ケニアに住むLGBTQIA難民のレストランですが、18日(月)に何度にも及んだ行政による検査に最終合格しました。そして22日(金)に許可証が得られました。特に問題がなければ25日(月)に再オープンとなります。これも皆様のおかげです。皆様には感謝してもしきれません。オープン後の様子も随時お伝えします。また、リターンの発送も進めております。最終検査の様子再オープンを控えての打ち合わせただ、依然として問題は山積です。現在シェルターの代表を勤めているジワが住んでいるマンションにさらに多くの難民がやってきて現在、法で定められた人数の4人を超えて7人が住んでいる上に、日銭が入らなかったことで毎月2万5000シリング(約2万8700円)の家賃を払えず、家主から退去通告を受けてしまいました。退去通告の携帯メール。法定の4人を超えた7人が住んでいるため何度も警告した、13日の期日までに家賃の支払いがなかったため契約を終了すると書かれています。また、チフスにかかる人やマラリアがぶり返した人が複数出ました。持病の痔瘻(じろう)が悪化して光熱を出してしまう人も出ました。痔瘻から細菌感染して高熱が出たため、抗生剤の注射を打ってもらっています。旧シェルターで行っていた農業、畜産を続けるために土地を安く借りたのですが、マンションに入れない難民が出て、畑に建てた掘っ立て小屋に住んでもらっています。治療費や家賃のため、シェルターの口座で25万1600シリング(約28万9000円)の借金をしています。次回返済額は8万7465シリング(約10万円)です。レストランが再オープンして落ち着いたら、シェルターの難民全員の検診と薬の長期服用が必要となるマラリア、HIVの治療費を募る新たなクラウドファンディングを立ち上げることを予定しておりましたが、予定を早めての開始を考えております。1度目のクラウドファンディングにご協力くださった皆様には、ぜひ情報共有の形でご協力くださいますようお願い申し上げます。
物件の売買契約をして2月末からレストランの建物の内装工事を進めると同時に、各種営業許可の手続きを行っています。旧物件とは異なり、アルコールも販売する予定なので、許可が5種類も必要となり、手続きに時間がかかっています。レストランの内部カウンターです。ケニアに限らず旧イギリス植民地の国では、アルコールを販売するところがこのように鉄格子で囲まれているところが多いです。ちなみにレストランのある地域の治安は悪いわけではありません。工事が進む間に様々な出来事がありました。ブルンジから逃げてきて新たにシェルターのファミリーとなったアリス。赤ん坊を授かったのですが、母親は産後の肥立ちが思わしくなく容態が急変し亡くなってしまいました。RIP旧シェルターの人気者だったサム。そしてその母親のバネッサは、新しいシェルターが立ち上がるまで別の場所に暮らしていたのですが、そこに刃物とカメラを持った男たちが押し入り、乱暴を振るう事件が発生しました。身体的危害が加えられなかったのは不幸中の幸いですが、ショックが大きく寝込んでいます。このように、性的マイノリティであることが周囲に知られたことで、家が襲撃されるという事件は月1のペースで起きています。先月もトランス女性とそのボーイフレンドが住んでいた家が襲撃され、めちゃくちゃに壊れされる事件が起きています。
皆様に2月15日時点のレストラン再オープン計画の進捗具合をご報告致します。◯2月8日キャンプファイアからの送金1,182,915円◯ケニアへの送金履歴2月5日65,764円(送金手数料1,070円)→70,000シリング93,860円(送金手数料1,439円)→100,000シリング2月8日500,000円(送金手数料6,809円)→528,237シリング2月9日47,685円(送金手数料834円)→50,000シリング2月10日373,602円(送金手数料5111円)→390,000シリング計1,080,911円 1,138,237シリング残金101,382円→リターン制作費として残してあります。◯ケニアでの支出レストラン物件購入代金:400,000シリング(392,154円、残金は80,000シリング)エドリンさんの医療費の借金:95,000シリング(93,136円)デリックさんの教科書、電気スタンド:6,500シリング(6,372円)冷蔵庫:40,000シリング(39,215円)55インチ液晶テレビ2台:120,000シリング(117,646円)計:661,500シリング(648,525円)(2月15日現在、10,000シリングは9,803円)なお、これ以外にも店までの交通費、購入した製品の輸送費が多少かかっています。当初、レストランの物件は居抜きの賃貸ということでしたが、売買契約となりました。また、エドリンさんの医療費は10,000シリングの利子がついて額が増えました。冷蔵庫は、旧レストランではコカ・コーラ社からのレンタルのものを使っていましたが、バルクで商品の仕入れを強いられ、手元にキャッシュがなければ商品の購入ができず、販売ができないという問題がありました。また、コカ・コーラ社以外の製品が扱えないという制限があったので、売れ筋の商品を自由に仕入れて販売するために、購入に踏み切りました。テレビは、ケニアで人気のあるプレミアリーグなどのサッカーの試合をケーブルテレビで放映し、お客さんからお茶代、お菓子代をいただくというのが、小銭が稼げる手堅いビジネスモデルだから購入しました。55インチにしたのは、より大きな画面で見たいというお客さんの要望に合わせるためです。レストランの再オープンは来週を予定しています。また進捗がありましたら皆様に逐一ご報告致します。55インチの液晶テレビ物件購入の領収書(個人情報の部分はモザイク処理しています)冷蔵庫の領収書テレビの領収書1枚目テレビの領収書2枚目デリックさんの教科書デリックさんの電気スタンド
ケニアのUNHCRは、LGBTIQ+難民の第三国定住(出身国から避難先を経て別の国への移住)にあまり積極的ではありませんでした。他の難民よりさらにひどい状況に置かれているLGBTIQ+難民が権利擁護、保護の声を強く上げていたことが関係しているかもしれません。ところが、今回のプロジェクトが成功したこと、アメリカの援助団体ORAMやHIASの援助、技術支援を受けていることなどが影響して、UNHCRが態度を変化させ、第三国定住に向けて積極的な聞き取り調査をするようになったそうです。もちろん、LGBTIQ+難民を受け入れている先進各国の枠に限りがあるため、手続きが順調に進むかどうかはわかりませんが、LGBTIQ+難民の中でもケニアでの活動に制限のあるFHI代表のモーゼスだけでも、なんとか第三国定住を実現させたいです。さらに、ケニア政府の態度にも少しですが変化があるようです。ケニア政府は、働いて税金を納めてくれる難民、ケニア国民のための雇用を創出する難民を歓迎するので、今回のプロジェクト成功が影響しているものと思われます。たとえ第三国定住が進んだとしても、まだ後にはシェルターにすら入れていない難民が多く残っています。一人でも多くの難民を犯罪、性暴力、感染症、飢餓のリスクから救えるよう、引き続き皆様のご関心、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。ウサギ小屋の前で聞き取りをするUNHCRの職員。ウサギの飼育は、国際援助団体のORAMの支援で技術指導が行われました。シェルターの裏にある畑。わたくし植田が昨年9月に訪問した後で、ORAMの技術指導が行われ、12月に訪問したときには畑の面積が大幅に増えました。現在、近隣に住むケニア人の農民の手を借りて、ほうれん草、ケール、バナナなどの栽培を行っています。このシェルターのある一軒家からは2月中の退去を求められていますが、新しい物件が見つかれば、そのそばに土地を借りて鶏、ほろほろ鳥、番犬、ウサギの飼育、農業を続ける予定です。シェルターのメンバー全員の要望を取りまとめて書類を作成し、UNHCRの職員に手渡して、話を聞いてもらっています。第三国定住を望む人、ケニアで暮らし続けたい人など要望は様々です。