世界天文コミュニケーション会議2018in福岡の開催まで、あとわずか、発表者、参加者の方々の準備は順調でしょうか? 今日は三日目のプログラムについてご紹介します。 第3日(3/26)のプログラムは次の通りです。 (敬称略) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー10:00 朝のウォーミングアップ10:15~ 基調講演4 Communicating Science in New Media Environments(Dr. Dominique Brossard)10:45~ 全体講演13 The Audience-Driven Spaceship -- Giving the Audiences Control Through Interactive Planetarium Shows (Paul Decierdo Pecier)11:05~ 全体講演14 Storytelling through Social Media(Thilina Heenatigala)11:25~ コーヒーブレイク/ポスターセッション11:55~ 全体講演15 Curating Content for Gemini Observatoryʻs Dichotomy of Social Media Audiences(Alexis Ann Acohido)12:15~ 全体講演16 The Social Media Razor: Astronomy Exploited(Avivah Yamani他)12:35~ 全体講演17 Costellazione Manga: a space journey through animation, comics and astronomy(Daria Dall'Olio他)12:55~ 全体講演18 Sensing the Universe(Mario De Leo-Winkler. 他)13:15~ 昼休憩14:15~ 分科会315:45~ コーヒーブレイク/ポスターセッション16:15~ 分科会418:00 終了 19:00 バンケット ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー三日目は、基調講演ひとつと6つの全体講演のほか、二日目同様、午後は分科会となりますが、4つの会場+ドームの5か所に分かれます。分科会3では30件、分科会4で35件の発表があります。10月にリニューアルオープンしたばかりの福岡市科学館のプラネタリウムドームは、写真の通り、座席数220席直径25メートル、椅子同士の感覚も広くゆったりとした作りです。 さらに夜には、ホテルニューオータニ博多でのバンケットが予定されています。過去のCAPに参加したことのある人の話では、他の国の参加者と自由に話ができるこのバンケットがまさに、CAPに参加する醍醐味なのだとか…。ぜひ、活動報告ではみなさんの楽しそうな様子をアップさせていただきますね。 三日目のスケジュールのご紹介でした。
いよいよ、世界天文コミュニケーション会議2018in福岡の開催まで、あと一週間を切りました。全参加者数455名、うち日本からの参加者も200名を数えます。今日は、二日目のプログラムについてご紹介します。 第2日(3/25)のプログラムは次の通りです。 (敬称略) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー10:00 朝のウォーミングアップ10:15~ 基調講演2 Human factors to foster equal participation (Wanda Diaz Merced)10:45~ 全体講演9 Autism Spectrum Disorder and the planetarium(Elizabeth Avery)11:05~ 全体講演10 "In a certain place in the Universe…" and other multidisciplinary projects of the Instituto de Astrofísica de Canarias(Carmen Del Puerto)11:25~ コーヒーブレイク/ポスターセッション11:55~ 基調講演3 Dark Side of the Universe for Everybody(村山 斉)12:25~ 全体講演11 Astrophysics Engagement with low science capital communities: a case study in Blackpool, Lancashire, UK(Robert Walsh. 他)12:45~ 全体講演12 クラウドファンディングは科学のあり方を変えたか?(横山広美 他)13:05~ 昼休憩(集合写真撮影を含む)14:15~ 分科会 15:45~ コーヒーブレイク/ポスターセッション16:15~ 分科会18:00 終了 19:30 市民向け講演会(講師:村山 斉) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 二日目は、二つの基調講演と4つの全体講演のほか、午後は分科会として4つの会場に分かれ、さまざまなテーマにそって、第一部24件、第二部28件の発表があります。また、お楽しみ企画としては、昼休憩の時間に、Tea celemony(茶道体験会)が予定されていて、茶の心から宇宙を感じていただく趣向となっています。 さらに夜には、今回会場となった福岡市の皆さん向けに市民講演会も企画されています。講師はテレビ等で大人気の村山斉さん。すでに申し込み期間は終わっていますが、多数の応募があり抽選になったとか。市民のみなさんと宇宙の面白さを共有する、まさに天文コミュニケーションを実践するような二日目のご紹介でした。
