こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今日はもうこんな時間で、面白い特集を考えている時間がありませんでしたので、困った時のZABADAKという事で、私が変拍子をやるにあたり最も影響を受けたアーティストの曲から「あれ? CD収録時とコンサート演奏時で拍子が違って聴こえるぞ?」という曲のご紹介です。今回ご紹介するのは、「遠い音楽」という、ケルト系民族音楽好きには堪らない楽曲をとりそろえているアルバムに収録された「around the secret」という曲です。恐らくZABADAKの曲の中ではマイナーな部類に入るのではないかと思いますが、初めて聴いた時は非常に衝撃を受けたのを覚えております。とりあえずCD収録版を聴いてください。非常にケルティックでアイリッシュな感じの楽曲ですよね。特にイントロが印象的だと思うんですが、何拍子か取る事ができましたか?では、次にコンサート版。20秒あたりから曲が始まります。確かに「チロリアンにバレエ」なイメージの強い曲ですが、バレエ団をそのまま起用して踊らせたというのが面白いですね。さてさて。違いが解りましたでしょうか。まず、CD収録版ですが、イントロから歌までがこんな感じに聴こえたのではないでしょうか。3/8→3/8→ 3/8→ 3/8→3/8→ 2/8→ 3/8→3/8→ 3/8→ 5/4→4/4(以下歌)で、コンサート版はこんな感じ。6/4→ 5/4→ 6/4→ 5/4→ 4/4(以下歌)でも、このまま計算すると、CD版は歌までが8分音符で36拍、コンサート版が44拍と、拍が合わない事になります。あれれ? どうなってんの?実は、CD版も6/4→ 5/4→ 6/4→ 5/4→ 4/4 で拍子をとる事ができます。なので、CD版 の拍を8分音符(面倒なので細かく計算していませんが、恐らく8分音符で3拍ではないと思われます)で数えてしまうと、↑の数え方では「2/8」の部分で、微妙に拍がずれます。コンサート版の方は、イントロの一部をあえて3連符に変更する事で、拍子をとりやすくしているみたいですね。子供たちが踊る事を考えたら、きちんと4分音符で取れた方が良い、というアレンジだったのかもしれません。しかし難しい。。。お蔭様で、プロジェクトも間もなく90%に届こうとしております。予定よりも早めに100%を達成できれば、製作にも早めに取り抱える可能性がございます。引き続きよろしくお願いいたします!余談ですが、私が初めてzabadakというアーティストを知ったのは「水野良」や「あかほりさとる」「中村うさぎ」などが当時連載していたライトノベル雑誌「The スニーカー」で、この「遠い音楽」が取り上げられていたのを読んだのが最初でした。で、この雑誌において「The スニーカー新人賞」という小説大賞が開催されたんですが、この時に受賞されたのが、冲方丁さんでした。私は箸にも棒にもかかりませんでしたが、当時中学生くらいでしたでしょうか。冲方さん、高校生くらいだったんじゃないかな。ライトノベルなんて言葉も恐らくなかった時代です。私もそのあと書き続け、受賞はできなかったものの高校時代と大学時代に、「文學界新人賞」で2次選考、1次選考まで残った事があります。これもまた面白いんですが、この時に中間発表の選考通過者一覧に、私と一緒に名前を連ねていた方が、芥川賞作家のモブ・ノリオさんでした。モブさん、この時に文學界新人賞を受賞した作品で、そのまま芥川賞とってらっしゃいます。因果なニアミスを繰り返して、私は今、変拍子の楽曲を作ったりしておる訳でございます。私は冲方さんやモブ・ノリオさんみたいにはなれませんでしたが、こうしてプロジェクトを起ち上げて、今でも作品を皆さんにお届けできる活動を継続できている事を、非常にありがたく感じております。
