みなさんこんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 5月4日から続いた7連戦もようやくこれが最後となるレース、「Redbull白龍走」 に6月16日に参加してきました。 今回の「Redbull白龍走」は今年で5回目の開催となる 「日本一の長さを誇る石段3,333段でのステアークライムを含む、総距離3,333mの上り坂レース」です。 階段を登るだけのレースではありませんが、3333段も石段が含まれているなら階段王になる男としては無視できない大会ですね(^-^; 最初に1.3キロくらいロードがあり、階段に入ってからもなんどか平たんな場所を走る区間があるのが気がかりですが、参加するからにはコースレコードを出して優勝したいと意気込んで参加してきました。 ということで早速レポートをお届けいたします。 (今回も「YOKOMORI」のロゴをばっちりアピール) レースの始まりは家を出た時からでした。四時過ぎに家を出て4分で最寄りの駅にたどり着き羽田空港行きのバスに飛び乗りました。 朝イチの飛行機にで熊本空港に着いたのが午前9時で、10時半までに受付を済まさなくてはなりません。 すぐさまレンタカー屋に連絡を入れて車を受け取り大急ぎで(もちろん交通法を遵守して)会場に向かい、なんとか10時過ぎに駐車場到着! これなら受付も間に合うと思いましたが駐車場から会場までが遠いのでシャトルバスに並びましたが、これがまた長蛇の列(>人<;) なんとか10時50分近くに受付をギリギリ駆け込みで済ませてスタートラインに立つということには成功! しかし予想以上にギリギリだったためアップもほどほどにスタートラインへ。すると12時5分スタートなのに25分前から100人以上の方が並んでいました…。 しかも5分前にスタートする女子の部のと男子29歳以下の部の参加者250人くらい?が前に並んでいます…。 レースになったらこの人達を追い抜いて行かなくてはならないのか~(ㆀ˘・з・˘) と若干気が重くなり「こりゃコースレコードはちと難しいかも?」などと弱気な考えが…。 ともあれ、12時近くになりスタート時刻が近づいてくると道幅全体に並び直したので、前から2列目くらいには並び直すことができました。 そして12時にスタートした女子全員と男子29歳以下を見送り12時5分にいよいよ自分たちのスタートです! やはりスタートは数人が凄いスピードで飛び出します。自分は10番手位だったでしょうか。 2,3人は本当にただのスタートダッシュで30秒もすると落ちてきます。 1キロ付近、ちょうど階段の入り口が見えてきた辺りでは先頭集団が3人ほどになり、その3秒ほど後ろにつけるという狙い通りの展開に持ち込めました。 最初のロード区間のタイムは4分30秒弱。緩い上り坂であることを考慮すれば、キロ3分20秒ちょっとのタイムでは走れていました。 しかし、階段に入る前からすでに先発組の最後方の選手をちらほらみかけ、階段ではすでに渋滞が・・・。 「これを抜かしていくのは、ちょっとなぁ~」とまたもや気が重くなりました(>_<) (いよいよ階段スタート!) この階段ゾーン、いつもの天祖神社なら230段を60秒のペースならかなり余裕があるので、100段を25秒ちょっとくらいでいこうと計算していました。 最初の200段くらいは計算通り50秒少々で通過。 しかもこの時点で同じ30代以上の選手は全員抜き去りトップへ立ちます。 少し気をよくしてそのペースを維持して登り続けることにしました。 3333段とめちゃくちゃ長いので序盤から積極的に手すりを掴んで足にダメージが溜まりすぎないように進みます。 (序盤の階段の様子。踊り場はほとんどなくとにかく直登…) 前半は時折手すりを話して一段飛ばしで走ったりもして余裕がある、と思っていました。 しかし、5分先にスタートした女子や20代の男子たちが次々と落ちてくるのでそれを避けたり声掛けて真ん中を譲ってもらったりしながら進むのは予想以上にペースやフォームが乱れました。 知らず知らずのうちに疲労も溜めてしまったのかもしれません。 とはいっても500段くらいまでは思ったよりあっという間に到達してこれは23分台は行けそうだなぁなんて夢見ていました(^-^; もうじき900段というところで一旦長めの平地ゾーンへ。300m(約1分?)ほど走り再び階段ゾーンへ入ったあたりから徐々に異変を感じ始めます。 「あれ?いつもより足が重い…。」 飛ばしすぎたかな?と思い、1000段で時計を確認。 たしかここではほぼ予定通りの10分ちょっとオーバーくらいだったと思います。 なのでさほど疲れはあるもののペースを落とさずに行くことに。 