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「話せない、つながりがない…」 来日した難民の方々に日本語学習を提供したい!

キャンプファイヤー 寄付型のバッヂ

「日本語ができないから仕事が見つからない」「スーパーや病院で会話ができない」「住んでいる地域にとけ込めない、つながりがない」そんな困りごとがあるにも関わらず、在留ステータスによって日本語学校にさえ通うことができない難民の方々に日本語を学ぶ機会を提供するための受講資金300万円を募るプロジェクトです。

現在の支援総額

3,119,192

103%

目標金額は3,000,000円

支援者数

281

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/06/08に募集を開始し、 281人の支援により 3,119,192円の資金を集め、 2020/08/14に募集を終了しました

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現在の支援総額

3,119,192

103%達成

終了

目標金額3,000,000

支援者数281

このプロジェクトは、2020/06/08に募集を開始し、 281人の支援により 3,119,192円の資金を集め、 2020/08/14に募集を終了しました

「日本語ができないから仕事が見つからない」「スーパーや病院で会話ができない」「住んでいる地域にとけ込めない、つながりがない」そんな困りごとがあるにも関わらず、在留ステータスによって日本語学校にさえ通うことができない難民の方々に日本語を学ぶ機会を提供するための受講資金300万円を募るプロジェクトです。

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こんにちは、LIPのメンバーのT.Tです。私は本業で弁護士をしており、プロボノで難民認定支援を行うこともあります。難民の方が安心して日本で暮らせるためには、語学の習得は極めて重要であり、そのような側面からも支援を行いたいと思い、このプロジェクトに関与をしています。皆様のご厚意で、1人でも多くの難民の方が日本において自立した生活を送ることができる契機となる語学学習の機会を得られるよう、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。--------日本で働くには日本語ができないと厳しいことを切実に感じているA.H.です。例えば、本業では外資系コンサルティング会社に勤めていますが、私含め英語が堪能ではない人が意外に多く、最近になってようやく優秀なエンジニアだと認められれば日本語ができなくても採用されるようになったという状況。そういう一部の例外を除くと、外国籍の社員は日本語に堪能です。日本で日本語なしにキャリアを形成する機会はほとんどない。そのため、どれだけ多くの難民の方が来日したことで自分が築いてきたキャリアを諦めたのだろうかと思うと非常に胸が痛みます。実際、活動のなかでそういった方の話もたくさん聞いてきました。また、上記のエンジニアの一人である同僚と話したとき、「子どもの教育のために日本語の習得が不可欠だ」と日本語学習に励んでいました。彼は難民ではありませんが、難民の方々の置かれた状況と重なる部分を感じます。難民の方は縁があって日本に来たと思っています。ともに日本で生きる者同士、助け合える社会にしていければと願っています。皆様の温かいご支援を頂ければ幸いです。明日は、ケニアの難民キャンプでインターンシップをしたことのある、メンバーのS.Sにバトンをつなぎます


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みなさん、こんにちは。Living in Peaceにて広報を担当している大沼楽と申します。かねてご報告させていただいている通り、Living in Peaceは現在、日本国内に暮らす難民の方々を支援するためにクラウドファンディングを実施しております。今回は、残り僅かな日数となった本クラウドファンディングへの支援をお願いしたく、この文章を書いています。とはいえ、おそらく「難民支援」と聞いても、どこか遠い他人の話のように感じ、「自分とは関係ない」と考える方が多いのではないでしょうか? 実際に僕自身も、友人や知人に難民の方がいるわけでもなく、いわゆる「難民問題」に対して強い当事者意識を持っているわけではありません。では一方で、多くの難民の方が暮らす、この「日本社会」についてはどうでしょうか? 現在、日本に逃れてきた難民の方々は、日本社会のあらゆる部分で困難を強いられています。言葉が通じない、仕事がない、必要な保障を受けることができない、など。しかしこうした困難は、彼ら、彼女ら自身に非があり生じているわけではありません。実際のところ、日本の「社会の仕組み」がそうなっているが故に生じている困難が大半です(海外には、こうした困難を生じさせないために様々な制度を設けている国が少なくありません)。そして、そうした困難が生まれる社会を作っているのは、他ならぬ私たち日本人です。自分は、どんな社会で暮らしていきたいか。どんな社会を作っていきたいか。そう考えた時、「難民問題」は「私たちの問題」になります。僕は「弱い立場にある人が、更に追い詰められてしまう社会」よりも、「弱い立場にある人であっても、必要なサポートのもとで安心して暮らせる社会」で暮らしていきたいと感じていますし、そうした社会を作っていきたいと考えています。みなさんは、いかがでしょうか。どんな社会を作っていきたいですか?もちろん、今回のクラウドファンディングだけで社会を変えることはできません。クラウドファンディングはあくまで、理想の社会への「小さな一歩」にすぎないでしょう。しかし「社会」が人々が集まることによって成り立っているものである以上、多くの人数が集まれば、わたしたちの「小さな一歩」も、社会にとっての「大きな一歩」に変わっていく可能性を秘めています。もしみなさんに、この「大きな一歩」を作るための仲間に加わっていただければ、それ以上に嬉しいことはありません。みなさまからのあたたかなご支援を、心よりお待ち申し上げております。明日は、難民プロジェクトのメンバーで弁護士のT.Tにバトンをつなぎます!-------------------------------------------------------------------------------------メディア掲載:2020.08.07 日本語情報バンクに、難民プロジェクトのクラウドファンディングが取り上げられました!https://japanese-bank.com/crowdfunding-lip/-------------------------------------------------------------------------------------