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回はちょっと趣向を変えまして、国歌に見る変拍子やちょっと特徴的なリズムについて見ていきたいと思います。では早速ですが、オランダ国歌。単純な4拍子かと思って拍をとると、気づいたら2拍ほどずれているかと思います。そのまま聴いていくと、今度は、あれ? 3拍子になってない?どうやら、冒頭は4拍→2拍→4拍のようになっており、途中から3拍になり、また4拍に戻っているようです。国民が歌うにしてはちょっと複雑ですよね。まあ、日本で最も有名な民謡のひとつである「あんたがたどこさ」も結構な変拍子なんですけれどね。。。ちなみにこのオランダ国歌、各歌詞の文節の頭文字をつなげると、とある言葉が浮かび上がるそうです。まさかの縦読み国歌。気になる方は調べてみて下さいね。つぎはイタリア国歌。伴奏があるのでそこそこ解りやすいですが、つまり弱起で4拍目から始まってる歌なんですね。4拍子なんですが、4拍目が常に強拍。盛り上がりの良い曲ですね。では、スペイン国歌。あれ? いつになったら歌が始まるの? どうやらスペイン国歌は「インストルメンタル」のようです。歌詞はなく、鼻歌とかでメロディを辿るようです。そしてギリシャ国歌。この動画では解りませんが、この国歌、158番まで歌詞があるそうで、全部歌うと1時間近くになるそうですよ。そんなに歌詞覚えている人いるのかしらん。お経を聴いているようなものだと思えばいいんでしょうか。エチオピア国歌。本当か嘘か、作曲者は日本の演歌を参考にした…国歌だそうです。どことなく演歌の雰囲気。最後に、「初代」君が代。実は、今の日本国歌「君が代」は2代目だって知ってました? もともとは明治初期にイギリス人が作曲したこの旋律が国歌だったようです。こんなに明るい曲調だったんですね。耳慣れている、というのもあるかもしれませんが、それでも現在の君が代の方が、神秘さ、妖艶さ、厳かさを兼ね備えていて、日本の情景を的確に表現しているような…気がします。今回はここまでです。国歌も国によって様々ですね。
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回は子供向けアニメのプリキュアから何曲かとりあげてみたいと思います。というのも、初めて聴いた時に「あれ? これって何拍子だ?」と思い、冷静に数えてみると「なんだ、一貫して4拍子か」みたいな経験をした事があったからです。恐らく、単純にBPMが早い、歌詞が詰まってる、連符を多用している、シンコペーションを取り入れている、などが要因だと思います。単純に楽曲としての完成度がとても高いのも凄いなあ、と思うのですが、マーケティング的に絶妙だな、と思うのが、歌詞の感性と歌と振付の難しさです。歌詞は結構意味が解らないというか、文脈的に破綻して聞こえたりするんですが、耳障りがよく口ずさみやすくなっています。歌はBPMが早いし歌詞が詰まっているから簡単には習得できない。リズムも難しいから振付を覚えて踊るのも大変。つまり、ターゲットとなる幼稚園~小学校低学年くらいの女の子にとっては、非常にやりがいがあり、その達成感の末に、自分自身をプリキュアと同化する恍惚感を得られるのかもしれない。プリンセスプリキュアのOPです。お姫様、というテーマだからでしょう、4拍子なのが、途中の数小節だけ3拍子のワルツになります。この数秒間のワルツが、この曲とアニメの世界観を彩っているように思えますね。一貫してワルツだと優雅になりすぎて、アニメのテーマである「強くやさしく美しく」からイメージが外れてしまう、でもお姫様らしさを表現したい、という転拍子の必然性を感じる楽曲です。キラキラプリキュアアラモードのOPです。最初の「ボンボンセシボン」のあたりが、初見だとちょっとリズムが取りにくいんじゃないかと思います。ガイドとなるシンセパッドの拍が敢えてずらしてあるように聞こえますね。でも冷静に数えると、一貫して同じBPMの4拍子です。それにしても、この曲の展開の目まぐるしさと歌詞のつまり具合は、子供向けアニメの楽曲としては半ばカオスですね。そして語感も良いです。「レッツラ」なんて完全に死語だと思うんですが、歌詞の中でキャッチ―に処理されていて思わず口ずさみたくなりますね。最終話の出産シーンが非常に話題になったHUGっとプリキュアのEDです。初めて聴いた時、「超テンション社長YES」なんて歌詞、どういう人生を送っていれば思いつくんだろう、と小一時間悩んだ記憶があります。ストーリーとしては、序盤でルール―ちゃんが悪の組織とプリキュアとの間で揺れている時に、その感情を「影からつま先をずらす」というメタファーで表現していたのが、情緒的で素晴らしいなあ、と思った記憶があります。私はあまりプリキュアに明るくないのですが、EDの動画はMMDの実験場みたいになってますね。劇場版ではフルCGで動かしていたりするので、リグや衣装のダイナミクス演算など、研究するには丁度よいのかもしれませんね。「HUGっと」のEDのモデルを見ると解りますが、手が少し大きめに作られているように見えます。小顔効果を狙った、というよりも、振付をより印象付けたり、解りやすくする為の工夫なのかもしれません。スミマセン、今回は「人類には早すぎる音楽+」からご紹介できる楽曲がありません(プリキュアの楽曲みたいなイメージの変拍子曲をいつか作ってみたいな、という思いはありますが)。お耳なおしに、平沢進でもお聴きください。