しかしこの辺りでは手すり無しで一段飛ばしで走るのは困難な状態に。 手すりを使ってごり押し…。と言った感じですが、まだまだ前から落ちてくる選手が多く、思ったようには進めず集中力も切れてしまいました(@_@;) 1600段を過ぎたあたりではタイムはだいたい14分くらい。少し遅れだしましたが、平たんな部分もあったから単純に遅れてるとは限らないかなと気を取り直して黙々と登り続けます。 2000段付近では18分弱だったと思います。 明らかに遅くなっています。1000段目から2000段目までの1000段で7分もかかってしまったいるとは…。 想定通りなら5分弱で行けると思っていたのに(-_-;) 平たんな部分があったとしても6分で通過できていなければまずい!! 残り1300段・・・。少しペースを落として100段30秒ペースでも6分半。 24分台も危うい状況だと焦り始めました。 しかしペースを上げようにも疲労が溜まりに溜まって力が入りません。 脚だけでなく腕にも疲労が溜まり動きが鈍くなってきました…。 時折手すりを離して一段ずつ登り吹き矢のように息を吐きだし呼吸を整えますが、心肺機能はまだ大丈夫でも筋肉の方にダメージが溜まっているようだとわかりました。 しかし筋疲労は回復する手立てがなく、止まりたくなる気持ちを必死に抑えて進み続けるしかありません(>_<) 2600段を過ぎたあたりでしょうか、薄れている意識の中、櫓のようなところからBGMが流れてくるのが聞こえました。 時計を見ると約21分30秒。 まだ700段あるので、3分半~4分はかかるとすると大会レコードは100%無理とわかりました。 もうここまでペースが落ちると後ろから誰かに追い上げられているのではないかという恐怖も襲ってきました。 この付近でもまだ先発した選手がチラホラいて躱すのに一苦労でした。 それを理由にリタイアしちゃおうか?などという邪な考えも頭に浮かんでは消え…。 しかし、 「階段王が国内の階段レースで負けるわけにはいかないだろう?!」 との思いに突き動かされ必死によじ登ります。 3000段を過ぎましたが、すでに時計を見る余裕はなし。 ふと見上げると薄っすらゴールゲートのようなものが見えて最後の直線に差し掛かりました。 同時に手すりもなくなり最後はほぼ足の力だけで登るしかありません。 おそらくもう天祖神社一本分もないはず! そう考えるとさすがに勇気がわきラストスパートをかけました。 ラスト200段くらいは全て一段飛ばしで走り切り、ゴールマットを超えたところで全身の力が抜けました_( _´ω`)_ペショ ゴールタイムはなんとか26分きりの「25分56秒」 普通にやれば23分台は出せるかな~なんて考えてたのが恥ずかしすぎる結果でした。 悔しさと疲れで5分近くその場から動けませんでした。 またもやスタッフさんのお世話になりゴールラインを離れてよろよろしながら給水所に向かいテントでまたもや10分くらいぶっ倒れていました(-_-;) 「やはり先発した選手を追い抜くのに労力がかかりすぎたのか?いやそれを追い抜くのに知らず知らずオーバーペースだったのか?レースタイムは深圳より5分長いだけなのになぁ。それとも7連戦の疲れがたまってたのかなぁ」 などと言い訳じみたことを色々考えてみますが結局は対策不足と実力不足だったのでしょう。 その後は1時間後にスタートしたエキスパート部門の参加者のタイムを確認し、とりあえず自分の方が速かったことを確認しホッと一息ついて下山。 ちなみに関東階段組の「走れミク」こと遠藤君も一般の部で20代以下ではトップでゴール! 「カンパーイ!」また一緒に練習しよう! また、サポートしていただいてる「INNER FACT」の首藤さんにもお会いできました! リターンのソックスを取り扱っている会社です。軽くて通気性が良くて少しザラッとした履き心地が気持ちよくてクセになりますので一度お試しあれ~。 一般の部ではぶっちぎりで優勝でした。速報ですが、ほぼ正確なタイムでしょう。 表彰式、まずは年代別の表彰があり、その後一般全部含めての表彰もありました。 (©Jason Halayko/Red Bull Content Pool) このタイム入りのボードも欲しかったですが、木でできたトロフィーが素晴らしいですね! 参考までにエキスパート部門の優勝者のタイムは26分54秒だったので、今大会の最速タイムを出せたことに。 ですが、最低限の目標としていたコースレコード24分42秒には程遠い結果だったので非常に悔しいです(>_<) 来年、エキスパート部門できっちりとコースレコードを更新し優勝を勝ち取りたいと思います。 