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クラウドファンディングも残り1週間を切りました!ラスト7日間は、Living in Peace 難民プロジェクトで活動するメンバーの思いを乗せて、一緒に最後まで走り切りたいと思います!どうか最後までご支援、応援のほどよろしくお願いいたします!------「でも日本人じゃないから、ね」そんな一言に感じた違和感が心のすみっこに引っかかっていて、LIPの活動に参加しているD.Mです。本業ではネット銀行の人事部員です。前職はメーカー勤務でした。新卒入社でしたので群馬で工場実習をしたのですが、まさに日本の中の異国。日系ブラジル人の方、中国系の方など多種多彩でした。実習中にいつも笑顔で教えてくれた人。正確な機械操作で信頼されていた人。どの方も職場の大事な一員として働いていました。 その後、人事部配属になり気付いたのは、そうした人たちが正社員になる可能性は限りなく低いということ。優秀な外国出身の方が現場に大勢いるのになぜ登用されないのか、と先輩社員に聞いた時に返ってきたのが冒頭の言葉です。 登用試験には「すべて日本語の小論文試験」と「日本語しか話せない部長との面接」があったのでした。 言葉が話せないことで門戸が閉じられ、しかも学ぶ機会すすら得られない。 そんな日本在住の難民の方々の現状に、少しでも一石を投じられれば、と考えています。クラウドファンディングにお力添えいただけると幸いです。------こんにちは。Living in PeaceのA.Kです。私は語学系の大学を卒業し、現在メーカー海外営業部門に勤務しておりますが、学生時代大学で学んだことは、言葉は一つの「ツール」でしかないということでした。だから、語学の他にもちゃんと専門性も身につける必要があるということです。 ただ、その専門性や強みは沢山持っているのに、それを活かす為の「ツール」がない難民の方は多くいます。 このような方が日本語を習得することで、彼らにも社会にもプラスになると考えます。 ご支援宜しくお願い致します。明日は、広報を担当している大沼楽にバトンをつなぎます!


