令和2年9月19日 (土)会場:札幌市新琴似北小学校実は「勧進キャラバン」の間、札幌にある「新琴似北小学校」の子供たちと遠隔で交流を行っていました。「おとどけアート」というアーティストを小学校に派遣するプログラムがあり、それを並行して進めていました。はじめにこの小学校に訪れたのは2020年8月。キャラバンスタートの前です。おとどけアートそこからずっと、おとどけアートスタッフの小林さんに僕の活動を、この小学校に届けてもらっていました。キャラバンで訪れた先から「今日は岐阜県です!」といった映像を送って給食時間に見てもらったり、子供たちの質問への回答を「天新聞」という独自メディアに掲載して配布したり、キャラバンを一時中止する12月までリモートでの交流を続けました。ただ、その間に一度だけ、小学校へ訪れる機会がありました。5年生が宿泊研修として学校に泊まるので、そのタイミングにあわせて「大仏カー」ごと訪問することにしたのです。「おとどけアート」についてhttps://ais-p.jp/activity/school/アート鑑賞朝早くに小学校に到着したキャラバン隊は、学校の許可を得て(むしろ勧められて)、グラウンドに突入します。ふだんあまり見ることのない光景に子供たちは放心状態でしたが、スタッフ紹介を終えて子供たちと話してみると、もう僕のことはよく知っているようです。小林さんが1ヶ月間とどけ続けてくれていた情報のお陰です(ちなみに、いつも記録を撮ってくれているバイナルマンは、食あたりで休養中)。せっかくなので、体育館に先品を並べて鑑賞してもらいます。美術品をこんなに間近で見ることはないので、指で触れられるギリギリの至近距離で作品に見入っています。本当なら校外に出かけられるはずの宿泊研修ですから、美術品が向こうからやってくるのは学校としても嬉しいことのようでした。みんなの想いを「大仏カー」にのせて作品を鑑賞したのち、子供たちに色紙を配って、「コロナ禍」での想いをそれぞれに書いてもらいます。その紙を持って改めてグラウンドの「大仏カー」へ。お経にあわせて勧進仏像に紙を貼っていきます。今日はいつもとは比べ物にならない人数なので、お経もかなり長めです。最後に、子供たちに「大仏カー」に絵を描いてもらうことにしました。青くスッキリした車体も良かったのですが、人々の想いを乗せている車にしたかったので、車自体にも何か描いて欲しかったのです。大人は躊躇する行為ですが、子供たちに遠慮はありません。むしろコロナ禍でエネルギーは有り余っています。お陰様で、唯一無二の「大仏カー」が仕上がりました。この時の様子ブログ https://inschool.exblog.jp/240597145/マンガはこちら https://inschool.exblog.jp/240669626/勧進仏像にも、大仏カーにも、子供たちの想いをのせて、日本全国を駆けまわります。2020年の貴重な思い出この後も3ヶ月間、小林さんを通じて「勧進キャラバン」の情報を子供たちに届けました。12月に改めて小学校に訪れた際は、もうまるで「アイドル状態」。サインのお願いが止みません。僕たちにとっても、子供たちにとっても、良い意味で忘れられない2020年にすることができました。こちらが「おとどけアート」最終日の模様。https://inschool.exblog.jp/240786833/最後に、子供たちが貼り付けてくれた「コロナ禍の想い」をいくつか紹介します。「マスクをつけてあまりしゃべらなくなった。友だちと会えなくてつまらなかった。」「マスクが息苦しい。特に夏はつらい。」「外に出ることがなくなった。かかるのが怖かった。」「運動会が中止になり、悲しかった。」「(テニス/バレエ/ブラスバンド)の大会がなくなって悲しかった。」「給食を班の形で(向かいあって)食べられなくなった。」「最近は大きい声をだすと注意されて嫌だなーと思った。」「休校中の宿題が多すぎる。」「すごいスピードで新学年の勉強に追いつくのが大変だった。」「(俳句)この夏に コロナさいあく でもたえる 」以上のように、ネガティブな内容もあれば、「休校中にゲームをなまらやった!」「鬼滅の刃を一気読みした!→読書の時間が増えた。」「ドラクエを全クリした。」「手洗いうがいを良くするようになった。」「風邪を引かないように健康に気を使うようになった。」ポジティブな内容も。風間天心