いよいよ、世界天文コミュニケーション会議2018in福岡の開催まで、あと一週間となりました。 すでに、参加申し込みは締め切られて、世界53か国から455名もの人が参加する予定になっています。最終的なプログラムも決まり、公式サイトで発表されていますので、これから開催までの時間を使って、少しずつプログラムの内容をご紹介していきましょう。 初日のプログラムは次の通りです。 (敬称略) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 11:00 開会式 11:30~ 基調講演1 Astronomy in Society: Development and Practice in Japan (海部宣男) 12:00~ 全体講演1 Learned from the “Great American Eclipse” (Rick Fienberg) 12:20~ 全体講演2 一家に1台望遠鏡 君もガリレオプロジェクト・エピソード2(縣秀彦他) 12:40~ 全体講演3 Citizen Scientists Capture Totality with the Eclipse Megamovie (Vivian White他) 13:00~ 昼休憩 14:00~ 全体講演4 Under the hood of ESO outreach (Lars Lindberg Christensen) 14:20~ 全体講演5 hinking big in a small country – astronomy press, outreach and education in the Netherlands (Marieke Baan他) 14:40~ 全体講演6 Organising ESO press conferences — what have we learnt? (Oana Sandu他) 15:00~ 全体講演7 Only 30 minutes of monthly workout: Media Training (Francisco Rodríguez他) 15:20~ 全体講演8 Updates from the IAU Office for Astronomy Outreach (Sze-leung Cheung他) 14:40~ コーヒーブレイク 15:00~ IAU100周年スペシャルセッション 18:30~ ウエルカムイベント(能と星空観望会) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このようにすべて全体講演で行われる初日は、同時通訳も入り、日本人も参加しやすい内容となっています。また、IAU(国際天文連合)は2019年に設立100周年を迎えます。それを目前に控えて、IAU100周年のためのスペシャルセッションが、今回予定されているのです。そして、初日の会議終了後は、ウエルカムイベントとして、場所を大濠公園に移し、能のイベントと星空観望会が用意されています。海外からの参加者にとっては、日本の伝統文化に触れ、満開の桜のもと、星空を見上げる素晴らしい体験となるでしょう。 さて、たいへん盛りだくさんな今回の世界天文コミュニケーション会議、とても一度には紹介しきれません。次回は、二日目のプログラムについて、紹介させていただきますね。
017年10月1日、ついに福岡市科学館がオープンしました。「人が育ち、未来をデザインしていく科学館」という理念のもと、随所にワクワクする「人が育つ」しくみが工夫されています。詳しくは、福岡市科学館の公式サイトをご覧ください。 そして、「世界天文コミュニケーション会議 2018in福岡」も3月の開催に向けて急ピッチで準備が進められています。 2017年10月18日をもって発表申し込みが締め切られましたが、口頭・ポスターなど、併せて422件もの申請が国内外からあり、今回の会議に世界中から寄せられている期待度の高さがうかがえます。現在、それぞれの申請について厳正に審査を進めている段階です。また2017年10月末現在で、参加申し込みは200人を超え、多くの科学コミュニケーションを担う人々が2018年3月に福岡に結集しようとしています。 詳細な最終プログラムの公開は、予定通り、1月末となりますが、招待講演者については決定し、すでに公式ホームページにあがっていますので、こちらでもご紹介しましょう。 