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日本に住んでいると、難民問題を“どこか遠い国の話”として捉えてしまうという人は、多いかもしれません。では、今の日本に、難民を苦しめる “強制収容所”があると知ったらいかがでしょう?正式には「入国者収容所入国管理センター」というこの施設は、在留資格をもらえない外国人などを、裁判所の関与のないまま法務省入国管理局の内部決定によって期限なく収容するところです。難民申請者がこの施設に強制的に入れられることも少なくなく、空港で難民申請をした人のほとんどが、そのまま収容されるというのが現状です。自殺者や自殺未遂者が後を絶たず、また十分に医療が受けられず死亡する人が多いこと、ハンガーストライキも行われていることなどの報道から、施設の過酷な状況は想像できるのではないでしょうか。命からがら逃れた何の罪もない人を収容するというのは、人権としてあってはならないことのはず……。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(以下、HRW)日本代表の土井香苗さんは、このような思いで、日本での難民に対する人権侵害に立ち向かってきた人です。9.11同時多発テロから間もない、2001年10月。タリバンと何かつながりがあるかも知れないと疑われ、難民申請中の9人のアフガン人が突然収容されたときは、アフガン難民弁護団のひとりとして解放に向け必死に働きかけました。そんな土井さんに、法律を武器に難民が暮らしやすい世界をつくるためのヒントを伺いました。土井香苗HRW日本代表。東京大学法学部卒。在学中に、当時最年少で司法試験に合格して弁護士に。2006年にHRWニューヨーク本部のフェロー、2008年9月から現職。紛争地や独裁国家の人権侵害を調査し知らせるとともに、日本を人権大国にするため活動を続ける。■声を上げない限り、よい社会はできない――世界の難民、また日本に住む難民が抱える困難を解決するため、現在、HRWはどのような活動をされていますか?HRWの活動は大きく分けると、①リサーチ(調査)、②アドボカシー(政策ロビイング活動)、③資金調達となります。難民問題に関しては、「難民が発生しない状況を作る」と「難民を受け入れてもらう」の両方面から、国連や各国政府、各地域の自治体などにアプローチしています。シリアをはじめとする中東やアフリカ地域で難民の数が増える一方で、ヨーロッパは受け入れを制限し始めている。このような現状を強く問題視しています。日本は、いまだに先進国のなかでは難民の受け入れが厳しい国です。HRWは毎年その状況を発表すると共に、難民受け入れの制度をそもそも変えるべきだと政府にうったえています。また特に今年は、中国による国家安全維持法の制定関連でも政府への働きかけを強めています。というのは、今後、香港から逃れる人も多くなるでしょう。イギリスはじめ世界各国が香港市民の受け入れ拡充を発表する一方で、日本政府の大きな動きはありません。日本に逃れたい人もいると思うので、日本も避難所となるように各所に働きかけているのです。先進国難民受け入れ比較 出典:UNHCR Global Trends 2018から作成――日本では難民を含む外国人などの権利が侵害されていて、特に制度面ではかなり遅れていると主張されています。外国人の人権の面から見ると、日本には、難民を含む外国ルーツの人を“長年日本に住む人”として受け入れる制度がほとんどありません。例えば、諸外国だと、「人種を理由に(たとえばアフリカ系だからといって)学校や職場で差別してはいけません」という法律と制度がきちんと定められているし、差別があったときに駆けこめる機関もあります。しかし、日本は、そもそも人種による差別を禁止する法がないのです。2017年公表の法務省調査では、外国人であることを理由に就職を断られた人が25%、入居を断られた人が約4割もいました。多くの先進国と同様に、一刻も早く、日本も「人種差別禁止法」を制定する必要があると考えます。実は、日本は人種や民族に対してだけでなく、女性やセクシャル・マイノリティーなど、様々なカテゴリーの人への差別をなくすための制度が遅れています。そもそも、差別を禁止する法律を推進する役所や監視する機関もないし、「人権委員会」「コミッショナー」「オンブズマン」といった違反があれば調停するといった執行のメカニズムもありません。これは、世界的にも珍しいことです。