ともあれ、これで春の7連戦は無事終了・・・と思いきや、羽田空港から立川駅までのバスに乗ろうとしたとき(出発2分前)に手持ちのリュックを置き忘れてきたことに気づき取りに戻りなんとか間に合うというサプライズ(笑) 最期まで自分らしいなぁと思わされる一日でした。 さて、ここまでのレースレポートいかがだったでしょうか? 今回のクラウドファンディングではこれが最後のレースレポートになりますが、ご支援いただいた方には今後の海外レースについてはレポートを限定公開いたします。 階段垂直マラソンのことをもっと知りたいという方はぜひご検討下さい。 クラウドファンディング期間ものこり3日! 階段王になるためにはまだまだ経験が足りません。 それを埋めるためにも海外遠征のためにご支援いただけないでしょうか? 是非ともよろしくお願いいたします!m(__)m 渡辺良治
こんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 多くの方にご支援いただいた本プロジェクトですが、残り期間が6日となりました。 現在の達成率は35%となっております。 ぜひまだお考え中の方はお急ぎください。 自分の挑戦はプロジェクトの成否に関わらず今後も続いてまいりますが、少しでも多くの方に自分の挑戦を知って頂きたいです。 また、「真の階段王になる」という目標達成のためにも経済的な負担を減らすことがとても大事になります。 是非皆さんのお力添えをお願い致します。もう支援して頂いた方にもSNSや口コミで拡散して頂けるととても助かります。 さて、5月4日の台北を皮切りに7週間連続レースという自身初のハードスケジュールで遠征を熟してきましたが、それも先週末のレッドブル白龍走でようやく区切りが付きました。 今回は簡単にですが、今回の結果報告だけでもさせて頂ければと思います。 春~初夏遠征7連戦の記録 1.「台北101 run-up」 12分43秒:総合3位 2.「ミッドランドスカイラン」 12分55秒:1位 3.「レッドブル400・大倉山大会」 3分32秒:2位 4.「towerrunning協会ツアー戦・深圳大会」 19分57秒:2位 5.「VWV・ニューヨーク大会」 12分37秒:1位 6.「サナダバーティカル100」 1位 7.「レッドブル白龍走」 25分56秒:1位 通算成績 1位:4回 2位:2回 3位:1回 となりました。総じてしり上がりに順位が良くなっていき大変いい流れで今シーズンの前半戦を終えることが出来ました。 白龍走についてのご報告は近日中に必ずアップしますので少々お待ちくださいm(__)m ご支援いただいたかたに良い報告をしたいと思えたので今まで超えられなかった壁や限界を超えて来られました。 みなさん、本当にありがとうございます!! 残りのクラウドファンディングの期間も精いっぱい頑張ります! それではまた。 階段王になる男、渡辺良治
こんにちは。 階段王になる男渡辺良治です。 レース開始は夜明け前 ESTA取得未遂事件という最大の危機を乗り越え(笑)NYに乗り込み、無事にスタートラインに着けることになり一安心。 ですがスタート時間はなんと夜明けの午前5時!!ロングトレイルレース並みの早さで少々困りましたが、元々時差もあるのでもうどうにでもなれって感じで割り切りました(^_^;)それに朝早くて大変なのはみんな同じなのだから…。その大変さを共有しているからか、ホテルから会場へは徒歩でみんなで移動。これから競い合う相手と和気藹々と喋りながら移動するというVWC名物。流石に自分は緊張で口数が少なくなります。まぁ元々英語喋れないせいもありますが…。会場に無事到着するとディレクターのデビッド氏に荷物を一旦任せてアップに入ります。特に荷物置き場や待機場所もなく道端で準備をするというなんともワイルドな状況でしたƪ(˘⌣˘)ʃいつもの針シールやテーピング、アスリチューン摂取をなんとか済ませて準備は整った・・・ハズでした。 前代未聞の必携装備品?! しかしここで最大の障害がもう一つ現れました。それは何かというと…。元々このレース会場、ワールドトレードセンタービル(WTCビル)はテロの影響で超厳重なセキュリティを敷いています。その為パスポートなどの身分証明書を身につけていなくてはなりません。各選手、アームホルダーを着用して走ることに。 (左肩に付いてるのがパスポート入りのアームホルダーです) これが超曲者でした…Σ(-᷅_-᷄๑)そもそもパスポートはそこそこ重いんです。他の欧米選手は免許証のようなペラいカードで良いみたいなのですが、自分や立石選手の免許証は当然日本語であり現地の人にはよく分からないということで、パスポートをアームホルダーに入れる必要に迫られました。