1日目(3/24 Sat) 「Best Practices in Public Outreach」 初日、講演トップバッターを務めるのは、海部宣男(国立天文台名誉教授)です。IAU前会長を務め、星間分子や星形成領域の電波観測を開拓した天文学者。45m電波望遠鏡やすばる望遠鏡の建設に従事し、アルマ望遠鏡計画も先導するなど、日本の天文学の地上観測の水準向上に貢献を果たしてきました。野辺山宇宙電波観測所長、ハワイ観測所長、国立天文台台長を歴任し、日本学術会議の会員として日本の基礎科学の発展にも努め、アジア地域での天文学分野の協力に関する長年の働きかけは、2015年設立のEAO(東アジア天文台)へと結実しました。150本の学術論文と多数の著書を著している他、講演や書評などを通じて一般社会に幅広く科学研究の価値を伝道し続けています。 2日目(3/25 Sun) 「Astronomy Communication for a Better World」 2日目は、村山 斉(東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構初代機構長)です。微小な素粒子の物理学と巨大な宇宙の物理学の結合を目指す理論物理学者で、ニュートリノ実験や天文学のプロジェクトもリードしています。東京大学で理論物理学の博士号を取得後、東北大学助手、次いでローレンス・バークレイ国立研究所フェローとなりました。1995年7月にカリフォルニア大学バークレイ校物理学科に移籍すると、助教授を経て、現在は教授。2002年には、理論物理学における研究を奨励する西宮湯川記念賞を受賞しました。アメリカ物理学会フェロー、アメリカ芸術科学アカデミー会員。学生のみならず、一般聴衆にも明晰で解りやすい講義には定評があります。今回も招待講師としての講演のほかに、福岡市民向けの講演も計画されています。 3日目(3/26 Mon) 「Using Multimedia, Social Media, Immersive Environments and other Technologies for Public Engagement with Astronomy」 3日目は、米国ウィスコンシン大学マディソン校の生命科学コミュニケーション学科の主席教授である、ドミニク・ブロサード。科学とメディア、政策の関係性について専門としており、路運送的な科学の問題に関する世論形成の研究で、国際的に知られています。100件以上の研究論文を発表している、全米科学アカデミーの専門委員です。今回の講演では、オンライン環境での科学的談話の構築方法を論じ、実証的研究成果に基づいて科学コミュニケーションを成功させるために考慮する必要のある側面について語ります。 4日目(3/27 Tue) 「Current Challenges in Astronomy Communication」 4日目は、「Me, Myself, and Why: Searching for the Science of Self (2014)」「 The Calculus Diaries: How Math Can Help You Lose ht, Win in Vegas, and Survive a bie Apocalypse (2010)」など、4冊のポピュラーサイエンス本の出版で国際的に知られた科学ライターのジェニファー・オーレット。月間3500万ページビューを超える人気のテクノロジー/サイエンスニュースブログであるギズモードの元編集者で、現在はフリーで活躍。2008年11月から2010年10月までは、ハリウッドの科学者とエンターテイメント業界の専門家の間の創造的な協力を促進することを目的としたサイエンス&エンターテイメント協会の創設理事を務めました。 5日目(3/28 Wed) 「Inclusion, Diversity, Equity and Empathy in Communicating Astronomy」最終日、トリを務めるのは、プエルトリコ出身の全盲の天文学者、ワンダ・ディアス・メルセドです。20代前半で視力を失ったとき、星を研究するという彼女の夢は、潰えるかにみえました。しかし、天体物理学データを解析するために音を使う方法を見つけ、 グラスゴー大学の博士号を取得しました。2000年以来、障害のある学習者に焦点を当てて、データの分析の仕方を学習者(学生)に教える知覚様式を見つけようと取り組んできました。現在では、ケープタウンの国際天文学連合・社会発展のための天文学推進室のポスドク研究員で、学校レベルで、天文学データの分析方法を障害のある学習者に教える教材を開発しています。以上、招待講演者のご紹介でした。 魅力的な招待講演のラインナップが決まり、徐々に具体的になりつつある「CAP2018 in福岡」のプログラム。基本的に英語で進行しますが、2日目、3日目の全体会では日本語同時通訳が入る方向で準備が進められています。 早期参加登録の締め切りは12月15日 多くの人の参加が大会成功のカギとなります。皆さんも参加者として一緒に大会を盛り上げていきませんか?参加登録はこちらから。きっと新しい発見と出会いが待っています。
