こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。前々回くらいで、イタリアの未来派について触れました。折角ですので、未来派の芸術家の音楽作品について紹介しようと思います。時代としては、ミュージック・コンクレートの前身といえると思います。ルイージ・ルッソロ。肩書が沢山あり、画家として「最後の晩餐」の修復に携わっていた事もあるそうです。未来派に傾倒してからは、騒音を使った音楽や、騒音を発生させる楽器「Intonarumori」を発明したりしています。では、お聴き下さい。色々な騒音(現代の耳で聴くとそれほどでもないけれど)を組み合わせて楽曲を構成しているように聴こえます。ミュージック・コンクレートの多様な具体音の組み合わせと比較すると、少し寂しい感じもしますが、この様な実験音楽がその後の新たな音楽の潮流を作って行ったといえるでしょう。因みに、サムネが「Intonarumori」です。戦火で消失して現存していないそうですが。このあたりの具体音楽やノイズミュージックを、独学で習得してしまった作曲家として私が勝手に考えているのが「世にも奇妙な物語」の作曲家として知られる蓜島邦明さんです。特に、1997年に発売されたPSソフト「クーロンズゲート」の異様な世界観に、音楽の世界が非常にマッチしていた事に衝撃を覚えた記憶があります。映像の中の環境音なのか、はたまたBGMに組み込まれた具体音なのか。その境界線が非常な曖昧なまま、浮遊するように移動していくダンジョン。その全てが絶妙にマッチしています。残念ながら販売が振るわなかったのか、圧倒的ボリュームかつ独特な世界観のこのゲームは、エンディングで「いかにも続編を出しますよ」という素振りを見せながら、ついぞ続編が出ることは(今の所)ありませんでした。セカンドライフ(古い…)でクーロンズゲートを模したマップが作成されたり、VRコンテンツとして世界観が再現されたり、という事はあったようです。今回は以上です。残り1週間弱、引き続きよろしくお願い致します!
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。そういえばまだとりあげていなかったな、という有名どころの楽曲を今回は扱ってみようと思います。これ、もう20年も前の作品なんですね。「あずまんが大王」というコミックがありまして、そのアニメの主題歌になった楽曲で「空耳ケーキ」という、タイトルからして名状し難い違和感のある歌が今回のテーマです。まずは聴いて頂きましょう。序盤から妙な違和感のある転調を繰り返すメロディが展開されます。そのまま4拍子で曲は進んで行くわけですが、サビに入ると急に7拍になります。転調も転拍子も絶妙で、部分々々ではなんか嫌な感じがしつつも、全体としてはとてもよくまとまった楽曲になっています。凄い技術。。。この楽曲を作ったのはOranges & Lemons というアーティストなんですが、実はこの活動報告で何度か取り上げているZABADAKに在籍していた上野洋子さんがメンバーにいたりします。上野洋子さんの曲は非常に特徴的なので、聴く人が聴くと、この曲も「すごくらしい」メロディ展開になっています。Oranges & Lemonsはその後AQUA VOCE という名前でも活動をしており、こんな5拍子の曲も作っていたりします。上野洋子さん自体は、現在東京を中心にライブハウスなどでコンサートを行っている模様です。私も数年前に東京に住んでいたときに、何度か足を運んだ事がありますが、「51拍目?で拍子が合うポリリズム」の曲だったりと、なかなかカオスな楽曲をアコーディオンで演奏されていました。本日はここまでです。引き続き「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いします。
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回も「拍子の概念が存在しない音楽」という事で、1940年代のフランスに端を発する「ミュージック・コンクレート」という音楽のジャンルについてご紹介します。とりあえず、1曲聴いてみましょう。発端はラジオ技師。音楽家ではありません。カテゴリとしては実験音楽、現代音楽のひとつ、という捉え方で良いのかと思いますが、「具体音楽」という呼ばれ方をするのが通例のようです。「具体」な音楽。何が具体なのか。具体、という事はつまり、実体が存在している、という事です。つまりミュージック・コンクレート とは、「実際に存在している物(車の走る音、缶が転がる音、衣擦れの音といった生活音など)が発する音」を録音する事で「実体から音を切り離」し、それを電子的に加工する事で音楽として仕上げた作品の潮流、という事になります。となると、ミュージック・コンクレート に対する「抽象音楽」とはなんでしょう? これは言ってしまえば、具体的な実体を持たない、楽器等を使った一般的な音楽郡の事を指している、のではないかと思います。例えば、バイオリンが音を奏でる。バイオリンは音を出すことを目的とした物体です。つまり、音を出す以外の機能を持たない「実体と音を切り離す事ができない」「抽象的な」存在であると言えます(多分)。ミュージック・コンクレート とは、そういった今までの音楽の在り方に対するアンチテーゼであった、と考えられるのかもしれませんね。ミュージック・コンクレートに分類される楽曲の中には、旋律というか、リズム感が存在するものもあります。この様な音楽の潮流は、1900年代初頭にイタリアで興った「未来派」というアート潮流における「未来派宣言」と、テクノロジー発達による録音技術や電子音楽の発達が結実した結果なのではないか、と私は憶測しております。こういった生活音を音源にするのは、今では一般的に行われる事ですが、その源流はこんなところにあったんでしょうね。「未来派宣言」については、実は私の楽曲でも歌詞で触れている物がありますので、ご紹介します(なんか3回目くらいの登場な気もしますが)。引き続き、「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いします!