ご存知だと思いますが、パスポートは結構大きく(A6くらい?)重量もあります。 仮にしっかりフィットしていてもそこそこ気になる代物です。しかもアームホルダー、欧米サイズでかなり大きく自分の腕だと限界まで締めてもやや緩い感じが否めません。試しに足に付ければいいかも~(笑)なんてやってたらスタッフに「いやいや、ちゃんとココ(腕)にしてよ」とたしなめられましたが、この煩わしさはちょっと問題があるなぁと感じました。ですが、細かい事を気にしていては集中力が落ちてしまうのでこの際忘れることにしました。最終的に荷物を役員に預けて身体一つで受付を済ませて、そこからトイレを済まし、更にその先のスタート場所まで連れていかれます。役員に連れられWTCビルに入ると今度は地下二階まで降ろされまたもや名前チェックを受けてセキュリティゲートを抜けます。一体何回チェックを受けたのか?というくらい厳重な警備の末たどり着いたスタート位置ではもう既にスタート前のイベントが始まっており役員のおじさま方が盛り上がっています。時計を見ると4時58分くらい。本当に5時にスタートするのか半信半疑でしたが、とりあえず並びます。 順番はその場のノリで決まる?! しかしこのスタート順番はめっちゃアバウトで、とりあえず速そうな奴から先に行くというもの。「とりあえずリョージ先に行っとけよ」みたいなまさかのその場のノリで先頭スタートに(笑) そして、5時になると役員のおじさま方が「イェーイ!スタート~~٩(๑ᴗ๑)۶」という感じで盛り上がります。「あれ?1分後にスタートなのか?」と訝しげにしていると一人の方がこう笑いかけてきました。「ヘイ、ユー、行っちゃいなよ(笑)」「えぇ⁈これでスタートなのかよ⁈、いやって言うか邪魔だから前どいて!」って感じで彼らを押し退けるようにスタートヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3海外のノリは違うなぁと呆気にとられました。それでも直ぐに気を取り直し急いでコースや周りの状況の分析開始。階段は最初の7,8階分くらいは左回りでしたが、直ぐに当初聞いていた右回りに戻ります。→まぁ想定内段差は程良いし路面も滑ることはなく良好、誇りも少ないように感じます。抜かす場合は2列になれるくらい幅も広い→いいねイイネ階数表示は一応ある…けど折り返しが2回の時と4回の時があったり、何故か「8」の表示の後しばらく表示がないと思ったらいきなり「20」にワープしていたりと実にファンタスティック!!(笑)→少し驚くけど想定内(⌒-⌒; )階数表示が安定しないのは他のレースでもたまにはありますから。いや、本当に色々なレースに出ておいて良かった(笑)そしてスタート直後からいつものスタートダッシュをかましてくる通常運転のオマールも20階過ぎからペースが落ちて後退し、一人旅の時間へ→想定内(笑) レース中最大の障害はまさかのパスポート!? 体調も悪くない!このままの調子で行こう!と思ったのですが…。実は少し前からまさかの事態が進行していました。 あれ?なんかさっきから左腕に違和感が…。→アームホルダーが緩んでずり落ちてきている!! 全くの想定外!!Σ(゚д゚lll)すでに20階手前あたりで一度ズレ落ちたので肩付近にしっかりとはめ直したハズなのですが、30秒も持たずに再びずり落ちてきて今度は前腕部まで落ちてきて完全に宙ぶらりん状態に…。慌ててもう一度直しましたが、直した矢先からずり落ちてくる始末((((;゚Д゚)))))))宙ぶらりん状態で手すりから手が離れていると今度は完全に手から離れて足下に落ちるなどもう泣きたい状態.°(ಗдಗ。)°.ダメ元で右手に着けてみたもののやはりゴムが緩んでいて直ぐにずり落ちるし、右手から落ちたら最悪下のフロアに落ちて拾いに行くと超致命的なタイムロスになるのでやむなく左腕前腕にぶらぶらさせたまま進む事に…。いや、マジで聞いてないってこんなこと‼️自分の腕が細すぎたからか何度もずり落ちて、一度床に落ちてしまうこともあり、あまりの煩わしさにフォームと精神が乱されました。 しかしこんな時こそ冷静にいかなくてはと思いなおし、頭をフル回転。 「・・・そうだ、脹脛につければイケるのでは?」 スタート前にふざけて足につけてみたことを思い出し、イチかバチかの決断! 60階付近でタイムと体力を失うのを覚悟で急いで足に付け替えました。 不必要に足を高く上げなくてはならずかなりのエネルギーロスになりましたが、なんとかうまく装着できました。 どうやらさほど装着感も悪くないし、ずり落ちてくることはないようです。 