みなさんに、過去のCAP大会の様子をお届けしてきたこのシリーズもいよいよ大詰めとなりました。 最終回の今回は、CAP2010についてお話します。 CAP2010は、2010年3月15日から19日に南アフリカのケープタウンで開催されました。 2005年にミュンヘンで初めてのCAP開催以来、3回目の開催で、アフリカで初めての開催となりました。 私(筆者)にとって、CAP2010は初めてのCAP参加でした。以前からこのCAPという会議に興味があり、ホームページや過去の集録を手に入れて、情報収集に務め、次回はぜひ参加するぞと機会を伺っていました。 ところが、開催地はなんと南アフリカのケープタウン。と、遠いぞ。なんでこんなところで(苦笑)。という感じで、さすがに遠かったです。シンガポールを経由して、ここでの8時間のトランジット、南アフリカのヨハネスブルグでも乗り換えて、合計33時間かかって、ケープタウンにようやくたどり着きました。しかし、この会議は私にとって、いろいろな意味でエポックメイキングであり、インプレッシブでもありました。がんばって参加した価値がありました。 参加してわかりましたが、ヨーロッパ南天天文台 (ESO)の関係者の多くが、中心的役割を果たしていました。世界天文年の翌年ということもあり、世界各国の世界天文年の取り組みや成果が紹介されました。アメリカ、カナダ、ブラジル、メキシコ、イギリス、スペイン、ルーマニア、アルメニア、中国、韓国、インドネシアなどなど。 具体的には、イギリスのグリニッジ天文台の公開活動、アフリカでの天文教育普及活動など、刺激に満ちた発表ばかりでした。特に香港でのライトダウンの取り組みは圧巻で、発表後、拍手喝采でした。 アメリカやヨーロッパからの参加者が多かったですが、アフリカで開催されたこともあり、アフリカの国々から約20名が参加していてました。アジアからは10名ぐらいでしょうか。日本からは私を含めて5名が参加していました。また、参加者の中には、のちに IAUの天文アウトリーチオフィスのリーダーとなるチャン・シーリュン (香港)、現在、OAD の事務局長となるケビン・ゴベンダー(南アフリカ)、今は Universal Awareness のペドロ・ルッソ(ESO)、ESO の広報チームの代表のラース・リンドバーグ・クリステンセン(ESO)など CAP のキーパーソンたちにここで初めて会い、交流を深める機会となりました。彼らとの交流は今も続いています。 他にも、ケープタウン市内のプラネタリウムの見学や(日本製のプラネタリウムの機種でした)、会議後には南アフリカ天文台へのツアーが企画されました。ソーシャル・ツアーでは、アフリカ最南端の喜望峰を訪れましたし、あのテーブル山にもロープウェイで登ることができました。 私は、このCAPという国際会議に以前から興味があったのと、自分が関わっていた 太陽観測衛星ひのでの教育普及活動の成果をもっと海外にアピールしたいと思っていました。CAP2010では、「ひのでの観測データを一般に伝える」というタイトルで、口頭発表を行いました。このとき発表順は、なんと2日目のラスト。私の前に、月・惑星関係の発表だったので、おそらくそのような並びになったのでしょう。とはいえ、海外での口頭発表はかなり久しぶりだったので、前の晩は、5回ぐらい予行演習しました。それでも、本番はめちゃくちゃ緊張しました。発表冒頭に「ひのでを知ってる人はいますか?」と聞くと、手をあげたのは30人ぐらい。知らない人が多い模様。そこで、まず、ひのでの観測画像・動画を見せました。そして、公開天文台や科学館とスタッフと協力して制作した DVDを紹介したり、ひのでデータを使った授業や教材開発についても紹介しました。私の発表は非常に好評だったようで、発表のあと、目の前に座っていた人が「Good Presentation!」と握手を求めてきました。誰だろうと名札を見ると、今回の実行委員長のイアン・ロブソンさんでした。ちょっと、いやかなり感動。もっとも、このあと、30分ほど呼吸困難状態に陥って…。どうやら、ほとんど息継ぎなしでしゃべっていたようです。 CAP2010 のサイトに行くと、ほとんどの発表者の動画がアップされており、もちろん私の発表動画もあります。今でも再生すると、当時の感動を思い出します。 これ以来、わたしは CAPの魅力に取り憑かれてしまい、その後も、北京、ワルシャワ、コロンビアのメデジンと4回参加しています。 CAPは毎回、刺激に満ちた国際会議です。 海外のさまざま教育普及の活動を知ることが できたし、自分たちの取り組みを海外に知ら せることができました。多くの海外の友人・仲間ができました。行ってみて初めてわかることもあるし、 まさに世界が広がるといった感じでした。 文中にも書きましたが、 CAP2010ではアジアからの参加者は約10名と全体の参加者からすると少ないものでした。しかし、来年福岡で行われる CAP2018では、日本だけでなく近隣のアジア各国から大勢の参加者がやってくることを期待しています。そのための旅費を支援するために、クラウドファンディングに挑戦しています。クラウドファンディングの締切まであとわずか。ぜひ、クラウドファンディングにご協力いただければ幸いです。