20年ほど前、練習を終えて帰ろうとすると、畑中会長に呼び止められ、『便所掃除の仕方』を教えられた。会長自らが手本を見せてくれた。タオル片手に、素手で便器を磨きはじめた。「マジか!」と思った。人が用を足した便器をゴム手袋もせず磨くなんて…。最初は抵抗があったものの、引退するまで言われた通り続けた。その畑中ジムの便所掃除、今も受け継がれてるらしい。誰がやってるのかって、あの世界3階級制覇チャンピオン、田中恒成。これは想像だけど、「なんで俺が便所掃除を…」なんて、愚痴の一つも吐かないで便器をゴシゴシ磨いているんだと思う。便所掃除をするのが偉いのではなく、素手で便器を磨くのが凄いのではなく、愚痴や文句を言わずにやれるかどうか、ここだと思う。人が嫌がることを黙々とこなせる人間は、地味な練習もコツコツやれるんだと思う。今朝NHKで放送された『ボクサー兄弟』、良い番組でした。やっぱり恒成は一流です。
ボクシングのチケットは「命の料金込み」と、昨日アップしましたが、お客さんは身銭を切り、高いチケットを買って来てくれる。にもかかわらずロードワークをサボったり、練習態度もよろしくない、平気で練習を休む…、なんて選手がいたとしたら、「YOU、やっちゃいなよ!」が常套句のジョニー喜多川さんだったらこう言うかも。「YOU、やめちゃいなよ!」やっぱり、試合会場に足を運んでくれるボクシングファンのことを想う気持ちもボクサーには大切ではないかと。
ボクシングはコンサートや演劇、他のスポーツと比べてチケットが高い。理由は色々ある。でも一番の理由は、『命懸けで戦ってるから』に他ならない。ボクシングのチケットは「命の料金込み」です。その逆を言えば、ろくに練習してない選手は、試合に出る価値はない。
隔週日曜日行っている金華山登山。今朝は選手と一緒に登った。付いていく自信はあったのに1分程で突き放された(笑)前にも書いたけど、登りの『馬の背』は難所ばかりで結構ハードなコース。「あとどれくらいで頂上なんだ?」とか、先を考えると嫌になる。だから、目の前に現れた難所を一つ一つクリアしていくことに意識を向けた。それと、先に行って待ってる選手に迷惑を掛けてはいけないと思い、一秒たりとも休まなかった。ふらふらになりながらも休まず登り切る根性だけはまだある(笑)掛かった時間は20分ちょい、この短い間に色々考えさせられた。例えば、『エベレスト登頂と世界チャンピオンが同義』だとすると、大手のジムに入れば、何度も登頂に成功しているシェルパ(トレーナー)が最適なコースを教えてくれ、スムーズに山頂に辿り着くかもしれない。裏技的に、ヘリで山頂まで連れてってくれ、最高の景色を最短で見せてくれるのかもしれない。でも、まだうちみたいな弱小ジムは、ヘリを買うお金はもちろん、シェルパを雇うお金すらない…。「なんでそんなコース登らせてんの???」と、批判を浴びたり、道に迷ったり、怪我をさせたり、志半ばで下山した者もいた。心が折れそうになる…。泣きたくなる時もある…。だけど、ベースキャンプ地を変えてまで山頂を目指すことに決めたからにはあとには引けない。「夢」と「歩み続ける根性」しかないけど、自分を信じて付いて来てくれる選手と目の前の難所を一つ一つクリアして一歩ずつやって行くしかない。そんなことを教えられた今朝の金華山登山だった。因みに今朝の登山、一人迷走させてしまった(笑)【ドロップイン割引月間】https://ameblo.jp/atigus96/entry-12695493853.html【杉田ジムHPリニューアル】https://www.sugitagym.com/
杉田ジム選手は隔週日曜、合同でロードワークをしている。最近は『高橋尚子ロード』ではなく、岐阜城そびえる金華山コース。選手には、『馬の背登山道』で登り、『めい想の小径』で帰るように言ってある。でも言ってるだけで、どんなコースか知らなかったので、先日一人で走ってみた。上りの『馬の背』。急な斜面で走ることは殆ど出来ず、ボルダリングって感じ。でも、どの岩に手と足を掛けるか等の一瞬の判断力や身のこなし、周辺視野も身に付きそう。もちろん体力も付く。約20分くらいで登り切り、あとは下りだから楽勝!…と思ったら、『めい想の小径』、意外に険しい。めい想なんてとても出来ない(笑)道にも迷った(笑)暑さもあって最後はヘトヘトだったけど、これは良いトレーニングになりそう。金華山登山、続けていきたい。