本当に助かったぁ~~ε-(´∀`*)ホッ とりあえずそこからはパスポートの心配は無くなりましたが、完全にペースを狂わされ、70階あたりで足から腕、腰まで全て売り切れ状態。 特に腕を気にしてあれこれ動かしていたので腕の疲労が激しく手すりがうまく掴めませんでした。 本当に苦しかったです…。止まって休んじゃおうかと何度も思いました(-_-;) 苦し紛れに時折手すりを離して走ってみたり足を手で押すパワーハイクを使ってみたり…。 とにかく苦しさを紛らわす為にも色々と試行錯誤しながら登り続けました。 70階から先は登っても登っても階数が大して変わっていないような感覚に(-_-;) 90階を過ぎても「あと15階分もあるのか~。」と絶望しかけました。 しかし94階を過ぎ、4,5回ほど踊り場を回って次の階数表示を見ると・・・。 「100」という文字が!? 一瞬訳が分からなくなりましたが、流石に階数表示が減ることはないはず! 気持ちを切り替え、一気にラストスパート! するとさらにラッキーなことに次の階数表示は「102」 しかもスタッフの人がいて外に出るよう指示しています。 「えっ?もうゴールなの?」と若干拍子抜けしましたが、 「もう一本いっとく?」と言われたら嫌なので大人しく指示に従いました(笑) なんとか意識を保ってゴールできました。 ですが、すぐにこうなります(笑) ゴールシーンはFBのほうに動画でUPされています。 https://www.facebook.com/verticalworldcircuit/videos/451564912321477/?__xts__[0]=68.ARCG8l_k5yFwgnH8m-YKrRsDVMBcRIh1EvR_o1e-tQkNI1wS_uGssWrBM96lJLhZ8qdJQ8kSg5j9vSbrqkM_JSDR_ElBvdYP6123-8hp_kAH-Yaa16IRB6D5JsC984vDzy4F2K7xzmazznl2Pl3VKB1yUzhP2vDl9XfKpPxjtR6zsGZVpdsXcCDC-GvNjuA4yaJrwT1A5qm-Ny6JIv05LB4orAtxhl-9caKqrj5z3kGEpKaYiZ-UrnZcq8p3HcnhwYgo7fINIMQGPfF3uQpjBkyYiG_ZRXy6nwFW8mMY3E5YzrLfYADIryNG-Y8cZocXLDSS7xWA6-eIm_5jqXpZnXGt2iUgVhlGr5o&__tn__=-R VWC初優勝ともう一つの人生初の出来事・・・。 ゴール後はいつものようにピクピクトと悶絶し、スタッフに運ばれる始末でした(^-^; まぁここまではいつも通りなのですが、しばらくして水を飲んだり少し写真撮影をしたりして回復を待ちました。 (同じく日本から参加した立石ゆう子選手も堂々の2位!) この写真で見てもわかるように目がうつろで頭がクラクラしている状態はなかなか回復しませんでした。 おまけにとうとう吐き気がしてきて、スタッフの方に「Where is restroom?」と聞いて案内してもらうことに。 またここからトイレまでの道のりが長く感じたこと…(ノД`)・゜・。 到着したトイレで速攻嘔吐しました…。 なんだかんだ言ってリアルに吐くまで追い込んだのは今回が初めてでした。 ここまでしないと世界では勝てないんだと思い知らされました。 波瀾万丈、だからこそ超絶歓喜!! でもここまで追い込んだからこそ掴めた勝利だと思うし、それだけ苦しんだからこそ嬉しいんです!! (First Win,inVWC) 表彰式のころにはようやく体調も回復してきました。 その後、すぐにワンワールドトレードセンター展望台を後にし、地下で軽い朝食を食べました。 ここでようやく緊張の糸がほぐれたのか、デビッド氏と少し話をしたときに 「あぁ、俺勝ったんだなぁ」 と実感がわき、思わず涙と嗚咽がこぼれました。 ニューヨークという遠い地にはるばるやってきて、キッツイレースを乗り越えて掴んだ勝利。 そりゃ涙腺崩壊するくらい嬉しいのは当たり前じゃないですか(ノД`)・゜・。 人目を憚らず思いっきり泣いてやりました。 それだけのことを成し遂げたと自負できるし大人になって泣けるほど嬉しい場面を作れるなんてどれだけ幸せなことか…。 こんなに素晴らしい競争相手にも恵まれました。 今日の勝利を糧に、更なる飛躍を! そしてこのレポートを読んでくださっているみなさんの応援があってこそ掴めた勝利だと思います。 本当にありがとうございます! (phyoto by Pedersen) 「真の階段王」を目指す挑戦という過程においては世界シリーズ戦で一つ勝つということはまだ通過点に過ぎません。 ましてや今回は帝王ピーター不在。 はた目から見れば勝って当然と言われるかもしれません。 ですが、自分にとって本当に価値ある大きな一勝だったことは間違いありません。 この経験をさらに次に活かし、次のワールドシリーズ戦でも再びテッペンを獲れるように更に鍛錬に励みたいと思います!! それではまた。 渡辺良治
