いつもご覧頂きありがとうございます。また支援頂いた方、ありがとうございました。因州小鍛冶です。
今日は金床(かなとこ)の事です。
金床(金敷)は焼いた鉄を叩く台の事です。
これは古い日本式の金床です。
これだけの鉄の塊をどうやって作ったのか。
本に「昔は鉄の木端を溶かして作った」と伝承が載っていました。
金床も例によって鋼が鍛接されています。 全部鋼ではないんですね。鋼(刃金)は貴重です。大部分は地金、大事な所は刃金を鍛接するという考え方です。
そしてこれを焼き入れしているそうです。水につけるのも一苦労だった事でしょう。
こんな大きな物はくべるだけで一苦労です。焼くのも大変です。
ですから巣といって内部に空洞が出来やすいそうで欠けてしまっています。
別の金属を詰めています。 埋めて使うので問題なく使えます。
鋼がとれています。
熟練工が数人がかりで制作したのでしょう。大鍛冶の仕事です。
いつか直せればと思います。
珍しい。鍛接が剥がれた金床。鍛接の証拠です。
横面 下部分が欠損しているので別の金属を詰めています。
底面 詰め物をしています。重量物なので、それはそれは難しかったのでしょう。
結構壊れた金床はあります。先の大戦でも鉄は貴重な資源だったと伝え聞いています。それを思うと残っているだけでありがたいです。