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これまで「鞣し(なめし)」という言葉を何度も使ってきましたが、それが何をしているのかは、ちゃんと説明していませんでした。今日はその話です。
皮は、そのままでは革になりません
動物から剥いだばかりの「皮」は、放っておくと腐ります。乾かすと、板のように硬くなります。どちらも、バッグにはなりません。
皮の中には、コラーゲンという繊維がぎっしり詰まっています。鞣しとは、このコラーゲンに「鞣し剤」を結びつけて、腐らず、硬くならず、安定した素材に変えることです。皮が革になる、という言い方をしますが、字が変わるのはこの工程を通ったあとです。
タンニンと、クロム
鞣し剤は大きく二つあります。植物のタンニンを使う方法と、クロムという鉱物を使う方法です。
タンニン鞣しは古い方法で、2週間から長いと数か月かかります。仕上がりは硬めでしっかりしていて、使ううちに色が深く変わっていきます。クロム鞣しは数日で終わり、仕上がりは柔らかく、伸びがあり、水に強い。いま世界の革の8割以上はクロム鞣しです。
どちらが良い悪いではなく、向き不向きです。鹿革のように薄くて柔らかい革の良さを活かすなら、その柔らかさを損なわない鞣し方をと考えて、僕たちの革も、鹿革を知っている鞣し職人さんが、鹿革のやり方で鞣しています。
鹿革の鞣しは、難しいです
鹿の皮は、牛の皮より薄く、繊細です。同じ工程で扱うと、傷んだり、ムラが出たりします。だから鹿革を鞣せる職人は多くありません。国内で鹿革が出回らない理由の一つは。鞣せる人が少ないこともあります。
ここに、「2時間以内」が効いてきます。鮮度のいい皮は、鞣しの工程で素直に反応してくれます。傷んだ皮をどれだけ丁寧に鞣しても、元の状態には戻りません。山での最初の2時間と、鞣し場での数週間は、つながっています。
仕上げで、スエードとギン付きに
今回のミディトート用に鞣し上がった革は、仕上げで表情が変わります。革の表面(銀面)をそのまま活かしたのが、ブラックの「ギン付き」。革の裏面を起毛させたのが、3色の「スエード」。同じ鹿革でも、どちらの面を外にするかで、まったく違う顔になります。
皆さまのお手元に届く革は、山で獲れて、2時間以内に運ばれ、鞣し職人の手を経て、仕上げられたものです。「鞣し」の一言に、それだけの時間と手が入っています。
日常的によく使うものだからこそ、
シンプルで使いやすく 存在感のあるエゾシカ革をご提案致します!
生活の中に特別な想いを
引き続きどうぞよろしくお願い致します!
LEATHERECTION
林 徹



