お肉という「商品」ではなく、 この輪の一部です。
6|支援者のみなさまへ
今日は、みどりの日。
連休のなか、もし窓の外に少しでも緑が見えたら、 あるいは公園や山にお出かけの予定があれば、その風景のなかに、いきものたちもいるということを、 ふと思い出していただけたら嬉しいです。
虫の音も、鳥の声も、 草の匂いも、土の感触も、 ぜんぶつながって、ひとつの自然です。
そして、ぼくたちの食卓も、 そのつながりの、いちばん近くにあります。
THE HOUBOQの一頭は、 そのつながりを、もう一度結び直す試みです。
ネクストゴールに向けて、 最後まで、共に走らせてください。
みなさまにとって、 やさしい連休になりますように。
株式会社アニマルウェルフェア/一般社団法人日本動物福祉認証機構(JAWCO)代表 岩田 憲明