こんにちは。階段王になる男、渡辺良治です。 もうFBなどでの速報でご存知だと思いますが・・・。 6月2日に行われたVWC(バーティカル・ワールド・サーキット)第5戦、ニューヨーク大会において初の優勝を飾りました!日本人男性としては初であり、スカイランニング全体でみても4月の粟ヶ岳スカイレースでの上田瑠偉選手に続いて2人目という快挙を成し遂げることが出来ました! いち早くレース内容をみなさんにお届けしたいのですが、いつものようにレース前のあれやこれやからお届けします。 何故なら今回も本当にいろいろあったんです…(ノД`)・゜・。 ほ、本当に危なかったです…ε-(´∀`; ) いや、この目つきも危ないかもしれませんが、実は下手するとアメリカにたどり着くこともできない危機的状況でした。何度も諦めかけましたが、諦めずに決断して良かったです!・・・って何のこと?って感じですよね(笑)変なテンションで申し訳ありません。実は直前までアメリカ入国に必要なESTAの登録をしていなかった為にNew York入りに黄色信号が灯っていました。一旦ストップして手続きの完了を待って別の便を取り直すという選択肢もありましたが、勢いで突っ走ってギリギリセーフでした(^_^;)ことの顛末はこうです…。遡ること2週間。レッドブル400に一緒に参加したスカイランニングの「ニューヒロイン」こと立石祐子選手から「りょうじさん、ESTAとりましたか?」と聞かれていたんです。ESTAとはアメリカ本土に入国する為に必要な簡易ビザのようなもので、Webで申請できます。なるべく早めに申請しなきゃなと思いつつも結局レースのことで頭がいっぱいになりすぐにESTAのことは忘却の彼方へ…(・・)/~~~そして時は流れ、出国する5月31日の午前7時。珍しくフライト1時間半前という早めのチェックインを済ませようとすると…。「お客様、ESTAをまだ取得されてないようですが…。」「?」→「〜〜??」→「りょうじさんESTAとりまし………?」⁉️:(;゙゚'ω゚'):((((;゚Д゚)))))))‼️‼️!!!!あっ…。やってしまった…。自分の悪いクセです。「大事なことはすぐやれ‼️」今後、自分に言い聞かせようと思います。因みに、自分のフライトは直行便ではなく、北京経由の乗り継ぎ便です。 なので北京からNew Yorkへ乗り継ぐ際にESTAが申請通っていれば大丈夫とのこと。その代わり、そこで通ってなければ予約した便には乗れず最悪帰りの便も取り直さなくてはならないと説明を受けました。血の気が引き、手が震えながらも航空会社の方にもお世話になりながら急いでESTAの申請をしました。ですが、7時45分には一つの決断を迫られました。このまま申請が通ると信じて北京に向かうか。当初のフライトを取りやめて申請が通るのを待ってから別の便を取り直すか。まぁお家に帰って大人しく5日間引き篭もるという選択肢はすぐにゴミ箱に投げ捨てましたが( ̄ ̄)5分くらいの間に色々と考えましたが、とりあえず自分にはブレーキなどついていないも同然。倒れる時は前のめり!の精神で北京まで行く事に。最悪北京で申請が通るまで待てばいいや〜( ̄ ̄;)それから飛行機に乗り込んで北京に着くまでの長かったこと…。悶々とした時間を過ごし、3時間半後に北京に到着。乗継ぎの間に急いでネットを繋ぎ、申請が通ったか確認します。ちなみに申請が通るまでどれくらいかかるのか航空会社の方に聞くと、「24時間以内としか言えません」とのことでした。ハハハ…。藁にすがる思いでWebで確認すると…。 「認証は承認されました。」の文字が‼️にんしょうはしょうにん!゜・(ノД`)・゜・。(^O^ 危うく泣きそうになるほど嬉しくて小躍りしてしまいました(笑)しかし、ここで油断するとまた失敗するのでまずは残り少ない乗継時間で次の飛行機に乗り遅れないように気持ちを切り替えました。…そして搭乗口にたどり着いた時にはどっと疲れが_(:3 」∠)_まぁ精神的な疲れなのでカフェオレとサンドイッチで直ぐに回復しましたが(^^;)そんなこんなで今までで一番ヤバイ賭けに勝ったのでした。北京からNew Yorkへはおよそ13時間。先ほどのフライトと比べると映画「クリード」を観て大粒の涙を流すなどリラックスした状態で過ごせました(笑)こうしてたどり着いたニューヨーク!