2019/10/01 16:51
ローカルで支援してくださっている方々のために、デジタル言語学連続セミナー第一回を開催しました。
アルキメデスが発見の喜びにふるえて、裸でお風呂屋さんから飛び出したように、知的・文化的な喜びは、はかりしれない威力をもっています。
第二次世界大戦のときにビルマ戦線に派遣されて、九死に一生を得た若者たちは、戦後イギリスの捕虜となりました。昭和21年のお正月に、みんなの記憶だけを頼りに、百人一首をすべて思い出したそうです。
相共に百人一首を憶ひ出しカルタを作る すべて叶ひぬ
森田丈夫「認識票」より
この言語的な喜びは、1カロリーもなく、1グラムの重さもありません。だけど、収容所中の若者たちが、百人一首を思い出せたことに大きな喜びを感じたであろうことは、我々でも想像できます。
なぜ文化的、言語的な喜びは、大きいのか。食べ物や何かを見る喜びよりも、大きな衝撃をもつのか。
デジタル言語学は、言葉の喜びを、我々も共有するにはどうしたらよいのかを、明らかにする学問です。
昨日の参加者は、全員それを味わってくださいました。