皆さまお世話になっております。
ここではほかの鍛冶屋さんが発信していない鍛冶屋の話を投稿し、皆さまにより興味をもっていただければとおもいます。
では始めます。よろしくお願いします。
冒頭の画像の鉄の棒の上の方をよく見てみると
分かりますか?ペタッとくっついた痕がみえます。剥がれかかっていますね。
鉄と鉄をくっつけることを”鍛接たんせつ”とか”鉄を沸かしつける”といいます。
古来の溶接方法です。
この鉄棒を例にあげると、まずこの鉄棒は石垣を築くときに使う道具だったようでバールのように使っていたようです。先が曲がったり剝がれたりした鉄棒に、ほかの鉄をもってきて継ぎ足し継ぎ足しして使っていたことが分かります。
ほかにはこの碇(いかり)もそうですね。よくみると数本の鉄棒が束になって鍛接されています。
和包丁にわざわざ‘‘和‘‘とつくのは鍛接された刃物が外国にはみられないからです。
実は日本でも本州だけのようです。
日本の刃物は二種類以上の鉄と鋼を鍛接して作られています。
ふたつの金属をくっつけてひとつの製品にしている。。。
実はみなさんの家にもひとつは鍛接されたものがあります!!
小さなお子さんでも持っているものです。
なんだと思いますか??
知らず知らずのうちに鍛接された製品を持ち歩いています!(銃刀法に触れないので携行しても問題ない物です。)
スマホ?では無いですね。
ここ2、3年で全国津々浦々、老若男女に行き渡ったアレなんです。
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それは新五百円です!!
よく見てみると五百円の中心が繰りぬかれて色の違う別の金属がはめ込まれているのが分かります。色の違いが分かりましたか!?
これが鍛接です。2つの金属が一体化してますね。
そして和包丁の画像↓ 色の違いがわかりますね。
よく見ると色の違いがわかります。
これが鍛接した部分です。鉄の種類が違うので境目が色の違いになって表れています。
鍛接は昔は鍛冶屋さんが自ら行っていましたが(裏を返せば鍛接出来ない鍛冶屋は鍛冶屋とは言わない)、技術の難しさと効率化と省力化で現代では
機械で鍛接された材料を使用する事が一般的です。
大八車の車輪の鍛接痕
古い鍛接痕を見ていると昔の鍛冶屋さんがしょっちゅう鍛接をされていた事が分かります。
因州小鍛治製の刃物は鍛接にこだわっております。
次回以降も、なぜ鍛接するのか?全鋼って?などについて投稿したいと思います。
一般的な全鋼のイメージがひっくり返ります。
もし今高価な全鋼の包丁を買おうか迷われている方おられましたら、もう少しお待ち頂きたい内容です。
ご覧頂きありがとうございました。
どうぞよろしくお願いします。