アメリカ初本土上陸は流石に少し興奮しましたね(^_^;)今までパリやマドリードには行ったことがありますが、到着後直ぐに集団で田舎に移動したので街の雰囲気をほとんど楽しんだことがありませんでした。 果たしてニューヨークの街並みやいかに…。 そこには予想以上の高層ビル群が待っていました。最近では超高層ビルと言えば東アジアが主流でしたが、元祖超高層ビル群はここアメリカで、レース数も群を抜いて多いのでした。そんな中一際目立つ存在が二つ。 一つは先月にレースが開催されたエンパイアステートビル。初日のホテルの目と鼻の先にありました。来年は登らせてもらうよ〜( ^_^)/~~~そしてもう一つこそは「1ワールドトレードセンター」です。 今回の闘いの舞台であり、西半球最高峰の543mを高さ!ここはあの「9.11」の跡地に新しく建てられたビルであり、存在そのものが「9.11」の慰霊碑のようなもの。そこで四年前から開催されているのがこのレース。正式な大会名は「Tunnel to wtc」で救助に入って亡くなった消防士を記念・慰霊するようなチャリティ企画となります。登る高さは384m、2226段、104階です。これはVWCではソウルに次ぐ長い距離になります。コースレコードは去年のピーターが12分5秒。このタイムから察するに水平移動はさほどないと思って間違いありません。サーフェイスは右回り、段差は平均的な高さのはずです。高さ÷ステップ数は0.173でハルカスの0.178に比べれば少し低いくらいで走りやすいと考えられます。かと言って調子に乗って前半飛ばすと痛い目にあうはず…。中途半端なことが逆に難しさを醸し出していますね(^-^;しかも、今回は前日のブリーフィングでも、コース見聞は行えず細かいイメージは一切掴めませんでした。まぁとにかくやること基本的にはいつもと変わりません!目の前の階段をひたすら登る。いかに適正なペースを刻めるか。踊り場ではスピーディに歩数を抑える。今回もそれに集中することにしました。ブリーフィングの後に会場に荷物を置き忘れ部屋に戻ってから慌てて取りに戻るという軽い追い討ちトラブルもありましたが(笑)とにかくいつも通り平常心を強く意識しました。それさえ出来ればまず負けることはないと確信していました。何しろ今回はピーターもマークもいないというVWCでは非常に稀な状況だからです。 ・初のアメリカ本土での慣れない食事や時差・午前5時スタートという異常に早い時間・VWCには珍しいウェーブスタートなどなどいつもと違うことだらけでしたが大事なことは通常の力をきちんと発揮すること。そうすれば勝てるはずだと自分に言い聞かせました。不安と期待が織り交じる中、いつもの米ではなくパンを頬張りながら20時過ぎにはベッドに入りました。午前2時には起きる予定なので熟睡はできないとは思いましたが、これまたなかなか寝付けませんでした。果たして明日はどうなるのか⁈流石に不安が大きくなる中でいよいよレース前日が終わるところで今回のレポートは終了です。レースの当日は近日公開する次回のレポートでご報告致します! それではまた。 渡辺良治
こんにちは。 階段王になる男、渡辺良治です。 前回に続き5月26日のTWAワールドツアー戦深圳大会についてのレポをお届けします。 それでは早速レースの中身に移っていこうと思います。 スタートは一人づつ30秒間隔のウェーブスタートで三人目にスタート。 トラブルが色々ありつつも落ち着いた状況でスタートできました~(^-^; しかしそれもつかの間、なんと階段が左回りだったのです。 「あれ?階段右回りじゃなかったっけ?去年とコース違うのかなぁ?」 と一瞬動揺しましたが、気の乱れがフォームの乱れ、引いてはタイムロスに直結するので、一旦思考を遮断! とにかく左回りに身体を馴染ませます。二週間前の名古屋は左回りだったのでさほどぎこちなさはなく集中力を維持できたあたりに成長を感じられました。 そして10階で最初のロングターンゾーンに入り、再び階段に突入すると右回りの階段になっていたので一安心ですε-(´∀`; ) こっからは予定通り速歩きに切り替えます。 右手をメインで使いつつ踊り場では左手を強く掴みスピーディに回るelb走法(改)を多用します。 何しろ長いこのレース。全てを走って登るなんて無理です! 勿論ずーっと速歩きだと腕が疲れたり、胸が閉まって呼吸が苦しくなるので時折手摺を離して走って全体の疲労度を均等になるように調整していきます。 それと同時に頭の中では ・腰をしっかり立てること ・体重をお尻に乗せて太腿の負荷を軽減 ・呼吸がキツくなったら吹き矢呼吸法で調整 ・腕が上がらなくなってきたら鎖骨の下を指圧してほぐす などなどを意識しながら階数を重ねていくわけです。 