毎年１月７日前後に開催される年中行事の鬼火焚き（おにびたき）。さつま町永野では今年１月８日（土）の午後５時から執り行われました。南方神社と直接の関係はございませんが、神様仲間であられる田の神さぁ（稲の豊作を守護してくださる神様）の見守りのもと、無病息災を祈ってたくさんの人々が集まり、暗闇の中で燃えさかる炎を囲んで楽しいひと時を過ごしました。焚き火の炎で焼いたお餅や、豚の耳などを焼いて美味しく頂きました。新型コロナウイルスを禍と捉えることにとどまらず、幸せにつつまれた新たな生き方のきっかけとして新しい生き方を模索できればよいかなと思いました。

さつま町郷土誌（平成１０年５月３１日発行）を紐解いてみますと、南方神社（みなかたじんじゃ）は旧永野村の村社で、古くは諏訪大明神（すわだいみょうじん）と称していたようです。そして、明治元年（１８６８年）の神仏分離令により一切の仏像仏具を取り除かれたのち、南方神社と改称されたようです。長野城合戦（現在は永野、当時の長野における合戦（永禄１２年（１５６９年）））の後に、長野城を支配することになった島津氏が現在の場所に神社を移したと想定されており、創建は戦国時代にまで遡ります。長野城の戦歴を調べますと、大口城（おおくちじょう（現在の伊佐市にあったとされる城））に籠る菱刈（ひしかり）・相良氏と提携していた渋谷一族が守っていた長野城を、島津氏が激しく攻撃したとの記録があります。武将と神社との関わりについても興味深く、まだまだ調べる楽しみがありそうです。

三が日は多くの皆様にご参拝をいただきまして、誠に有難うございました。参道周辺に設置していたのぼりを撤去し、参拝者へのお神酒などを片付け、境内を掃き清めて来ました。社殿前の御記帳簿は１月１５日（土）まで置いてありますので、引き続きお時間のあるときに、どうかご参拝いただけますようお願い致します。

この小さな神社でも、新型コロナウィルス感染症のまん延防止のため、昨年に引き続き年末年始のお守りなどの対面販売を控えさせていただいております。しかしながら、ひとりでも多くの方がたにご参拝いただけるように、素朴な総代（集落の氏子の代表）たちが何となく寄り集まっては境内を掃き清めたり、夜から明けがた近くまで交替で焚き火の番をしています。

夜通し火を絶やさずに交替で見守りながら、新しい年を迎えます。