――なぜ、日本では差別に対する法整備が進まなかったのでしょうか?1990年から2000年にかけて、人権委員会を立ち上げようという世界的なムーヴメントがあり、多くの国で人種差別や性差別、障がい者差別などを禁止する制度ができました。日本にもその動きに乗る流れがあり、法務省が人権委員会を設立する法律案まで作成したのですが、国会内などの反対があって実現しませんでした。報道機関による人権侵害が対象の規制も盛り込まれていたため、メディアが反発した経緯もありました。いまだに成立に至っていないというのは色々な理由があると思いますが、日本の人たちがあまり声を上げないというのもひとつだと考えます。「声を上げない限りよい社会はできない。みんなで権利を勝ち取ろう!」というようなメンタリティが、日本の人たちにはあまりないのではないでしょうか。アフガニスタンの少数民族ハザラ人の難民たちとともに支援をうったえる土井さん―― 「専門家ではない一般人が声を上げても、どうせ法律は変えられない」という意識があるのかもしれませんね。一般人が声を上げることは、制度改正に対して意義があるとお考えですか? もちろんです! 民主主義である限り、人々が声を上げれば制度は変わります。ここ最近、特に若い方は、「社会をより良くしよう」「困っている人を助けよう」という思いが強く、ボランティア活動に参加したり環境に良いものを買ったりと、様々なアクションを起こしています。そこに希望を感じつつも、「自分の力で国の制度を変えよう」というマインドの人はまだまだ少ないように思います。民主主義を“選挙で1票”で終わらせるのではなく、もっともっと体感してほしいですね。路上でデモ活動をするとなると敷居が高いかもしれませんが、SNSで声を上げることはそんなに抵抗なくできるのではないでしょうか。学生時代に、アフリカのエリトリアにて。1年間、法務省で法律づくりを手伝いました■初期投資だと思って、日本語支援を――深刻な人手不足を解消するためにも、日本は外国ルーツの人など様々な労働力に頼らざるをえなくなると言われています。そんななか、彼らを守る法律を一刻も早くつくる必要がありますね。労働力としてだけ使っておいて、権利は保障しない。そんな搾取のようなことをするのは、人権的にもちろん許せません。加えて、そのような差別が横行すると、社会に大きな亀裂が生まれ、日本社会にとって大きなマイナスになると思います。正当な競争の結果ならば、生まれた差を人間はある程度受け入れられるものです。でも、人種や国籍など、自分の実力や努力とは関係ないところでの格差を、人は不当だと感じ、差別をする人に憤りを感じるものです。そして一方で、移民を快く思わない人も増えるという悪循環が生まれ、社会に亀裂が生まれるのです。移民排斥を訴える排他主義団体が政治的に台頭している欧州諸国の、轍を踏むべきではありません。今、日本で生活している人がこの先も安全に暮らすためにも、難民や外国ルーツの人の権利を守る制度を整えた方が良いと思います。HRWは、毎年ファンドレイジングパーティを開催しています――最後に、Living in Peaceの難民プロジェクトと、応援くださっている人たちへメッセージをお願いします。難民に語学習得支援を行うべきだと思っていますので、今回のファンドレイジングには強く賛同します! 言葉の支援は不可欠なものであり、日本語を習得することで、難民が日本の社会に貢献しやすくなる。初期投資だと思って、どんどんサポートしていただきたいですね。何倍にもなって還元される可能性が高いと思います。10年前と比べれば、生活の場でも職場でも外国ルーツの人と会う機会は増えたと思います。そうした人々とどのように接するか。ひとりひとりが日々の生活で接し方を見直すことで、共生する道は開けると思います。たとえば、言葉と共にその背景にある日本の社会というものを教えてあげる。日本の人たちも、難民が暮らしていた国のことを知ってみる。そうやって、お互いに学び合うことも大切ではないでしょうか。そして、ぜひ次世代を担う子どもたちに、国籍や人種で差別してはならないことをきちんと伝えてほしいです。ビデオ取材で思いを語って下さいました!ーお知らせー認定NPOの法人Living in Peace難民プロジェクトは、日本に住む難民の方々へ日本語学習の機会を提供するためのクラウドファンディングに挑戦中です!記事のSNSシェアや寄付など、みなさまのあたたかなご支援をお待ちしております!interview & text: Kyoko Takahashi 


