皆さまこんにちは。NPO法人ラオスのこども代表のチャンタソンです。
明日、5月5日は「こどもの日」ですね。子どもたちの健康や成長、幸福を願うことは、日本でもラオスでも変わりません。ラオスでは6月1日を「こどもの日」としています。
子どもたちが自らの力を伸ばすことができるように、30年以上前に、ラオスで読書推進の活動をはじめましたが、当初はとても大変でした。子どもどころか大人も本に触れた経験が全くなかったので、本をどのように扱って良いか全くわからないのです。
無くしたら困るからと箱に鍵をかけてしまい込んでしまったり、まだ文字の読めない小さな子に文字ばかりの本を渡して見せるだけだったりと、なかなか浸透しませんでした。本をどのように利用してもらうか、魅力をどのように伝えるか、試行錯誤しながら、ひとつひとつラオスの人たちに伝えました。
ラオス事務所にいるスタッフたちも、最初はほとんど教科書以外の本を読んだ経験がありませんでした。本の読み聞かせのやりかた、紙芝居の演じかたなど、たくさんの日本の皆さんにも教えていただきながら、覚えていきました。
以前、掃除のアルバイトとして来ていたカオさんもそのひとり。小学校を卒業し、家計を支えるためにいろいろなところで手伝い仕事をしていた頃、当会に来るようになりました。お掃除だけではなく、事務所の図書館の業務も少しずつ手伝ううちに、絵本のお話の世界に魅力を感じるようになりました。次第に、彼女が絵本を読むと、いつも小さな子どもたちが周りに集まってくるようになりました。お話の世界を自分も楽しみ、そして語りかけるような優しい声に、幼児たちは安心したのでしょう。
このようにスタッフたちも成長しながら、ラオスでの活動を続けてきました。今の若手スタッフの中には、高校生の頃、私たちが設置した図書室を利用していた人もいます。自分が学生時代に経験した図書室の活動を子どもたちに伝えたい、と熱意をもってスタッフに加わりました。
長年に渡り種を撒いてきた種が、ようやく芽を出し、成長しはじめたように感じます。でも、花を咲かせ実を結ぶまでには、まだもう少し時間がかかります。
今しばらくの間、皆さまに見守りそして活動を支えていただけますよう重ねてお願いいたします。
旭日双光章およびJICA理事長賞をいただいたことを記念し、感謝の気持ちを込めて、ラオスで4月初めに開催したイベントの様子