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回は、かなり趣向を変えまして「図らずも拍子感を失ってしまった楽曲? というか動画」についてのご紹介です。恐らく、この動画郡が全盛期だった頃に青春時代を迎えた人たちは、今でも、この「失われた拍子感」のまま、口ずさめるのではないかと思いますよ。時は遡ること、2001年頃。まさに、ニューヨークでグランド・ゼロの痛ましい事件があった頃です。まだSNSなんてmixiすらなかったと思われるこの時代、インターネット民の居場所といえば、2chか画像掲示板くらいでした。そんなアングラ感の残るネット世界で一斉を風靡したのが「Flash動画」です。今でこそHTML5 が主流となり、ほぼ失われた動画技術みたいなイメージがついてしまっていますが、このFlashが本当に流行った時期がありました。かくいう私もFireworksだかadobe Flashだか何かを使って作品作ってました。「.swf」「.flv」という拡張子に未だに過剰反応してしまう層は、一定数存在するのです。そんな中で、特に有名だったFlash作品が、ポエ山の「メカゴルゴシリーズ」と「オラサイト(ラサイト)」ではないでしょうか。今回は、オラサイトのFlashから一部「そんな雑な切り取り方するから、拍子が失われてしまっているけれど、なんか耳に残ってそのまま歌えてしまう」Flash動画をご紹介します。ギャバソ、スピルバソ、シャリバソは、特に有名な動画であったと記憶しております。その中でも目立って歌詞の切り貼りがされていたのが、このシャリバソです。冒頭の歌詞の部分、不意をつかれた感じに思わず笑いがこみあげてきますが、慣れてしまえば、このリズムのまま歌えてしまうと思います。次に、ドラえもんの絵描き歌です。これもとても有名な作品でした。「オラサイト」は、恐らく当初は「ドラサイト」だったんですが、公式から注意を受けるたびに「オラサイト」「ラサイト」と名前が短くなっていきました。ガッチャマンです。BPMが速いので面白く聴けると思います。youtubeで動画がなかったのですが、個人的に一番よくできているな、と思ったのが、LEMAXのシビビーン・ラプソディーを改変したこの作品です。当時のFlash製作にかける各々の情熱は、今で言うところのボカロソングおよびその動画製作に近い物があるかもしれません。非常に高品質なFlash作品が数多く生まれていました。今と決定的に違うのは、youtubeやニコニコといったプラットフォームを持たずに、それぞれが自分のオリジナルサイトを作って、そこで公開されているものが2ch上で話題になる、という構図だったところでしょうか。オマケ。当時、同様に流行ったものに「国会における問答をそのまま歌にした物」「代々木ゼミナールのスーパー講師の講義をそのまま歌にした物」なんてのがありました。因みに、私はこの数学講師の授業を受けておりました。今もまだ現役でらっしゃるのでしょうか? 本当に、教卓に足を乗せたりしてました。当時の代ゼミには、他にも最終回の授業でアンパンマンを歌いながら教卓にのぼり、天井のタイガーボードを殴って破壊するような英語講師もいました…。カオスでしたね。お蔭様で、10日を残して目標額を達成する事ができました!最後まで気を抜かずに行きますので、引き続きよろしくお願いします!!