うちのプロ志望に中卒がいる。得てして、頭が良いとは言えない(笑)でも、高卒より3年、大卒より7年早く社会に出ている分、生活力もあり逞しさもある。手に職もある。しかもその子は6人兄弟。細かいことは気にしないタイプで、「怒ることはありませんね」と、余裕の表情で語る。彼の第一印象は「ふてぶてしい男」。一ヶ月接してみて「肝の座った男」となる(笑)中卒だけど、堂々として物事に動じない佇まい、見習いたい。※写真はふてぶてしい猫(笑)
「健康になるために 何を食べるか?」と、「チャンピオンになるために 何を練習するか?」これって似たようなことかなと。ハッキリ言って、何を食べたら健康になれるか、何を練習したらチャンピオンになれるかは、時代によって変わる。だったら、自分の好きな物、好きな練習を、「これは絶対身になる!」と意識して食べる、意識して練習することが大事なのかもしれない。でも、「良薬口に苦し」で、好きなものだけ食べてては健康にはなれないし、好きな練習だけをしててはチャンピオンになれないと思う。やっぱり、その割合って大切なのかもしれません。まあ一番いけないのは、「こんなの食べて 健康になれるのかよ」とか、「こんな練習で 強くなれるのかよ」と思うことかなと…。因みに昨日のお昼は焼肉木曽のランチ。「これを食べれば元気になる!」と思って食べましたが、何より、大将とママの柔和な笑顔を見ながら食べられたことが一番の栄養となりました(^^)
1996年12月、全日本新人王西軍代表決定戦。それまで9戦9勝9KOで勝ち上がっていた谷川淳さんと戦った。動画『杉田竜平 vs 谷川淳』※試合開始は7:40~試合は6R。畑中会長の作戦は、前半は逃げ回りパンチをもらわないことに徹する。後半、谷川さんが疲れたところを倒しにいく、というもの。自分もその作戦に賛成し、しっかり練習して試合に臨んだ。ゴングが鳴り、作戦通り逃げ回ることに徹した。しかし、第1ラウンド後半、打ち終りを狙われてダウン…。それまで8戦戦ってたが初のダウンで畑中ジム応援団、みんな青ざめる(笑)ラウンドが終了してセコンドに帰るなり、谷川さんの圧が強くもう逃げ切れない、打ち合いにいくしかない!と思った。そのことを畑中会長に伝えると、「分かった、いってもえーぞ!」と、言ってくれた。迎えた第2ラウンド、一気に攻めに出た。ラウンド中盤に良いのが当たり、そこから怒涛のラッシュ!時間にして約1分、後先考えず手を出した。 「死に物狂い」とは正にこの事。その例えとして辞書に載せてほしいくらい(笑)ラスト20秒ほどで渾身の左フックが当たり糸の切れた操り人形のように谷川さんは倒れた。何とか立ち上がったもののレフェリーは試合を止めた。畑中ジム応援団、興奮の坩堝と化す(笑)で、何を伝えたいのかと言うと、あの時作戦通りやってて仮に負けたとしたら、後悔してただろうなと。逆に2ラウンド目、作戦変更して出ていったところを倒されていたとしても後悔はなかったと思う。よく、「負けたら指導者の責任」とかよく言われるけど、周りはそう言ったとしても選手はそれで納得しない。自分はこの時の畑中会長のように、〝後悔のない選択〟を最終的には選手自身にさせたい。だってやるのは選手。自分の身体、自分の青春、自分の人生使ってやってるんだから指導者の言うことより〝選手本人の意思〟が一番大事だと思う。杉田ジムはそんなスタイルです。
うちのプロ志望選手は、平日は18時半から土曜は15時半からの合同練習。年齢も近く、教えあったり競いあったり、充実した練習が出来ている。みんなアマチュア経験はない。でも、不器用なりに頑張ってる姿、感情移入してしまいます。最後まで諦めず、ボクシングをやり抜いてもらいたいです。
最近の中部ボクシングは、刈谷市産業振興センターでの興行が多いのですが、一昨日(6/27)は久々、名古屋国際会議場での興行。個人的に好きな会場です。私の現役時代の主戦場でもありました。昨日は、セコンドから選手に発せられる声に注意しながら観戦させてもらいました。どんなことを選手に言っているのか、ジムによって様々でしたが、色々考えさせられました。試合中セコンドが発する声、これは生観戦でないと分からないこと。生観戦の魅力でもあります。ボクシングを、生観戦したことがない方にはオススメです。パンチが肉体に当たったときの、「ドスッ、ドスッ」という音、生々しいですよ~(笑)