こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。前回、ホーミーの楽曲を少し紹介しましたので、こんかいはもうちょっとだけ触れたいと思います。また、私が自分の楽曲で、どうやってボカロにホーミーを歌わせているか、にも触れます。まず、ホーミーについてですが、こちらの解説を御覧ください(出典:Wikipedia)――器楽的特徴をもつ歌唱法で基音と倍音を同時発声する倍音唱法の一種である。 極東地方に広く伝承されており、アルタイ山脈周辺の民族のカイ、モンゴル国のホーミー、トゥバ共和国のフーメイ(ホーメイ)などがよく知られている。喉歌の発声は、独特の喉頭調節による喉を詰めた声による喉頭音源の生成、舌や口唇の形状を調音運動によって調節し声道の共鳴周波数を制御することによって実現される。喉頭調節としては、喉を詰めることにより仮声帯が内転し、声帯に加えて仮声帯が振動する声帯-仮声帯発声によって独特のダミ声が実現されていることが知られている。また調音は、舌や口唇の形状を変化させ、鋭い第2フォルマントの共鳴を作り、第2フォルマントの周波数を動かすことにより笛のような音によるメロディーを作り出す。とまあ、よくわからないと思いますので、取り急ぎ実際のホーミーの動画をご覧下さい。特に3:17あたりからは、倍音を笛のように響かせ、その倍音を操る事で旋律を実現しています。ここまで出来るようになるのは、相当な訓練が必要です。また、実際は、男性がやる場合と女性がやる場合でかなり印象が違いますので、是非女性のホーミーも探して聴いてみて下さいね。余談ですが、その昔、NHKのラジオドラマ「FMシアター」で、「僕の鳴き声」という作品が放映されました。このドラマ、ホーミーをテーマにした、非常に珍しいストーリーで、現代社会に適用できずストレスを抱えたラジオパーソナリティの主人公が、「ニュースをラップで読む」という新しい試みに失敗し、自然とホーミーを発してしまう、という内容でした。思えば強引な物語だったな、と思いますが、このドラマを聴いてホーミーを知った私は、その後オユンナさんのレーベルからトムルバータル・ハスバータルという馬頭琴奏者のホーミーのCDのを買っては、独自に練習をしてみたりしたものでした。という訳で、私がどうやってボカロにホーミーを歌わせたか。簡単です。次の動画の通りです。そう、スピーカーからミクの声を出して、それを人間の口の中で倍音化したものを録音しているだけ、です。ミクの声自体に恐らく倍音要素が少ないのか、あまりきれいには出ていませんが、恐らく、最新のボカロ音声であれば、もうちょっと出るのではないか、と思っております。そして、このホーミーを使って作成した、前回に引き続き2曲めをご紹介します(「人類には早すぎる音楽+」収録曲です)いかがでしたでしょうか?ホーミーをボカロに歌わせる、という試みをシミュレーションレベルでやられている、という方の話も耳にした事がありますが、恐らく楽曲としてボカロのホーミーを使用したのは、私の曲くらいではないだろうか、と自負しております。引き続き「人類には早すぎる音楽+」の応援を、ぜひともよろしくお願いしますね!
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。「人類には早すぎる」をテーマに現代音楽を取り上げてしまうと、なんでもありになってしまうので、あまり取り上げるつもりはなかったんですが、それでも折角なので、有名なところでジョン・ケージの音楽をご紹介しようと思います。言わずもがな、ジョン・ケージの最も有名な楽曲と言えば「4:33」ですね。まずはお聴き下さい。ピアノがちゃんとシュタインウェイなのがエモーショナルですが、つまり4分33秒間、奏者はピアノを演奏しないんですね。じゃあこれの何が音楽かって、一番はじめにキャプションが出ていますが、全てが音楽な訳です。奏者がピアノの開けしめで発する雑音や、観客(この動画ではいなさそうですが)がたてる雑音なんか全てを音楽として定義している訳です。じつは私、学生時代に映画サークルにおりまして、これのオマージュとして4分33秒間、真っ白な画面を映し続ける作品を作った事があります。個人的には「何も映ってないじゃないか」という観客のぼやきや、映写機の前を観客が通った時の影が「映像作品」だった訳なんですが、まあだれにも理解されませんでしたよね。ジョン・ケージはそのほかにも、ピアノ線に洗濯バサミとか色々な物をくっつけて演奏したり、はたまた「演奏し終わるのに639年かかる曲」なんてのもありますけれどね。ただ、当然作曲家ですので、こういった現代音楽っぽいのだけでなく、ちゃんとした音楽も残していますし、マヤ・デレンだったかモホリ・ナギだったか忘れましたが、映像作品に普通のBGMを提供したりもしていたはずです。さてさて。「人類には早すぎる音楽+」は「ちゃんと音楽として聴ける変拍子」を原則としておりますので、ジョン・ケージのような現代音楽は収録しておりません。しかしながら「実験的な楽曲」という観点から、「ボカロにホーミーをやらせた」楽曲がありますので、こちらをご紹介させて頂ければと思います(ボカロのホーミーに、人間のホーミーを重ねています)。「ホーミー」については、また明日にでも改めて詳細をご紹介させていただこうと思いますが、簡単に説明しますと「口の中の空間をうまく操作することで、倍音を複数生じさせる、主にモンゴルを発祥とする発声法」の事です。口の中の空間が必要なので、コンピューター音声であるボカロには当然不可能なのですが…それを、とある手法で擬似的に実現しています。今回は以上です。引き続き「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いします!