なかなか単純に見えてレ奥深いでしょ?( ̄∇ ̄) 10~15フロア上がるごとにロングターンゾーンが現れるということで、その度に「登る」→「走る」→「登る」に変わります。 そのタイミングで身体の疲労度を図ることが出来ます。 49階のロングターンゾーンくらいまではかなり余裕があり、その後58階に到達した時は「おっ、もう半分か」と思うくらい精神的にも若干の余裕がありました。 自分もだいぶ超ロングレースに慣れてきたもんです。 やはり経験は力になりますね(^^) 因みにこのあたりまでは完全に一人旅で、余計なことを考える暇はなく淡々と階段を登る作業を繰り返すマシーンになりきっていましたが、85階付近のロングターンゾーンでは流石に脚に力が入らなくなりました。 7割方登ってきたので当然といえば当然ですが…。 そろそろ前を行く選手、どちらかといえば御年50歳のジョージ選手を視界に捉えても良いかなぁと考える雑念も入り込んできました…( ̄ ̄;) そして遂に100階が近づいてきた辺りで前方に黒い人影が一瞬見えました! 「キタ!ダディだ!」 前を追うとなると不思議と力が湧いてきてややペースが上がり、ほどなくジョージ選手の真後ろにたどり着きます。 そうするとさすがベテランのジョージ選手、外側によけて先に行くように促してくれました。 なので遠慮なく前に出させて貰うことに。だいたい105階近辺だったと思います。 だったと思うというくらいさすがにこの辺りでは疲弊していて抜かした後に一気に突き放すということはできませんでした。 「さすがにソウ君を抜くのは無理かなぁ」と気持ちが守りに入ったのでしょうか…。 気付くと110階あたりで今度はジョージ選手が再び自分との差を詰めて来ましたΣ(・ω・ノ)ノ! 必死で逃げようとしましたが、先ほどジョージ選手を抜かそうとしたときにペースを上げたのが効いたのかもう完全に脚が終わっていて振り払えませんでした。 結局、112階くらいで再逆転を許してしまいました。 直後の114階での最後のロングターンゾーンでは全く力が入らずフラフラしながら前に進み、最後の階段も手摺りに寄り掛かる様に登るだけで、ラストスパートはほぼ掛けられず116階のゴールにいつものように倒れ込みました…(>_<) まぁそれだけ余力を残さず出し切ったと言えるのかもしれませんが、やはりラストスパートはしっかりかけたいですね。 (ぶっ倒れ兄弟、マレーシアのソウ君と一緒にしばらく悶絶・・・) まぁレース内容としては80点くらいでしょうか。 それでもタイムは19分57秒と、上出来の20分切りでした! 去年より30秒くらいは縮めたいと考えていましたが、43秒短縮と13秒も目標を超過達成です。 やはり超ロングレースにだいぶ慣れてきたのは間違いありません。 先にゴールしたソウ君も「負けたよ~。」みたいなことを言っていたので彼との差はあまりなかった=スタート時の30秒差を縮めた=自分の方が速いという事でしょう。 残るは自分のだいぶ後からスタートする中国人選手が気になりました。 要注意は2名。 去年の深圳で負けている若手のチンファ・リュウ選手 もう一人は去年の上海のTWA大会で負けているジンセン・リュウ選手。 このチャイニーズ・ダブルドラゴンには自分が唯一負けているアジア人選手であり、今年こそはアジア勢には無敗を維持したいところでした…。 ですが、結果は2位でした。 優勝は19分52秒でジンセン・リュウ選手。 彼はおそらく自分と同世代くらいで、背丈は一回り小さくあまり目立たないのですが、強いんです! 上海タワーでは2分ほど差をつけて勝っていたのですが…。 最後まで何が起こるか分かりませんね。 純朴でとても穏やかでシャイなナイスガイです(笑) 次回レースで会ったときは勝たせてもらいますよ! 女子の優勝も地元中国のムン選手で、女王スージー選手が2位となり、初めて同じポジションに(^-^; しかしこうしてみると表情がちょっと悔しそうですね…。思っていることがすぐに顔に出る質でして(笑) 男女トップ4です。あれ?ちゃっかり自分がセンターですね(´艸`*) 地元中国を始めアジア勢の活躍が目立ちました! 今後もアジア勢がこの競技の台風の目になることを予感させる大会でした。 しかし、やはり表彰台のテッペンを逃したのは悔しいです…。 ただ、落ち込んでる暇はありません!もう明日には次戦のVWCニューヨーク大会に向けて出国しなくてはなりません。 悔し涙を流すならシーズンが終わった後で充分です! 今はただ前へ、上へと進み続けるのみです!! 次回のVWCニューヨーク大会こそ、世界戦初優勝を飾りたいと思います! 吉報をお待ちください(^O^)/ それではまた。 渡辺良治