令和2年9月18日 (金)会場:曹洞宗 雲厳山 崇賢寺https://www.facebook.com/unganzansoukenji/「勧進キャラバン」第9回目のイベントは、北海道名寄市風連町にある崇賢寺(そうけんじ)で開催させていただきました。こちらのお寺は曹洞宗で、住職の松樹恒史さんは同宗派の大先輩であるだけでなく、僕が務めているお寺と同じ地区でもあり、長い間お世話になっています。AR大仏のやりとり前田さんが何やら屈んで写真を撮っています。これは「AR大仏」のために、こまめに行っている撮影です。たびたび触れている「AR大仏」とは、スマホでQRコードを読み込むと、(スマホの画面上では)目の前に大仏が現れるというものです。「AR大仏」は、会場によって違った大仏が現れるようになっています。手順を説明すると、1、まず前田さんが作った「ミニ大仏」をぐるっと360度撮影する。2、その写真を札幌にいるVR屋の「イエノブォーリー」さんにメールで送る。3、イエノブォーリーさんが3Dデータに変換して、それが見られるURLを送ってくれる。4、そのURLを「QRコード」に変換して、パネルに印刷。5、来場者がその「QRコード」を読み込むと、目の前に大仏が現れる。ちょっと難しく聞こえますが、キャラバン中はこんな風に遠隔のやりとりを毎日行っているわけです。大般若法要名寄市風連町にきました。北海道らしい非常に大きな境内のお寺です。住職はなんと除雪車も運転できるので、この敷地をご自身で除雪されています。曹洞宗では「祈祷(きとう)」をする機会は少ないのですが、「転読大般若(てんどくだいはんにゃ)」という独特の法要があります。西遊記で知らせる三蔵法師が翻訳した600巻もある膨大な経本を読むという儀式なのですが、実際はその全てを読み切ることはできないので、経本をバラバラめくることで略して読む「転読(てんどく)」形式をとります。今回は、住職のリズミカルな太鼓に合わせて般若心経を読む「転読大般若」を行わせていただきました。この先も曹洞宗寺院での法要では度々この形が登場します。2月3日には、崇賢寺で今年の大般若祈祷が行われます。「豊川稲荷大祭 大般若御祈祷会 コロナ終息疫病退散」https://www.facebook.com/events/132601672006566/それぞれの不安こちらの会場では7名ほどの方が参加され、それぞれにチラシを貼っていただきました。最後にお寺のご家族にお話を聞きましたが、とにかくお寺の行事は中止もしくは縮小せねばならず心配ばかりが募るので、今日のようなポジティブな趣旨のイベントはありがたいと仰っていただきました。そして住職には、周辺から聞こえてくる意見について話してもらいました。この町にはまだ感染者は出ていない。だけど、とにかく檀家のみんなが心配しているのは、「自分が町の感染者第1号」になることが怖い。それだけはなんとか避けたい。口々にそう言っている。コロナの怖さは、必ずしも「感染すること」自体じゃなくて、特にこんな田舎では「村八分」にされてしまう不安を募らせてしまうこと。実はこの現状、他の県でも多くのお寺さんから聞こえてきたことです。人口が少ない農村だからこその、都市部とは異質の問題が引き起こっていることを実感しました。今回、取材にきてくれたのは「北斗新聞社」さんでした。そして、イベント終了後に一つ、驚きの事実がわかりました。実はキャラバンスタッフのワジー(和島ひかり)。彼女の親戚のお墓がここにあるというのです。彼女自身もご家族も札幌に住んでいるので、そもそもこの町に来ること自体が初めてなのですが、早速確認しにいくと、やはりきちんとあったみたいです。「こんな機会でもなければ、お墓の存在も知らなかったし、お参りできてよかった。」と喜んでいました。また、この日は1つのアクシデントが。ずっと記録や配信を担当してくれているバイナルマンの体調が急変したのです。どうやら「腹痛」と「だるさ」がどんどん酷くなっているらしく、とりあえず住職が予約してくれていたホテルで休むことにします。結局のところ、体調不良の原因は「昼に食べた魚にあたった」食中毒でした。きっと疲れが溜まっていたことも原因の一つだったのだと思います。とりあえず、バイナルマンにはしばらく休養してもらうことにしました。風間天心
第2弾クラファンの終了まで、残り5日となりました!是非とも新たなご支援と情報拡散に、お力添えをお願いいたします。そして、先月から続けているFacebookでの毎日ライブ配信ですが、明日は「ゲスト対談」を行います。カンボジアで遺跡案内、ホテル経営などを行っている「吉川舞さん」と共に、1000年前の人々と、今の私たち、そして1000年後の人々を繋ぐ意義をお話します。現代まで継承される遺跡をつくった古代人と、テクノロジーが急速に発達した現代人、いずれも同じ肉体と感情をもった人間であることには変わりありません。そんな人間の在り方ついて、今を「1000年単位の交差点」として、1000年前と1000年後をつなぐためのお話ができたらと思っています。是非ご視聴ください。★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★大仏造立プロジェクト ゲスト対談 Vol.3「1000年交差点」日時:1月20日(水) 19:00-20:00配信先:大仏造立プロジェクトFacebookページhttps://www.facebook.com/bigbuddha.jp★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★また、これまで行った「ゲスト対談」も是非ご視聴ください。