京屋染物店の蜂谷淳平です。
6月11日(土曜日)に、地元一関市千厩(せんまや)町の「せんまや夜市」で鹿子躍りを踊らせていただきました。
コロナにより、約2年間中止になっていた地元のお祭りですが、徐々にいつもの夏の賑わいを取り戻しつつあります。
街全体が活気に包まれ、子供達からおじいちゃんおばあちゃんまで楽しげな表情で、「みんなお祭りを心待ちにしていたんだな」とつくづく感じることができました。
今回私たちが所属する舞川鹿子躍保存会もお声がけいただき、祭りに参加してきました。
鹿子躍の迫力ある演舞と共に太鼓が鳴り始めると、沿道には多くの方が駆け付けてくださいました。
今回私は「二人狂」という演目の役踊り(ソロパートのようなもの)を、踊らせていただきました。
二人狂いは『一頭の雌鹿をめぐり、二頭の雄鹿が喧嘩をして雌を奪い合うが、霧が出てきて雌鹿が霧に紛れていなくなる』というお話です。
どちらか一方が勝つのではなく、喧嘩両成敗ということを語っている演目です。
なんとも男性の単純さと儚さが身に沁みる演目でもあります。
演舞中は、周りで一緒に踊る子供達や真剣な表情で食い入るように見るおばあちゃんなど、皆思い思いに鹿子躍を楽しんでくださいました。
演舞が終わると沿道からは大きな拍手を頂き、なかなか出演の機会のない中、毎週集まって地道に練習を重ねてきたことが観客の喜びとなって報われた瞬間でもありました。
今全国では開催自粛のお祭りも多くありますが、盛大に祭りを開催できる日もそう遠くはないと感じます。
やはり日本には祭りが必要です!
私たちも300年続いてきた芸能の火を絶やすことなく、芸能の本質を伝えていけるようにこれからも地道に頑張ってまいります。