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日本に暮らす難民の方々には「健康で文化的な最低限度の生活」を送る権利が保障されていない――。そう語るのは、貧困問題を解決するため、長年のあいだ現場でさまざまな支援活動をおこなってきた「認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい」理事長の大西連さんです。COVID-19の流行もあいまり、加速が懸念されている日本の貧困問題。そのさなかで見過ごされがちな、難民の方々が抱える困難について、認定NPO法人Living in Peace共同代表 龔軼群(きょう いぐん)が話を聞きました。執筆:大沼楽■「言語の壁」と「つながりの貧困」龔:現在、わたしたちLiving in Peaceは、国内に暮らす難民の方々を対象に、日本語学習提供をはじめとした就労支援事業(LIP-Learning)をおこなっています。これは、日本にいる難民の方々の少なくない数が、日本語ができないために就労もままならず、生活に困窮しているという課題があるからです。一方、大西さんはこれまで「もやい」の理事長として、生活に困窮した方々を対象に、住宅支援や食料品配布などの活動を、現場から長年おこなってこられました。そこで今回は、難民を含む外国籍の方々の貧困問題についておうかがいしたいと思います。直近では、COVID-19の流行にともなう支援金を募るクラウドファンディングが大きく話題となっていましたね。現在のご状況はいかがですか?もやいが2020年3月から4月にかけて実施したクラウドファンディング大西:引き続き、厳しい状況が続いています。もともとは週1回の開催だった相談会を、現在は週2回のペースに増やして実施している状況です。また、1回あたりの相談人数も増えています。たとえば昨年の今頃に実施した新宿都庁下での食料品の配布と生活相談会では、相談にくる方は70人程度でした。しかし、今日実施した相談会には156人が参加しています。倍以上です。龔:なるほど。人数だけみても事態の深刻さがうかがえますね。参加者層に変化はありますか?大西:特に年齢層は大きく変わりましたね。若い人が増えたように感じます。なかには10代後半の人などもいました。以前は高齢の方が多かったですが、いまは10代から40代まで多年代にわたっている。大西連さん 取材はリモートで実施されたまた、新宿で開催しているという場所柄もありますが、職種でいえば水商売業界に勤めている方も増えたように感じています。休業要請の影響で寮にいれなくなったなどの理由で、生活困窮に陥る人が増えているようです。リーマンショックの時は製造業の方がメイン層でした。しかし今回は飲食、旅行、製造業など、多業種にわたって支援が必要な方が増えているのが特徴ですね。龔:そうした中には、外国籍の方もいらっしゃるのでしょうか?大西:食料品配布参加者の中には、外国籍の方も多いとは言えませんがいますね。中国系や東南アジア系の方が多い印象です。とはいえ、参加してくださっている方々も、生活に困窮している外国籍の方全体から見れば、まだごく一部だと思います。外国籍の方のなかには日本語に不自由している人も多い。そもそも支援にたどりつくことができていない人も少なくないのではないでしょうか。たとえば私たちの場合には、エキタスさんが「やさしい日本語」や英語などで広報に協力してくださっているため、まだ人が集まっています。しかし、そこにもたどりつけず、言語の壁がそのまま「つながりの貧困」におちいっている人、適切な支援がないままに孤立・困窮している人は少なくないはずです。龔:そうした外国籍の方々のなかに、難民として国外から日本に逃れてきた方はいらっしゃいますか?大西:私たちの活動ということではなく、一般的なフードバンクなどの食料品配布の活動だと、それなりの数がいらっしゃると思います。なぜなら、難民として日本に逃れてきた方の大半は、就労がままならないだけでなく、生活保護を利用することもできない、支援が圧倒的に足りていないからです。■難民の多くが生活保護を利用できない理由龔:いまご指摘のあった、難民の多くは生活保護を利用することができないという点は、非常に大きな問題だと私も考えています。そもそも日本は難民に限らず、外国籍の方の生活保護利用に対して、非常に強硬な姿勢を取っていますよね。大西:そうですね。日本の生活保護は、外国籍の方の利用について、非常に厳しい条件を設けています。外国籍の方が生活保護を利用するためには、おもに次の4点のいずれかに該当する必要があります。・特別永住者である(在日韓国・朝鮮・台湾)・永住者、定住者、日本人もしくは永住者の配偶者等である・中国残留孤児である・入管法上の認定難民である基本的に上記を満たしている場合のみ利用ができる(といっても生活保護法による保護ではなく、行政上の措置として生活保護法を準用する、という形をとっています)。条件は非常に厳しいといえます。龔:「入管法上の認定難民である」という条件について、もう少し詳しく教えてください。難民認定を申請中の方は、生活保護を利用できないということでしょうか?大西:現状は無理ですね。あくまで入管法の「認定難民」として、認定がすでに降りていることが条件になります。龔:なるほど、それは問題ですね。現状、日本に逃れてくる難民の方の多くは、まず観光ビザで入国し、観光ビザが切れるまでの間に難民申請をするというフローを踏みます。しかし、日本は他国と比較して難民認定のハードルが非常に高く、大半の方は難民認定を受けることができていません。