宜しくお願いいたします。大仏造立プロジェクト ゲスト対談 Vol.2「ウールズィー・ジェレミー 」https://www.facebook.com/104511488020258/videos/2517408828560247/大仏造立プロジェクト ゲスト対談 Vol.1「君島彩子(宗教学)」https://www.facebook.com/104511488020258/videos/2964934827075693
令和2年9月17日 (木)会場:浄土宗 阿弥陀寺「勧進キャラバン」第8回目のイベントは、北海道岩見沢市にある阿弥陀寺で開催させていただきました。阿弥陀寺の副住職、松岡瑞翔さんは「僧侶のためのグリーフケア講座」で知り合い、その後も様々な形でお世話になっています。松岡さんは竹を割ったような性格の方で、今回の会場提供も二つ返事で了承していただきました。 前回のクラファンでも支援していただいております。1日に2つのイベント紅櫻公園でのイベントを終えたのち、そのまま岩見沢市へ移動し、その日の夜に2つ目のイベントを開催しました。キャラバンのはじめは、1日に2つイベントをすることもあり、かなりタイトなスケジュールで動いていました。「前回のクラファンでいただいた資金を有効に利用しなきゃいけない」という責任感と、「コロナの状況が悪くならない内に多くの会場をまわっておかなきゃいけない」という焦りもありました。当然、スタッフの疲労も積み重なってきており、改めてこの日の映像を見返すと、前田さんやバイナルマンの表情には疲れが見られます。ちなみに、この日あたりから登場し始めているのが、「大仏造立マスク」です。まわった先々で「そのマスクいいね。」と好評のマスクなのですが、クラファンの規約としてマスクをリターンに設定できないのが残念です。 以前も一緒に靴や鞄などを作ったことのある神戸の会社「株式会社 ひだか・光八」さんがプロジェクトのために提供してくれました。株式会社 ひだか・光八https://www.mitsubachi38.biz/法要と対談会場に到着して打ち合わせを終えると、勧進仏像、法要道具、作品、販売物、AR用のパネル、募金箱などを手分けして運び入れます。今回は僕の方で法要をとり行わせていただきました。数名ではありましたが参加してくれた方に、勧進仏像にチラシを貼ってもらいました。法要後に、松岡さんを交えて対談を行いました。プロジェクトの概要をお話したのちに、松岡さんから「たしかに大仏は仏教のものだが、意外とお寺からは出てこない発想なので感心した。」「宗派を飛び超えて行われる活動に広がりを感じた。」「何よりも、勧進キャラバンやクラファンという形をとることで多くの人が携わることができる、それがこのプロジェクトの一番重要な部分。」など、率直なご意見を伺うことができました。この時点ではまだ大仏造立の方法も決まっていませんでしたが、このようにして様々な方から意見を頂戴しながら、「プロジェクトのあるべき方向性」「今作られるべき大仏のあり方」などを導き出していきました。三味線演奏前回の紅櫻公園では縄文太鼓を演奏してもらいましたが、この会場では「奉納演奏」という形で三味線演奏をしてもらいました。札幌を中心に東京などでもライブ活動をしている「こうの紫 (ゆかり)」さんです。ご本人に近況を聞くと、当時(2020年9月)はライブ活動も三味線教室もコロナの影響で全て中止になり、これまで取り組めていなかったオンライン配信にチャレンジしているようです。コロナ禍でライブそのものが壊滅的に無くなり、そもそもお寺で三味線を聞くことも少ないので、参加してくれた方々は、この貴重な機会を満喫されていました。結局あまり実施できていないのですが、せっかくならイベントの中で、このような演奏やパフォーマンスを鑑賞する機会を設けられたらと思っています。もしこれから訪れる先で、何かを披露してくれる方がいらっしゃいましたら是非ご連絡ください。こうの紫http://konoyukari.com/profile配信映像にはあまり映っていないのですが、いつも会場にはGermanSuplexAirlinesの作家の作品を並べています。お寺で開催する場合は、本堂の空いている場所に「絵画」や「立体作品」をおかせてもらいます。画像は海野良太の作品。今回のキャラバンは、自ら「仏像」や「法要」をお届けする目的の他に、「アート作品をお届けする」という趣旨もあります。この時はまだ3密の対象となる美術館に入りにくい風潮があったため(今は予約制などの対策をとり、開館され始めています。)、せっかく移動するなら「アートを鑑賞できる機会」も一緒にお届けしようという思いから、大仏カーには作品を積んで動いています。アート作品以外にも「水引アクセサリー」や「ポストカード」、そして「ミニ大仏」などを用意して、販売を行っています。この売り上げは活動資金にさせてもらっています。中でも特に「ミニ大仏」は人気が高く、前田さんの制作が追いつかないくらい購入していただきました。この会場では、もともと売る予定ではなかった「三つの頭のミニ大仏」を気に入った方がおり、購入されていきました。そのミニ大仏は、Tシャツのデザインにもなっています。今回のイベントでは、「プレス空知」「北海道新聞社」の記者さんが取材にきてくれました。風間天心
