実は子どもの頃は、家を継いで農家をやりたくありませんでした。農業がカッコいい職業と思えなかったからです。 学校の迎えも軽トラックでなんだか恥ずかしいし、連休もなく遠くへ旅行に行った思い出もありません。 だから、将来の夢といえば教師やデザイナー、新聞記者に、ケーキ屋さん、ラジオにも出たいし、プログラマーにもなりたいとたくさんの夢を描いていました。 高校は普通科へ、卒業後はコンピューターの専門学校へ進みました。学生時代、地元のスーパーでアルバイトをするなかで青果物コーナーに並ぶたくさんの「植木産」。 自分も含め植木町の町民ですら、この豊富さに気づいていない方も多いよう。旬の時期や食べ方などオススメをお客さんと話していれば自然と買ってもらえました。伝える農業をすれば。もっと楽しくなるのでは?と思い、就農しました。 「農業の基本は美味しいものを作ること」 ただ、栽培技術だけでなく、販売や広報/デザイン/社会活動等あらゆることにアンテナをたてておく必要があります。 「学生が農業体験に来たら教師に」「贈答品を勧めるチラシを考えればデザイナーに」「新聞に活動を紹介してもらえれば新聞記者に」と・・・。 いま、農業を通して小さな頃の夢をひとつひとつ叶え続けています。
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