葛城家の犬たちはこのところ「はじめて」をたくさん経験しています。
はじめてみる人間、はじめて聴く人間の声。
今週はそんな犬たちのはじめてに「首輪」と「リード」が加わりました。
今日もドッグトレーナーSさんの詳細レポートと写真をもとに報告させていたします。
この日、首輪とリードをつけてお外デビューを果たしたのは、Sさんが「とにかく性格がいい!」と絶賛した、UKとラインでした。
UKは2歳。生まれてから2年間、これまで見てきた景色は、葛城さんの家の壁と天井と廊下と、大勢の仲間たちだけでした。「一人では61頭の世話だけで手が回らない。みんなを外に出せないならフェアじゃないから」という気持ちから葛城さんはこれまで家の犬を外に出していなかったそうです。
屋内では出会って3回目でSさんの手を舐めるくらいに人懐っこいUKですが、ご覧のようにはじめてづくしの体験に完全に圧倒されたのか硬直状態になりました。
そんなラインですら見慣れぬ光景、音、匂いに最初は怖気付きました。しっぽもこの通り下がっています。
ただ、しばらくすると生来の好奇心が勝って来ました。土の匂いをクンクンかぎまわり、動き回り、やがて尻尾も上がり、ついに——
この笑顔になりました!
楽しい、楽しい、楽しい♫
そんな笑顔で動き回るライン。
もっとも、まだ首輪とリードに慣れたわけではありません。Sさんが試しにわざと少し引っ張ったら嫌がってぐるぐると回転していました。
それでもこの日の体験で、ラインとUKが里親探しの道程において、大きな前進を遂げたことに変わりはありません。
現在でもお店を一人で切り盛りされ、ドッグトレーナーの道を突き進んでおられるSさんですが、10月からさらなる高みを目指して学業に専念されるため、今月29日を最後にしばらく来ることができません・・・
ですがSさんは今後のために道筋をつけてくださいました。
「今日みたいに2頭ずつでいいから、首輪とリードをつけて外に出してください。」と葛城さんにお伝えしたのです。以前から「61頭全員を外で遊ばせるなんて無理だ」と固く思い込んでいた葛城さんに「構えなくていい。こうやればいいんですよ。」と示したこと。抱えきれない数の犬達の世話で忙殺される毎日の中でも「この方法ならできるかもしれない」と葛城さんが思うこと。そして実践すること。これで犬達の未来がより良い方向に変わるはずです。
Sさんの報告によると、UKはバベシア症です。山から来た子でまだ若い他の2頭もまたバベシア症だったことが発覚したので、おそらくは山で罹患したのでしょう。バベシア症については、とある団体の方から「フィラリアより心配」と聞いた直後だったこともあり、チームは言葉を失いました。里親に出すのはおそらく無理だろうから自分が最後まで看取ると葛城さんは言ったそうです。でもUKの人懐っこさ、生来の性格の良さを見抜いたSさんは「この子は本当に性格がいい。病気でもこの子を好きで大事にしたいと思ってくれる里親さんと出会えれば幸せになれる子です。」と葛城さんを説得してくださいました。
去勢避妊手術は先週も行われました。トラピーとピータンという雌2匹(いずれも5歳)です。トラピーは、施術時に子宮蓄膿症だったことがわかりました。施術によって命を救うことができたのです。
クラファンも残すところあと2週間を切りました。クラファン上のご支援もさることながら、インスタを通じて、または直接、続々と餌のご支援が集まってきています。餌の継続支援をオファーしてくださる方も多く、感激しております。葛城さんが一番心配されている餌代が浮くことによって、いただいたクラファン資金を課題が山積みの医療費に回すことができます。
ご支援者の皆様、心より感謝を申し上げます。
2021年9月25日
Team Katsuragi
「
⇧Sさんから性格が非常に良い」とお墨付きをいただいた犬たち(ヒッピー、フォックス、トラピー。撮影、編集 by Sさん)
⇧佐賀県のM様から届いたたくさんの餌のご支援。他にもたくさん物資のご支援をいただいております。どうもありがとうございます!