出所:法務省「令和元年における難民認定者数等について」を基に作成認定が降りない多くの方々は、先にも述べた通り、言語の壁などを理由に生活困窮に陥りやすい。ただでさえ厳しい環境に置かれているのに、くわえて生活保護を利用することができない。結果、彼らへの支援は民間に丸投げとなります。実際に、なんみんフォーラム等の非営利団体が運営するシェルターはいずれも満杯。結果として、溢れた難民申請者の方は路上に出るしかありません。大西:パキスタン人の路上生活者を、みかねた通行人の方が我々のところまで連れてきてくれたことがありました。他にも、アフリカから来た方がいらしたこともあります。しかし、難民申請者の方に対する住宅支援はうまくいかないことが多い。生活保護が利用できていないため家賃を払うあてがないうえ、日本語の話せない方を大家が嫌がる傾向があるからです。龔:そうした申請が降りない方向けに、(公財)アジア福祉教育財団難民事業本部(通称、RHQ)が保護費と緊急宿泊施設の提供を行うことになっていますが、実際にはこの制度は、ほぼ利用されていません。古いデータですが、2015年度の緊急宿泊施設利用の実績は0件でした。支援はないも同然です。大西:国の方針はドライすぎるように感じています。日本に暮らす難民申請者の方には「健康で文化的な最低限度の生活」を送る権利が保障されていないんです。■外国人の権利は、いつになれば認められるのか龔:おっしゃる通り現在、日本に暮らす難民申請者の方々は、権利がないに等しい状況に置かれています。諸外国の場合、海外から逃れてきた方々を保護する法的な整備がなされています。しかし日本では度々問題になる通り、出入国在留管理局(通称、入管)が難民を含む外国籍の方々を「管理」するという、多文化共生の視点が抜け落ちた制度が根強く生き残っている。この状況を変えるためには、政治・政策を変えるしかありません。龔軼群(きょう いぐん)しかし日本に逃れてきた方々には、当然のごとく選挙権が与えられていませんし、公務員になることもできない。政治を変えていくということへのハードルが、あまりにも高いですよね。大西:難民の方々を、対等な住民として認めていないですよね。なんで日本はこんなに排外的なんだろうと思います。今の日本には、海外ルーツの方がこれだけ増えているというのに! この状況は絶対に変えていかなければなりません。大西さんの活動について詳しく知りたい方には、『絶望しないための貧困学』(ポプラ新書)がオススメですそもそも矛盾していますよね。経済界は外国人労働者を迎え入れたがっているのに、一方で権利は保障しない。与える仕事も単純労働ばかり。ズルいやりかたをしているなと思います。中には、技能実習生にひどい労働をさせている会社もある。私たちは食糧支援をキッカケに、そういった目にあっている方々のお話を聞くこともあるので、とても悲しみをおぼえています。龔:まず、社会の意識が変わる必要があるのかもしれませんね。社会がこうした状況に気づき、意識が変われば、政治も変わっていくものなので。2019年4月から、特定技能による在留資格が認められるようになりました。これにより、外国籍の方と職場を共にする人が徐々に増えていくことが見込まれます。時間はかかるかもしれませんが、身近に外国人が増え、一緒に過ごす時間が増えれば、彼らのために声を上げようとする人が増えるかもしれません。私たちLiving in Peaceが、その後押しをできればと考えています。大西:ぜひお願いしたいです! おっしゃる通り時間がかかるとは思いますが、我々で少しずつ変えていきたいですね。また、これこそ時間がかかりますが、時が経てば「両親は海外育ちだけれど、自分は生まれも育ちも日本」みたいな人が増えていくはず。実際に、都心部の公立小学校などでは多様なルーツを持つ子どもが増えています。彼らの世代が、こうした社会の雰囲気を打破してくれることを期待したいですね。龔:そうですね。冒頭にも述べましたが、現在私たちLiving in Peaceは、国内にいる難民2世や1.5世などの日本語学習支援、就職支援をおこなっています。先日も1名、希望する業界に就職した子をお祝いしたばかりです。LIP-Learning 2019募集要項彼らが国内に暮らす難民の方々の希望やロールモデルになってくれれば、それによって社会の意識も変わってくれればと、強く願っています。大西:とても大事なことですね。身近に外国籍の方が増えれば、それが「差別」の存在に気づくキッカケにもなるし、理解が進むキッカケにもなる。今以上に職場に外国人がいることが当たり前になっていけば、「(外国人は)なんとなく不安で怖い」という人は減るはずです。顔が見えれば、記号としての「外国人」や「難民」ではなく、「ひとりの人間」としてかかわることができるようになる。そうして社会が変わっていくことが、彼らの「権利」にも繋がっていくのだろうと思います。Living in Peaceさんは専業従業員を持たずに、全員が本業を持ちながらプロボノとして活動している、めずらしいNPOです。それゆえに大変なことも多いとは思いますが、だからこそ、社会と難民の方々を繋ぐ役割を果たせることもあるはずだと思っています。応援しています!龔:ありがとうございます! ぜひ引き続き、いろいろとご一緒させていただけると嬉しいです。今日はありがとうございました!ーお知らせー認定NPOの法人Living in Peace難民プロジェクトは、日本に住む難民の方々へ日本語学習の機会を提供するためのクラウドファンディングに挑戦中です!記事のSNSシェアや寄付など、みなさまのあたたかなご支援をお待ちしております!