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回は「同じひとつの拍子をテーマにしたCD」を1枚ご紹介しようと思います。私自身、かなり昔に手に入れた物なのですが、Amazonでみてびっくり。恐らく私は1,500円くらいで購入したのですが、プレミアがついて新品は20,000円になっています。そういえば「天地創造」というSFCゲームのサントラも大好きでよく聴いていたのですが、中古市場が一時期数万円まではねあがっていました。私の音楽活動に大きな影響を与えたCDのうちの1枚なので、手放すつもりはありませんが…。今回ご紹介させて頂くのは、木屋響子さんという方の「3/8forests」というCDです。全6曲(うち半分はオフボーカル)で、全てが3/8拍子の楽曲になっています。その中から1曲。詳しくは存じ上げないのですが、現在は「木村恭子」名で活動されているようです。さて、では私も、折角なので3拍子の曲をご紹介いたします。こちらは「3拍子は変拍子に定義しない」前提より、今回の「人類には早すぎる音楽+」未収録曲となります。引き続き「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いしますね!
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。本日はポリリズムの音楽をご紹介させて頂きます。「ポリリズム? それって食べられるんですか?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、ポリリズムとは、複数の拍子の異なる旋律を同時に発音して組み立てた楽曲の事です。例えば、主パートは4拍子、副パートは3拍子、最小公倍数の12拍で1つのまとまりになる、みたいな感じですね。幸いな事に、この国には有名なポリリズム曲があります。その名も「ポリリズム」。パヒュームの曲ですね。この曲、基調は4拍子なんですが、間奏がポリリズムになっているようです。1分37秒あたりからでしょうか。4拍から5拍に転拍子しています。このあたりが恐らくポリリズムになっているのではないかと思います(スミマセン、明確に分析してないです)。まあこの曲の場合は「つかずはなれず、時には波長が合う2人の恋愛感情」を「ポリリズム」と比喩したんじゃないかと思いますけどね。せっかくなのでもう1曲。zabadakから「ガラスの森」です。zabadakは本当に変拍子を巧みに操るアーティストだと思うのですが、この曲は初っ端から3拍と4拍のポリリズムになっています。さらに、間奏が5拍になり、そこからさらに6拍に転拍子します。イントロが終わった35秒あたりからですね。さてさて、「人類には早すぎる音楽+」は、申し上げている通り「1つの変拍子を最後まで貫く」事を基本としておりますので、明確なポリリズム楽曲はございません。ですがせっかくですので「23拍だけれど上パートと下パートで分割が違う」曲をご紹介します。バイオリンパートが「7+7+3+3+3」で、重なるピアノパートが「4+3+3+3+3+3+4」になっています。広義のポリリズムといえるかもしれませんね。引き続き「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いします!!
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回は「前奏と後奏が全く同じモチーフなのに、拍子が違う」曲をご紹介します。この構成はなかなか面白くって、初めて聴いた時は(いつもそうですが)最初は5拍子から始まっているのに、最後が6拍子になっているとは気づきませんでした。変拍子を聴き慣れている方ならわかると思いますが、変拍子はその特性上「変拍子ではくてはできない旋律」になるので、複数の拍子でモチーフを共有するのはちょっと難しいというか、ある程度意図して作らないとできないのです。という訳で、お聴き下さい。スミマセン、ライブ音源しか見つかりませんでした。ティンホイッスルに注目です。最初の5拍子と、最後の6拍子ですね。今回は「同じモチーフで違う拍子」という事で、「人類には早すぎる音楽+」には収録していませんが、以前作成した「ダース・ベイダーのテーマを7拍子にしてみた」曲をご紹介します。和音がところどころ間違ってるのはご愛嬌。お蔭様で、当プロジェクトもまもなく50%の達成率となります。まだまだ折返し地点。皆様に納得の頂けるプロダクトをお届け出来るよう、頑張って参ります!