令和2年9月17日 (木)会場:紅櫻公園「勧進キャラバン」第7回目のイベントは、北海道札幌市にある紅櫻公園で開催させていただきました。こちらの会場ではちょうど「紅櫻公園アートアニュアル 2020」というアートイベントが開催されており、このキャラバン後半でスタッフとしても参加してくれているCAIの佐野さんにお願いして会場を用意してもらいました。BENIZAKURA ART ANNUAL 2020https://www.benizakura.jp/baa2020/札幌での活動浦幌町でのイベントを終えたキャラバン隊は一度、札幌に戻ります。16日は、僕が教えている高校の授業があり、そこで前田さんに授業を行ってもらいました。内容は、「型取り」です。ミニ大仏で使っていた道具を用いて、生徒にもコンクリートでの型取りを体験してもらいました。型取り体験の後は、生徒と交流しましたが、札幌の高校生が興味をもったことは、意外にも前田さんが話す関西弁。結局、後半は前田さんの関西弁講座になりました。その日は夕方から、もう一つの予定がありました。以前にも紹介したVR屋のイエノブォーリーさんと、ARの打ち合わせです。イエノブォーリーさんの知り合いのスタジオに、360度の写真をまとめて撮れる装置があり、これを使えばなんでも3Dデータに残すことが可能です。この技術を大仏にも使えないかと思っており、他にも3DやVRで大仏の完成イメージを共有する方法を話し合いました。この日は、勧進仏像を撮影して3D化しました。公園での法要イベント17日、札幌市南区にある紅櫻公園に到着し、法要イベントを行いました。公園の方や、イベントに来てくれた方にチラシなどを貼っていただきます。先日の駐車場も屋外でしたが、木々や草花に囲まれた中での法要も清々しいものです。この紅櫻公園は北海道開拓で入植した北陸の園主が金沢の兼六園をモデルとして数十年という長い年月をかけて造られた私設の広大な公園で、不思議な気を放つ、とにかく自然をたくさん感じられる公園です。今回も「紅櫻公園アートアニュアル 2020」というアートイベントの最中でしたが、新たな取り組みも沢山行っていますので、札幌に来た際はぜひ一度訪れてみてください。この時はまだ人が動いている時期ではありましたが、例年の来場者に比べると明らかに少ないようです。紅櫻公園アートアニュアルのスタッフであり、ギャラリーCAIのディレクターである佐野さんとも、この時に一緒にできることを話し合いました。そして、10月からキャラバンメンバーとして参加してもらうことになります。縄文太鼓との共演ここでの法要は、縄文太鼓との共演となりました。縄文太鼓(じょうもんだいこ)とは、茂呂剛伸(もろごうしん)さんが自ら作り、演奏している楽器です。縄文土器をヒントに自作した土器にエゾシカの皮を張ったオリジナル楽器で、非常に魅力的な音を発します。僕がお経を読む間に、「茂呂剛伸」さんと、同じく縄文太鼓演奏者の「石田しろ」さんが即興で演奏してくれました。自然の中ということもありますが、太鼓との共演は新しい可能性を感じました。法要の後に、お二人と対談をさせていただきました。茂呂さんたちも今年の演奏活動はこれまでずっと中止になってしまったそうで、やっと少しずつ再開してきているとお話してくれました(2020年9月現在)。4000年前に作られた土偶を例に出して、人間はそんな大昔から「腹の足しにならないもの」を作っていた。それは人間の根本的な欲求であり、この時代にも同じように人間ならではの創作欲求として「大仏造立」を一早く思い立ったことに敬意を持ったことを伝えてくれました。アイヌ文化は縄文文化を引き継いでおり、その中には「生きとし生けるもの」全てを自分たちと共に考える思想があることを教えてもらいました。この時の対談内容が、現在計画している「共生」をテーマにした大仏プランにつながっています。茂呂剛伸と縄文太鼓http://www.goshinmoro.com/findout/こちらのイベントにも北海道新聞さんが取材に来てくれました。大仏造立プロジェクトに触れながらも、僕自身の活動全体を紹介する貴重な記事を出してもらいました。(訂正:記事最初にある「先代を継いで」に関しては間違いで、お寺は兄が継いでいます。)風間天心