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回は有名どころで「ドラゴンクエスト」の変拍子曲について少し書いてみようと思います。ドラゴンクエストの作曲家と言えば、すぎやまこういち氏ですね。すぎやまこういちとドラゴンクエストの関係は「ドラゴンクエストへの道」という漫画を読むと詳しく描かれているのですが(この漫画も気づいたらプレミア価格になっていましたが)、当時ゲーム音楽と言えば、単純なビープ音だったり、民謡やクラシックを単音で鳴らしたりしていたくらいだった訳です。そんな時代にゲーム音楽の重要性に注目し、作曲家を起用した、というのは凄い事だったのではないかと思います。だって、ファミコンなんて同時発音3つまでだったりするんですよ?ドラゴンクエストの曲にあこがれてドラゴンクエストのスコアを買った事がある人はわかると思いますが、すぎやまこういちの曲はとにかく難しいですよね。半音が多いし。ドラクエ4のデスピサロのテーマ曲の楽譜が五線譜の上下に大きく飛び出しているのを見て、諦めた記憶しかありません。まずは、ドラクエ4から「生か死か」。もっとありきたりじゃないタイトルつければよかったのに。途中から目まぐるしく転拍子します。みんな、敵を倒すのに集中して変拍子なんて気づいてなかったと思いますが…。そして気球のテーマ曲。これはわかり易い動画。あ、この方、私とtwitterでFFの人だ! 変拍子の世間は狭いですね。ファミコンのような8bit音源を使用した楽曲を「チップチューン」なんて言いますね。一大ジャンルとして存在しています。また、電子楽器を敢えてショートさせて音を歪ませる「サーキットベンディング」なんてジャンルもありますが、矩形波、サイン波、のこぎり波、ビープ音などを主体とした音楽は妙な懐かしさがありますね。(実際は、ファミコンは三角波も矩形波を細かく刻んでシミュレートしているだけ、とか聞いたことがありますが)。「人類には早すぎる音楽+」にも、何曲かチップチューンの曲が存在しております。折角なので、1曲ご紹介しましょう。引き続き「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いします!
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」です。今回は「なぜその演奏をしようと思った」と思わず突っ込みたくなる楽曲をいくつか紹介します。細かな解説を加えると多分長くなりますので、要点だけ(しかし、ここ数日の活動報告はちょっと変拍子から外れてきていますね…)。まずは、この手の演奏では恐らく最も有名な「演奏中に大砲を実際に撃って楽器と為す」曲です。8:40あたりからがわかり易いでしょうか。ベートーベンもありますね。演奏に「大砲2門以上、ライフル沢山」とか指示があったとかなんとか。また、これも有名ですね。最後にティンパニに頭をつっこめ指示があるやつ。20:40あたりですね。でもよく見ると、流石にティンパニが勿体ないからか「頭から突っ込む専用のティンパニ」になってますね。おそらく、紙が張られただけの。あと、こんなのもあります。楽器とはなにか、という概念を覆してくれる演奏です。バスドラムを卓球で叩いたり、キッチン用品を楽器にしたり。他にも「タンバリンを口に咥える」とか「指揮者は痙攣して倒れる」みたいな指示のある演奏もあったりしますので、興味があれば色々探してみて下さいね。さて、「人類には早すぎる音楽+」は基本的に打ち込みがメインですので、「変な演奏」はありません。ので、前回の「ボカロのホーミー」に引き続き「ボカロのシャウト」を活用した楽曲を1つご紹介します。実は、ホーミーと違って、ボカロにはちゃんと公式に「シャウト」機能が具備されています。前奏や間奏の後ろで、「あ”あ” あ” あ” あ” あ” 」と叫んでいますので、注意深く聴いてみてくださいね。プロジェクトも残り20日を切り、ラストスパート期間にさしかかって参りました。引き続き、どうか、「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いします!