
支援者の皆様、大変お世話になっております。さて、いよいよオトチの洞穴の中の話です。訪れたことがある方はよくご存知のことと思いますが、現在の洞穴は竪穴です。付けられたロープと梯子で降りて入ります。昭和の初め頃は、横から入れたそうです。ですが、岩が崩れたのか、横穴がふさがり、上からしか入れないようになりました。中は6畳以上はあるでしょうか、静かな洞穴です。冬場は獣が冬眠に使っているかも知れません。実際、中にはコウモリが住み着いていて、春先に行くとまだぐっすりと眠っています。なんなら、指でつついても起きません。片手にちょこんと乗るくらいの大きさの、果物を食べるコウモリだそうです。さて、この中に三成公が匿われたのですが、保存会のお話ではたった1日だったと言われています。なぜならここは、夏場でも冷蔵庫みたいに冷えているんです。もうお分かりですね。そうです。治部小殿のお腹が悲鳴をあげ、与次郎が慌てて自宅に移したという説が話されています。治部小殿は、古橋に向かう途中で川の水を飲んだり生米を食べたりしてお腹を壊したとかも言われておりますが、その上オトチの洞穴で冷えて……一説にすぎませんがおいたわしや……